狼煙をあげろ
更新遅くなってすまない!
推薦入試の準備中で!!!!
いせかる3期、スバルくんが可愛くて楽しい。
レイドの声梅原さんにならないかなあ。
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『スバル──っ!』
『え、エミリアたん!? 急でいきなりでビックリしたし、めちゃくちゃ柔らかくていい匂いするね! シャンプー変えた!?』
『スバルのバカ! もう、すごーくバカ! いっぱい、いっぱい心配したの! それなのにあんな風に……バカ! バカバカ!』
『すげぇ馬鹿って言われてる! いや、言い訳できないんだけど……』
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「──本当に、しょうがないんだから」
エミリアが、愛おしさを噛み締めるように囁く。
スバルはもう少し理解するべきなのだ。あの瞬間、スバルの言葉がエミリアの心をどれだけ支えてくれたのかということを。
「──ばか」
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『心配かけてごめん。でも、俺、戻ったから。……復活した? くっついた? 完全体ナツキ・スバルになったっていうか、とにかく、大丈夫だから』
『ちゃんと、一緒になれたの? 記憶がないときのスバルも、スバルだったから。だから、スバルが全部思い出してくれても、あの、短い間でも一生懸命だったスバルは……』
『──ああ、うん。大丈夫だよ。俺の中にも、エミリアたんの中にも、『俺』がいたことは確かに残ってる。だから、本当に大丈夫だよ、エミリアたん』
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「────」
ラムが、ほんの少し口の端を緩める。
安堵とも喜びとも判断がつかないその表情は、誰にも見られることのないまま本人の胸の内にしまわれ、
「──遅いのよ」
と、吐息混じりに吐き出された言葉に隠されてしまった。
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『エミリアたん! 俺に考えがある!』
『――! わかったわ! じゃあ、それをしましょう!』
『まだ何にも言ってないけど!?』
『いいの! スバルの考えなら、一生懸命考えてくれたあとに出てきたものだもの! 私が今から色んなことを考えて答えを出すより、ずっと信じられるから!』
『──ああ、クソ! 嬉しいこと言ってくれちゃって!』
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「──エミリア、ベティーもエミリアに賛成なのよ」
「そう? よかった。何を考えるかも大事なんだけど、誰が考えてるかもすごーく大事だと私は思うの。だって、信じてる人の考えなら、全部信じてあげたいじゃない」
それを、なんの打算もなしに言えてしまうのが、エミリアをエミリアとして構成する要因だ。
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『エミリアたん! みんなのところに!』
『ん、わかった! だけど、みんながどこにいるかは……』
『──それをスバナビするのは、俺の役目だよ』
『──まずは、俺の可愛いパートナーを回収する!』
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「──見れば見るほど、ナツキくんの権能があの『強欲』の権能と同じとは思えんのやけど」
「私もそう思うわ。だから、スバルは力をみんなのために使いたいって思ってるからだと思うの。スバルってば優しいから」
エミリアが、豊満な胸に手を添え、温かさに触れるように微笑む。
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『……スバル、ホントに、全部、思い出せたのよ? ベティーのことも、ベティーとどんな風に過ごしてきたのかも、全部?』
『ああ、そうだよ。そんな不安そうな顔すんな。全部思い出したし、何ならいくらでも捏造してやれる。俺とお前の、あることないことヒストリアだ』
『ないことを捏造する必要はないかしら! ああもう! スバルは本当に、ベティーを振り回してばっかりなのよ』
『お前を退屈させない契約者、ってのが契約条件だったはずだからな。それと、お前は俺のこと、スーパーマンじゃないって言ってたけど……客観的に見て、俺って結構、スーパーマンじゃね?』
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「スーパーマン……うーん、分からないけど、スバルはすごいって話? なら、そうかも!」
エミリアが明るくそう口にする。
オットーは少し嫌そうな顔をしていたが、エミリアは、そこまで嫌ではなかった。
