《健康腸寿を目指す》名医と食のプロが教える「腸の機能回復」に役立つ食べ物と習慣 ぬか漬けは「食べる美容液」
弱くなった筋肉も鍛えればいつまでも歩けるように、加齢で衰えた腸も食事や運動習慣でよみがえらせることができる。今日からでも遅くはない。あなたの腸が元気になれば寿命がグッと延びるはずだ。 【写真】腸がぐんぐんよみがえる「最強食品」&「生活習慣」をリストでまとめてチェック!
年を重ねるごとに体や脳の機能が衰えるのは必然。「健康の要」とされる腸もまた、疲れて動きが悪くなる。犀星の杜クリニック六本木院長で、消化器病専門医の川本徹さんが言う。 「年をとるにつれて腸内細菌のバランスが変わり、ビフィズス菌などの善玉菌が減る一方、悪玉菌が増えていきます。腸内のビフィズス菌の割合は40才で19%、60才で10%を切り、80代で1%になる。腸内フローラのバランスが崩れ、腸の働きが落ちてしまうのです」 腸の働きが低下すると、便秘や食欲低下、肌荒れなどの不調が起こり、果ては糖尿病やうつ病、大腸がんリスクも高まるという。辨野腸内フローラ研究所理事長で腸内細菌学者の辨野義己さんが説明する。 「腸には全身の免疫を担当する細胞の約7割が集まっているといわれています。善玉菌が減って悪玉菌が増えることで、免疫力が低下。肥満や高血圧などのほか、腎臓病や潰瘍性大腸炎、最近では、認知症、骨粗しょう症やサルコペニア、変形性膝関節症にも腸内細菌がかかわっているということがわかってきています」
ぬか漬けは食べる美容液
腸の機能を回復させ、よみがえらせるためには日々の食事、習慣が何より大切だ。ナビタスクリニック川崎院長の谷本哲也さんは、「食事と生活習慣が腸に表れる」と指摘する。 「年を重ねると食欲低下により食事が単調になり、体に必要な野菜、豆、海藻類、きのこ類などの食物繊維を充分に摂れず、腸内細菌のえさが不足します。運動量が落ちて筋肉が減ると腸の動きも鈍くなり、自律神経が乱れたり睡眠の質が下がるケースも。これらが複合的に腸内環境の悪化や体調不良に表れているので、食事も生活習慣もあわせて改善する必要があります」 腸をよみがえらせ、健康な体を維持するために必要な「最強の食品」と「究極の習慣」を13人の名医と食のプロに聞いた。そこで最も多く票が入ったのは1位の「納豆」だ。 「整腸作用のある納豆菌が含まれており、腸内細菌のえさになる食物繊維と植物性たんぱく質を摂れる点が優れています。便通改善だけでなく、加齢で落ちやすい筋肉維持にも役立つ。毎日1パックを目安にしたい食品です」(谷本さん) 2位は「ヨーグルト」。管理栄養士で料理家の金丸絵里加さんが解説する。 「ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を手軽に補給することができます。商品の種類によって含まれる菌株が違うので、腸内フローラの多様性回復を促すために、定期的に食べる種類を変えてみるといいでしょう。 『キウイフルーツ』(5位)や『バナナ』(6位)などとあわせたり、善玉菌のえさになるオリゴ糖やはちみつと一緒に食べるのもおすすめです」 キウイは食物繊維や抗酸化作用の強いビタミンCなどが豊富で、便通改善のほか免疫力向上などいくつもの健康効果が期待できる。 上位2つと同じ発酵食品である「みそ」(4位)、「ぬか漬け」(7位)も毎日の食事に取り入れたい。秋葉原駅クリニックの佐々木欧さんが言う。 「みそは多様な生理活性物質を含む日本の伝統食品です。加熱後の死菌体も免疫活性化に働くので、みそ汁などの調理も可能。ランクインしたほかの食材を入れて食べると効率的な腸活ができます」 腸セラピストの真野わかさんは、ぬか漬けの効果について続ける。 「ほかの食べ物からは摂りづらい酪酸菌が含まれているほか、植物性乳酸菌と食物繊維も摂れる。“食べる美容液”ともいえる伝統的腸活食品です。市販品は調味料で味付けされた発酵していないものもあるので、成分表を確認してください」 腸のバリア機能向上が期待できるのが「さば」(8位)だ。管理栄養士の望月理恵子さんも推す。 「加齢に伴い腸のバリア機能が弱まることで、体全体で炎症が起きやすくなり動脈硬化やがんを招くことになりかねません。さばに多く含まれるEPAやDHAは、炎症を起こすサイトカインの分泌を抑えることがわかっています」 金丸さんが言い添える。 「さばから出る水分や油にも栄養が含まれているので、水煮やみそ煮の缶詰を汁ごと食べましょう。さばと同じ栄養素が摂れるあじやいわしはこれから旬を迎えておいしい季節です。刺し身や照り焼きにしてタレごと食べるとEPAやDHAが含まれる良質な脂を逃さず、無駄なく栄養を摂れます」 逆に腸にダメージを与えるNG食品もある。添加物の多い超加工食品、清涼飲料水、酒とたばこのほか、辨野さんは「脂の多い肉は大腸がんのリスクを上げる」と指摘する。 「私が30代の頃、チームのメンバーと一緒に霜降り肉を毎日1.5kg、40日間食べ続ける実験をしたことがあります。その結果、大腸がんの促進物質を産生する腸内細菌が新しく3種類も発見されました。脂の多い肉は、大腸がんのリスクを優位に上げるので避けましょう」
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