『それにしてもティニヤ、昔から美人だったんだね』
🐧「ほんと?リノヒョンみたい!?」
『いや、リノくんビジュアル強いけど男だから。私は美少女って意味合いで言ったんだけど』
🐧「それも嬉しいよ。昔から男女問わずかっこいいとしか言われてなかったから、なおさらね」
『今もかっこいいよ。でもほら……髪色と相まって凄く綺麗』
🐧「お、完成?目を開けていい?」
『閉じてたんだㅎㅎㅎ はい、いいよ』
ゆっくりと瞼を持ち上げ、目の前の鏡に映る髪色を見つめる。
少し明るめ、ブロンドの配色の多いシルバーブロンドは、確かに幼い頃の自分の髪色と同じだった。
思えば、ニューヨークの地下鉄の窓ガラスに映っていた自分はこんな感じだったかもしれない。
🐧「やっぱりここまで再現できるなんて、流石オンニだね」
『嬉しいけど……感想それだけ?あなたの下の名前、元から美人だったのがさらにグレードアップしたんだよ?』
🐧「綺麗だよね。父の遺伝のお陰だよ。だけどそれよりこの髪色、今回の曲に合うかなって心配のほうがある……」
『は?3RACHAに許可もらったんでしょ?』
🐧「シルバーにしたいとは言ったよ。でもこれじゃ明るすぎないかな……」
『似合ってるから問題ない』
🐧「そういうもんなの?まあオンニの名前出したらいいか……。あ、コンタクト入れるから、オンニ写真撮ってくれる?」
『了解』
準備しておいたブルーグレイのカラーコンタクトをつける。
あのまま髪も瞳も色が変わらないまま成長していたらこんな見た目だったのかと、鏡の中の自分をじっと見つめる。
確かに綺麗な色彩を纏った自分が、そこにいた。
『ほんとだ、凄い。あなたの下の名前が韓国に来て初めて会ったときの姿だ』
🐧「そういえばオンニもこの容姿を見たことあったね」
『美少女が来たって思ったものよ。地毛だって知ってさらに驚いた』
🐧「あのときはこの色が好きだった。長くて艶のある髪で……。でも今は少し戸惑ってるよ。やっぱりこの色は好きだけど、メンバーやSTAYがありのままの髪や瞳を褒めてくれて、自分でも誇りを持てていたんだろうな」
『よく「ヘーゼル」って呼ばれて嬉しそうにしてるでしょ』
🐧「バレてた?」
『楽しくやってるようで、寧ろ安心してるけど。……ほら、写真撮ってあげるからそろそろ帰りな。ブリーチに時間かかったから、メンバー皆心配してそう』
🐧「ほんとだ、まずい!楽しくてオンニと喋りすぎた!」
『用がなくてもまたおいで。ここ出るときはちゃんと隠してからね』
🐧「ありがとう、スマホ渡すね」
後ろ髪、正面、全身……。
あらゆる角度から撮ってもらい、スマホを受け取って確認する。
そして、フードとキャップを被って髪を隠し、瞳を隠すためにサングラスも手に取る。
オンニにも確認してもらい、あとはマネヒョンの車を待つだけだ。
🐧「オンニ、今日はありがとね。最高の仕上がりだし楽しかった」
『初めての髪染めを私が担当できてよかったわ。メンバーもSTAYも絶対気にいると思う。今度来るとき、メンバーのリアクションがどうだったか教えてよ』
🐧「ちゃんとカメラで撮影しておくね。……あ、マネヒョン来たって連絡が」
立ち上がり、荷物を纏める。
オンニと挨拶を交わしていると、マネヒョンが入ってきた。
Mgr『あなたの下の名前ー!……って、うわ凄いな、それ。めっちゃ似合ってる』
🐧「ヌナの腕のお陰です」
『いや、元が美人だから』
Mgr『宿舎が騒がしくなりそうだな。……いつもお世話になってます』
『此方こそ、また宜しくお願いします。またね、あなたの下の名前。練習頑張って』
🐧「ありがとうございます、ヌナ」
最後に口パクで「ありがとう、オンニ」と付け加える。
マネヒョンは事情を知っているが、念の為の用心だ。
オンニは意図に気付いて優しく笑い、最後まで手を振ってくれた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。