🐺「あー、面白かった」
🐥「そういえばヒョン、最初から知ってた感じ?」
🐺「まあね」
🐶「僕もパーカーの話は知らなかったけど、彼女はいないと確信してたよ」
🐧「……その言い方はさぁ!少し僕に失礼じゃない!?」
🐶「はは」
ずっと一人で笑っていたチャニヒョンがまだ楽しそうにしながら言った。
そこに割り込んできたわんこに、それはそれで失礼な言い方だと一言突っ込んでやったら、軽く笑っている。
反省しないならもう少しだけ言い返そうと振り返ったら、またもや衝撃が走った。
🐶「だって、仮にあなたの下の名前ヒョンに恋人ができるとしたら、それは彼女じゃなくて彼氏だよ、間違いなく」
ある意味的を射た発言に、思わずむせてしまった。
右手も震えているが、それでも問い詰めてやる。
🐧「それは……なんでかな?わんこよ」
🐶「だってヒョン、可愛いし」
今度こそ咳が止まらなくなって、机の上の水の入ったペットボトルに手を伸ばした。
原因を作ったスンミナはケロッとしているが、もうなにも言う気力がなくなって、一気に水を含む。
🐿「ヒョン大丈夫?」
🐧「うん、もう大丈夫だと思う」
焦ったように可愛く覗き込んでくるハニにそう返しながら、漸く落ち着いたと思ったとき、これまで静かに聞いていたもう一人、リノヒョンが口を開いた。
🐰「あなたの下の名前、それ僕のペットボトルだけど」
🐧「え?」
リノヒョンはソファの上からもう一つ同じラベルのペットボトルを持ってきて、見せてくれる。
焦っていて気付かなかった僕はとっさに頭を下げた。
🐧「ごめんヒョン、新しいの買ってくるよ」
🐰「いやいい、あなたの下の名前のやつ貰うから」
リノヒョンがあっさりとそう返すと、弟たちが「間接キスだ」と騒ぐ。
ちょうどそういう話題だったから当然の流れではあるが、スンミナの発言の後だったために珍しく”異性”として認識してしまった。
🐧「な……リノヒョン!」
🐰「なに?僕がそんなに嫌なの?」
🐧「い、やじゃないけど……」
🐰「ならいいじゃん。メンバーだし同性だし、今さら照れることないでしょ。まだたくさん残ってるし、わざわざ買う必要もない」
👑「ヒョンめっちゃ顔赤いけど」
🐧「き、気のせいだって!ほら、この部屋暑くない?」
変なやつ、とリノヒョンが呟く。
僕はその隣で、身体の熱を下げるのに必死だった。
とはいえこの話は暫く内輪で騒がれたあと、「チャンビンの早とちり」ということで片が付いた。
無駄に鋭いリノヒョンやスンミナに警戒しつつも、すぐに何気ない日常に戻っていった。
だから、次にあのニュースが飛び込んできたのも本当に突然のことだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。