円安阻止には大幅利上げ必要、日銀臨時会合も排除せず-三菱UFJAM
(ブルームバーグ): 三菱UFJアセットマネジメントは、日本銀行が今月利上げしても円安や債券安の流れに歯止めがかからない恐れがあり、今後は大幅な利上げや臨時会合の開催もあり得るとみている。
小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは「円安は25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げでは止まらない」と指摘。今後インフレが加速した場合には、1回の利上げ幅が50bpや75bpになる可能性もあるとの見方を示した。外部環境やファンダメンタルズ次第では、定例の金融政策決定会合以外での利上げの可能性も否定できないと言う。
イラン戦争がインフレを加速させるとの懸念から、円相場と日本国債に対する下落圧力は強まっている。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では今月の日銀による25bpの利上げが9割超織り込まれているものの、小口氏はそれだけでは市場心理の改善にはほとんどつながらないとみる。
小口氏は、日銀が今月利上げしても、ドル・円は170円程度まで上昇する可能性があり、「利上げしてもしなくても、金利は上昇しやすい」と話した。
日本国債利回りは5月に数十年ぶりの高水準に上昇した。一方、円相場は政府・日銀が月次ベースで過去最大規模の為替介入を実施したにもかかわらず、今週対ドルで一時160円台に下落し、4月30日以来の安値を更新した。事情に詳しい複数の関係者によると、日銀は今月15、16日の決定会合で25bpの利上げを検討し、年内の追加利上げの可能性もあるという。
大幅利上げや臨時利上げは、エコノミストや投資家にとって大きなサプライズとなる。日銀が25bpを超える幅で政策金利を引き上げたのは、バブル経済期の1990年8月が最後だ。当時は75bpの利上げを実施した。98年の日銀法施行に伴い現在の定例会合制度が導入されて以降、会合日程外で利上げを実施した例はない。
小口氏の見方は、日銀が円相場や債券市場に有意な影響を与えるためには、市場にサプライズを与える必要があるとの認識が広がっていることを示す。