インフレで政府債務残高を目減りさせるには実質金利はマイナス
米・イラン停戦交渉で原油価格は1バレル=115ドル近くから90ドル台に落ち着いたが依然として高止まりしたまま。日本の命運は停戦交渉の行方にかかっていると言っても過言ではない。
高市氏が望むようにインフレで政府債務残高を目減りさせるには実質金利を常にマイナスに据え置く必要がある。
名目金利がインフレ率を上回ると政府の利払い費が膨張し、財政破綻の懸念が強まる。このため日銀の国債大量購入による金融抑圧が大前提となり、利上げ圧力が強まる米欧との金利差は縮まらない。円が売られてさらに円安が進むスパイラルから抜け出せない。
円安は日本が輸入に依存する原油や食料品の価格を押し上げ、円安 → 輸入インフレ悪化 → 補助金増発 → 財政悪化 → さらなる円売りという悪循環に陥る。1カ月で過去最大11兆7349億円に達した政府・日銀による円買いドル売りでも円安が止まらないのはこのためだ。
副作用も大きい。現金の価値が目減りするため国民の預貯金や購買力が実質的に政府に盗まれている状態(インフレ税)になる。名目金利を人為的に低く抑え込み続けると本来なら市場から淘汰されるべき生産性の低い「ゾンビ企業」が生き残る。