第12話

始まりのお話-10
738
2026/05/19 18:32 更新
バタバタと引越し作業を終えてから、デビューのためのミッションの始動まではとにかくあっという間だった。
私はショーケースで代表に再び指摘されていた体幹の問題に対し、チャンビナの助けを借りながら必死にトレーニングに励んだ。
そして、気合を入れるために長く伸ばしていた髪をかなり短く切った。
男のふりをするのだからそれでよかったのかもしれないが、それを見たメンバー、特にジョンイナにはかなり泣き付かれた。
🐺「なんで切っちゃったの……」
🐧「気持ちを改めるためだよ。今まで以上に集中しなきゃ」
🐥「男だけど、ロングヘア凄く似合ってたのに……」
🦊「ヒョン、また伸ばしますよね?」
🐧「そんなによかった?……凄く嬉しい。ありがとう。ちゃんと皆でデビューできたら、また伸ばそうかな」
👑「約束だよ!?」
けれど、現実は厳しいものだ。
ミッションが始まり、あっという間にミノヒョンが、リクスが脱落してしまった。
それでも僕たちに立ち止まっている時間なんてなくて、ただただ前に突き進む。
メンバー同士の支えやファンの声援、家族の応援が力になったのは言うまでもない。
その後、脱落後も練習を続けていたことが評価され、2人に再びチャンスが与えられた。
そして7人と9人という2つのパフォーマンスを準備しながら目まぐるしく過ぎていく日々の中、いよいよ最終ミッションの日を迎えた。
🐺「絶対に全員でデビューする。もう二度と誰も失わないよ」
不思議と不安や心配はなかった。
もしかしたらこれが最後になるかもしれないという覚悟で挑みつつも、全力を尽くせた自信があった。
僕はチャニの反対側に立って2人で大切なメンバーたちを挟みながら、代表の結果発表を待つ。
PD「今回デビューするのは……」
永遠とも思えるほどの沈黙のあと、代表はゆっくりと、しかしはっきりと結果を口にする。
PD「おめでとう。君たちは9人で『Stray Kids』だ」

🐥「うそ……」
🐰「!!」
🐧「……やった!やったよ!皆一緒だ……!」
👑「よ、かった……」
🐿「ほんとだよ……」
グループ皆で抱き合い、その後私は一人ひとりとハグをする。
最後まで堪えていた涙が頬を伝い、チャニに力強く抱き寄せられた。
🐧「約7年、僕たち本当に長かったよね」
🐺「確かにね。あなたの下の名前も……この日まで辞めないでいてくれてありがとう。一緒にデビューできることがとても嬉しい」
🐧「僕もだよ。出会ったときからずっと支えてくれて、何度も誘ってくれて、ほんとに幸せ。これからも変わらず宜しくね」
こうして、『僕たち』の『Stray Kids』としての日々が始まった。

プリ小説オーディオドラマ