ロシア軍が電力・食料遮断する「兵糧攻め」…マリウポリ「掌握」、米国防総省が否定
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【ワシントン=田島大志、ワルシャワ=上地洋実】ロシア軍は22日、「掌握」を宣言したウクライナ南東部マリウポリへの爆撃を継続した。「掌握」宣言は国内向けアピールという意味合いが強く、実際には戦闘が続いているとみられる。露軍幹部は22日、東部と南部の「完全制圧を目指す」と表明した。戦闘のさらなる拡大、長期化が懸念される。
マリウポリ市の市長顧問は22日、露軍が同日朝から多連装ロケット砲を使い、ウクライナ側が抵抗を続けるアゾフスタリ製鉄所を攻撃したとSNSで明らかにした。プーチン露大統領は21日、製鉄所への突入作戦の中止を命じたが、露軍は攻撃を緩めていない模様だ。
米国防総省高官は21日、マリウポリで露軍の空爆が続き、部隊が離れる動きも見られず、「まだマリウポリに集中している」と指摘した。国防総省のジョン・カービー報道官は22日、米CNNの番組で「マリウポリはまだ制圧されておらず、ウクライナ軍の抵抗が続いている」と述べた。
ロシアは「掌握」を戦果として国民にアピールする準備を進める。露国防省は21日、公式サイトに「マリウポリ解放」と題したページを新設し、第2次世界大戦中に旧ソ連軍がナチスドイツを追い出した歴史を詳細に伝えた。今回の「掌握」を当時の歴史になぞらえた「偉業」と位置付ける狙いとみられる。
一方、タス通信などによると、露軍中央軍管区の副司令官は22日、侵攻作戦の第2段階の目標として、「(東部)ドンバス地方やウクライナ南部の完全制圧を目指す」と宣言した。
2014年に併合したクリミア半島から、親露派武装集団が支配するウクライナ東部を結ぶ「陸の回廊」を築く狙いをはっきりと示した。「南部」とはオデーサ(オデッサ)やミコライウを指すとみられ、今後、各都市への攻撃が本格化する恐れがある。
副司令官は、ウクライナの隣国モルドバでロシア系住民が一方的に独立を宣言した「沿ドニエストル共和国」でもロシア系住民が抑圧されていると主張した。南部制圧によって、モルドバまでの一帯を影響下に置くことや、ウクライナを黒海から遮断する「内陸国化」を目指しているとみられる。
露軍はウクライナ東部で、市民生活に打撃を与えるため、電力網や食料流通を遮断する「兵糧攻め」を仕掛けている。
ウクライナ国営通信などによると、東部セベロドネツクでは、露軍の攻撃で全ての食料保管庫が破壊された。隣り合うリシチャンシクも電気などの供給が途絶え、東部ハルキウ(ハリコフ)では21日、市場2か所が露軍に砲撃された。
ロイター通信によると、22日にはロシア、ウクライナ双方の停戦協議代表団トップが長時間、協議したという。形式や内容は明らかにされていないが、アゾフスタリ製鉄所に残された民間人の退避などについて話し合ったとみられる。