アトピーと聞くとどんな症状を思い浮かべるだろうか?
「あー痒いっ!肌真っ赤になっちゃったな…」
とか、悲しいことに世の中はアトピーをその程度と認識している人が多い。勿論ごく軽症ならそれでも間違いではない。
母親の話によると乳幼児の頃は何をしても背中の皮膚がベリベリに剥がれ、保湿をしても下着を毎回新品にしても何もしても無意味だったとか。
大人になった今も薬が切れると全身掻き傷だらけ、体から出る汁が滲んでぐちゅぐちゅ、掻きむしった皮膚は固くなりおよそ人間の肌の触り心地をしていない。肌が突っ張り、歩いたり体勢を変えるだけで皮膚がミシミシと軋む、痛む。
ふいに触れた首筋から汁が滲み出ていてグチュ…となった時の不快感はとてつもない。
気がつくと出血しているため明るい色の服は着られない。シーツや布団カバーなんかは血のシミが点在し、いちいち洗っていたらキリがないのでシーズンごとに買い替えだ。
もちろん自分に合った薬と出会えると「ちょっと肌荒れしている人」くらいにはなれる。
しかし薬が切れた途端に爆裂悪化、つまり皮膚科はライフライン。多忙で皮膚科に行けない時があると悲惨なガチアトピー患者としての実力を遺憾無く発揮してしまう。もちろん市販の薬など効かない。
そうなると服が擦れるなどの刺激でも痒すぎて気が触れそうになる、というか気が触れる。
睡眠もまともに取れない。横になって服と掠れて痒い、体温が上がって痒い、眠るどころではなくなり寝不足になる。
気絶するくらいまで起きておいて、気絶しそうなタイミングで布団に滑り込み数時間だけ眠るという生活になる。メンタルが悪化し更に肌が荒れるという死のループに突入してしまう。
「痒い……がゆいがゆいがゆいがゆいがゆいいいいいいい!!!ウガアアアアアアアア!!!!アアアアアア!!!!!ギイイイイイイイ!!!痒い痒い痒い痒い痒い痒ィィィィイイイイイ!!!!!ンガァアアアアアアア!!!!キィイアアアアアア!!!ウグウウウウウウ!!!!!痛い痛い痛い痛いいいいいいいいい!!!アガアアアアアア!!!」
そして実際にこんなふうに叫びながら頭を振り腕を全力で振り回し上半身を振り回し脚は空中に蹴りを入れまくり、室内を走り回り大暴れ。
じっとしてるなんて以ての外。そうでもしないと耐えられない。
じっとしていたら包丁で自分を刺すか高層ビルに駆け込んで飛び降りそうなぐらいキツいのだ。何度もそれが頭によぎったし、実際外に飛び出そうとした事もある。
世界情勢が変わって薬が手に入らなくなったら?
もうこれ立派な薬物中毒者だよぉ。
実際、自分も人生においてアトピーが酷いから遅刻しますと担任に伝えて「アトピーなんかで遅刻?ふざけるな!」と叱責されたことがあるし、そこまでじゃなくとも上司に「アトピー?それって病院行くの来週じゃダメかな?」などと言われてしまったことがある。
特に自分は症状が酷いのは体なので、人から見えている顔はそこまで酷いように見えないのだ。
ただ、ガチアトピーはこのくらい悲惨であることが世の中にもっと知れ渡って欲しいなと思う。
症状は人それぞれ。それもそう。
しかし世の中には自分のような悲惨なガチアトピー患者もいるし、きっと自分以外にも大勢いるはずだ。もっと酷い人だって数え切れないだろう。
もしもアトピーが絶対に誰でも完治する世界になったら東京駅前ではっぱ隊(衣装込み)踊ってお祝いするからよろしこ。
読んでくれてありがとうございました。
アトピー不正乗車☺️