「──でも、スバルは頑張りすぎなとこがあるから、その……スーパーマン? に、なろうなんて、思わないでね」
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『はい! 私はエミリア、ただのエミリアよ。色々言いたいことはあるけど、ベアトリスともラムとも、おんなじ方向を見てる家族だから! それだけわかってくれてたら、今の私は大丈夫。スバルが覚えててくれてるってわかってから、なんだかすごーく調子がいいの』
『――いいか? 今、この塔はヤバい状態にある。どのぐらいヤバいかっていうと、オセロで角を四つ取られてるみたいな状況だ』
『それは……かなりマズいわね』
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「──ほぼ詰みですね」
「なのよ」
「でも、全部取られたわけじゃないもの! それに、この会話は覚えてるから、平気よ!」
楽観的といえば楽観的、メタ的といえばそれまでなセリフをエミリアが口にして、オットーは瞳を伏せて笑った。
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『角四つなんて、とんでもない状況かしら……ハンデにしても、やりすぎなのよ』
『そんなに角もらったら、てんてこ舞いになった私でも勝てちゃうかも……』
『てんてこ舞いってきょうび聞かねぇな……』
『――! スバル、今の、もう一回言って』
『あとでね。あとで』
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「お姉さん、少し喜びすぎじゃないかしらあ?」
「だって、本当に嬉しかったんだもの。それに、この時言ってもらえなかった分は、これからたくさん言ってもらうから平気なの」
ふふん、と得意げになるエミリア。可愛い。
「──ここからは、知ってる未来なはず」
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『エミリアたん?』
『ううん、何でもない。ただ、なんだかすごーく心強いって思って』
『――。そりゃ偶然、実は俺も同じ気持ちなんだよ。仲間を信じるのは当然だし、その仲間に頼る自分のことも信じられる。この砂だらけの塔にきて、今が一番、視界が晴れてるぜ』
『──その顔、ベティーの一番好きなスバルかしら』
『ベアトリスは覚えてないみたいだけど、私もおんなじこと思ってたの』
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「──そういえば、今気づいたけれど、エミリアの記憶がベティーの中から消えてないかしら!」
「──あっ、ほんとだ! さっきの時は、スバルがないことにした世界のことだからかなって思ってたけど……これは、ちゃんと覚えてる世界のことなのに」
「──エミリアだけが例外……? いや、そんなことはありえないのよ。なら、なぜ……?」
「──一日で取り戻したから?」
「──と、思いたいかしら。この意味のわからない状況に加えて、犯人がエミリアに面識があるなんて、混乱が大きくなるだけなのよ」
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『──シャウラ!』
『お師様……? お師様、あーしに……あーしに、命じてくださいッス……! 誰かが、ルールに違反したんス。この、ままだと、あーし……お師様を……! そうなる前に、でなきゃ、お師様を、お師様を……っ』
『何度も言ってるが、俺にはお前にお師様呼ばわりされる心当たりがねぇよ。だから、俺がお前のお師様かどうか、それを認める認めないの話は後回しだ。俺は、お前に死ねなんて言ってやらない。俺は、お前を泣いたままになんかさせてやらない。俺は、お前の四百年をここで終わらせてなんかやらない。俺がそれをしてやる! 唯々諾々と、誰かの言いなりになんてなってたまるかよ! 運命様、上等だ!』
『──お師様……愛してるッス』
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「──シャウラ!」
瞬間、シャウラの風貌が、劇的に変化を始める。
シャウラの胸の内を走るのは、きっと、目の前のスバルへの抑えきれない愛情のみだった。スバルの言葉が、シャウラにそれを与えたのだと、エミリアは感覚的に理解する。
「──うん、そうね、スバル」
意地の悪い運命なんかに、シャウラの400年を否定させるわけにはいかなかった。
「──この後、確か……」
記憶を、辿る。
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『メィリィ! エキドナ!』
『ナツキくん! 立ち直った……いや? もしや、ひょっとして、『記憶』が戻ったのかい?』
『話が早い! けど、なんでわかった?』
