第106話

宿舎デート-1
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2026/05/30 10:00 更新
🐧「ハニー!扉開けてくれるー?」
いつの日かスンミナにハニとのお出かけを勧められてから、さらに少し経った頃。
僕は両手にテイクアウトのアイスアメリカーノを持って、ハニの部屋の扉を叩いていた。
彼の要望に沿ってどこに行くか決めようと思っていたら、提案されたのは室内でゆっくりすることだった。
同じ宿舎だから代わり映えしないが、おうちデートのようで案外思いっきり楽しめそうだ。
🐿「今開ける!……って、わぁ、両手に荷物が。買ってきてくれたの?」
🐧「うん。自分で淹れてもよかったけど、味の保証ができなかったから」
🐿「別に気にしないのに。……あ、入っていいよ」
🐧「お邪魔しまーす」
🐿「全然。ヒョンいつも丁寧だよね」
ハニの部屋に足を踏み入れた瞬間、僕は周囲を見渡して、少し驚いた声を漏らしてしまう。
🐧「綺麗だね、片付いてる」
🐿「や……いつも散らかしちゃって定期的に片付けるの手伝ってくれてありがとうございます。……今日は折角のあなたの下の名前ヒョンとの時間を無駄にできないから、頑張ったんだよ」
🐧「それが聞けて嬉しい」
二人並んで座り、アアのカップを軽くぶつける。
そのときふと思い出したようにハニが尋ねてきた。
🐿「そういえばさっき、扉の前で僕の名前を呼んだ?それとも、Honeyって呼んでくれた?」
🐧「ん……?ハニを伸ばして呼んだつもりだった」
🐿「アンデ〜😭」
🐧「ハニー……あ〜、ややこしいね。チャギって呼んでほしかった?」
🐿「僕たち『恋人ズ』とか『ハニーズ』って呼ばれてるけど、最近あなたの下の名前ヒョン僕以外と一緒にいることのほうが多いから……」
🐧「寂しかった?」
🐿「……」
🐧「キヨッタ、ジソンアㅎㅎㅎ」
🐿「それ、ジソンって言ってくれるのもかなり久しぶりかも」
🐧「クレ?ミアネヨ」
確かに最近はハニと二人だけの時間はほぼなかった気がする。
普段は互いに忙しかったし、オフの日は逆にスケジュールが合わなかった。
🐿「そうだ、プレゼントがあるんだ」
🐧「いつもの?」
🐿「うん。よく使ってる蜂蜜がなくて、今回は少し高いもの買っちゃった」
そう言って、ハニは蜂蜜とナッツの入った袋を取り出す。
いつだったか、僕が料理に慣れるために、取っ掛かりとして始めたお菓子作り。
その頃からハニは、ケミ名に因んでこれらをくれるようになった。
その代わり、僕は作ったお菓子を一番にハニに届けるのだ。
🐧「楽しみにしててね、近いうちにまたクッキーでも作るから。……それで、なにするの?」
🐿「一緒にアニメが観たい。僕ヒョンのためにいろんなジャンルを準備してたの。多分なんでも揃ってるよ」
🐧「アニメ観るならハウルがいい!チャギ好きでしょ?でも僕、あまり覚えてないんだよね」
🐿「いいよ。じゃ、つけるね」
🐧「TiniguinとHAN QUOKKAも並べようㅎㅎ」
🐿「可愛い、その写真欲しい」
🐧「撮ってあげるよ」
🐿「違う、ヒョンも一緒にだよ」
🐧「あ、僕も映るの?ㅎㅎ」
一緒に過ごした日は、こうやってスマホのフォルダの写真が一気に増える。
ふざけた写真も多いリノヒョンのときと違って、ハニとの写真はどれを見ても楽しそうな顔をしていて、それだけですべてが浄化されたように感じる。
二人だけの部屋。扉を閉め切ってしまえば、まるで世界に二人しかいないかのように錯覚してしまう。
ずっとこうして笑いあっていたいと、この幸せを嚙み締めた。

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