『わかるさ。君の隣で、ベアトリスがそれだけ自慢げな顔をしていればね』
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「ほんま、可愛いもんやね。嬉しそうなんが顔で一発やわ」
「そうなの。ベアトリスってばすごーく嬉しそう」
「エミリアも人のことは言えないかしら!」
そんな風にベアトリスが声高く叫ぶのを聞き、
「──シャウラがこうなってまうんは変わらんのやね。ナツキくん、気に病まんとええけど」
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『──今回で、ケリをつける!』
『それでえ? 全然説明がなくってちんぷんかんぷんなんだけどお、わたしにはちゃあんと説明してくれるのかしらあ?』
『悪ぃが付き合ってもらうぜ、メィリィ。俺とベア子とお前の三人で、魔獣の群れと大サソリ――角二つを、押さえ込む!』
『それ、説明になってないからねえ!』
『──くるのよ!』
『で、四百年の引きこもりか。引きこもり対決だ。あっちは一人で四百年、こっちは二人で四百一年だぜ』
『三人で、四百二年の方が正解じゃないかしらあ』
『つまり、俺たちが勝つ!』
『勝つってところ以外、意味がわからんかしら!!』
『──本気で頼んだぜ、エミリアたん。君が、全部の鍵だから』
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「──思い返しても、お兄さんは本当にめちゃくちゃな人だわあ。こんな作戦、充分自殺行為よお」
スクリーンの中でぎりぎりの攻防を繰り広げるスバルに、メィリィは呆れたように息を吐きながらそう口にする。
「──まあ、そんな人じゃないと、わたしもこんなふうに味方になったりしなかったかもしれないわねえ」
考えを変えるのは容易ではない。
メィリィにそれをさせようとしているスバルは恐ろしくお人好しで、恐ろしく人たらしだ。
「──また、ペトラちゃんが怒るわねえ」
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『砂海に落ちたら、二回戦開始だ。あいつは俺を追ってくる! ひとまず、中のみんなに手出しはされねぇはず……』
『でもお、決定打がないのは一緒でしょお? いつまでも逃げ回ってても勝ちは拾えないんじゃなあい?』
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「その通りなのよ。それにしても……はぁ、シャウラのスバル好きには困ったものかしら。あんなになっても抱きついてこられたら、ベティーを抱きとめるスバルの腕がへし折られてしまうのよ」
軽口を言いながらも、ベアトリスは真っ直ぐにスクリーンを見、
「────」
少し、口を噤む。
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『お前の言う通り、俺たちじゃシャウラを……あの大サソリを何とかできない。だから全部の鍵は、エミリアたんが握ってる』
『……さっきの、銀髪のお姉さんのこと?』
『そうだ。エミリアたんと、五つ目のルールが全部の鍵。『試験』を終えずに出られない。『試験』の決まりは破れない。書庫への不敬は許されない。塔を壊してはならない。そして……』
『そして?』
『――『試験』を壊すことは禁じない。この塔のルールは壊せる』
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「──ルールの穴……か。いやはや、全く……君らしい答えじゃあなーぁいか。スバルくん」
意図して作られた、『賢者』フリューゲルが残したであろう抜け道。
当人がこの結末を予見していたかは知らないが、正攻法以外も用意しているということは、当人も『試験』の難易度を理解していたのだ。
「書庫への不敬を許さない、という点においては、私も覚えがあるとも。何度もベアトリスが怒っていた」
「それはお前が本を適当に置くからかしら。ぶっ飛ばすのよ?」
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『──っ! くるかしら!』
『ベア子! メィリィ! 時間を稼ぐ! 俺たちの勝利条件は、エミリアたんの勝利!』
『合点承知なのよ!』
『それって、具体的にどのぐらいなのかしらあ?』
『エミリアたんのできる、最高速度だよ。さあ、やるぜ、運命――いや、塔のシステムをぶち壊す!』
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「エミリア様の最高速度とは、稼ぎがいのある時間ですね」
「そうですわね。エミリア様なら、きっとすぐにどうにかしてくれるでしょうから」
「──そうね。エミリア様は足が早いし躊躇いがないもの」
「ええ! すごーく頑張ったわ!」
「それを正面から言えるところが僕は本当にいいと思いますよ」
「わたくしもですわ」