Re:ゼロから始まる
約束された神回!!!!!
全裸待機されたので風邪を引かれる前に出しました。服は着ような、暑いけど。
リゼロ全巻大人買いしました!
短編集とリゼロペディア?も買いました!
短編集の上映会してみるのもありかも!
どう思いますか!
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スピーカーが揺れて、声はなおも言葉を紡ぐ。それは、決して声にならなかった心の声。それを聞いてしまうのは忍びないとわかりながらも、それを防ぐ方法もなく、ただただ聞く。
『死にたい。消えたい。潰えて、躙られて、跡形もなく、灰になりたい。蘇るなら幾度でも、その身を灰にして掻き消してくれ。』
『――愛してる。愛してる。愛してる。』
『やめろ、うんざりだ。いくら繰り返されても知ったことか。俺は、愛していない。俺は、俺を愛していない。愛されていることは、知っていた。知っていたさ。あの両親だ。父も母も、スバルのことを心の底から愛してくれていた。知っていたさ。知らないわけがない。だから、スバルは消えてしまいたかった。両親に愛されているのに、愛される価値のない自分を愛せるはずがなかった。』
そんな、悲しすぎる言葉たちを、菜穂子は静かに聴きとどけていた。その気持ちを否定したいわけじゃない。でも、あまりに悲しくて、心が縮こまってしまう。愛される価値がなかったなんて、そんなわけがないのに。
「──でも、スバルにとってはそうだったのね。ずっと……」
それを、止めてあげられなかった。もっとちゃんと、あの子の心の棘を抜いてあげなきゃいけなかった。それが、出来なかった。しても仕方ない後悔をし続けて、どうしようもなくなる。
『――愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。』
『やめてくれ、勘弁してくれ。もう十分だろ。いくら重ねられても、これ以上は何も引き出せない。とっくに、俺の中では結論が出てたさ。わかってた。わかってたのに、目を背けてただけだ。あんなに必死で、一生懸命で、スバルを案じる人たちが、悪い人たちのはずがない。わかっていた。わからないはずがない。だから、スバルは死んでおくべきだった。スバルの存在に心煩わせる人たちの慈悲に、照らされないよう努めるべきだった。』
「──死んでおく、べき……?」
その言葉に、苦々しい表情をしてオットーが声を震わせる。
そんなわけがないだろう。スバルの周りの人間がスバルを大切に思うのは、スバルが周りを大切にしてきたからだ。人間関係というのは、当人の心の鏡だからだ。
「──嗚呼、なんて言うべきなんですかね」
自らの思いを的確に表す言葉が見つからない。それは、黙っておくにはあまりに重く、言葉にすると酷く軽くなる。そして、
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『──そこまでよ』
『──スバル!』
『──っ』
『り、やぁっ!!』
『──もう、十分だ』
『え?』
『これ以上、足掻いても仕方ないって、言ったんだよ』
『────』
『なんで助けにきた? おかしいだろ、そんなの。お前だって、俺が偽物だって……そう思ったから、氷の檻で閉じ込めて、殺そうとしたはずだ』
『殺そうとだなんてしてない! 私は、様子のおかしいスバルから話を聞きたかっただけ。それで、スバルは話してくれたじゃない。記憶がないって。だから……』
『そんなのは! ただの、方便かもしれないだろうが! あっさり信じたのかよ? 馬鹿げてる。どうかしてるぞ! お前も、ユリウスも、ベアトリスも!』
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「──だって、スバルが言うことなら、信じてあげたいもの。そう思わせてくれたのは、スバルなんだから」
エミリアが、そう強気な瞳で微笑む。自信喪失した姿も可憐で美しいが、自信満々な姿はその比ではないほどに美しく鮮烈な輝きを秘めている。
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『いいや、違う……みんな馬鹿だ! 最後には……あんな状態で、最後には、エキドナまで、俺に謝りやがって……意味が、わからねぇ』
『エキドナが、最後……? スバル、何があったの? エキドナたちは……』
『死んだ! エキドナは死んだよ! 両足が吹っ飛んで、痛いのと血が足りないのと……とにかく苦しんで死んだ! ベアトリスもそうだ! あの子も、俺を庇って……自切なんて、馬鹿げた仕組み……俺が気付いてればよかったのに。それができなくて、死んだ。俺を、忘れないって、そう……あんな消え方、するぐらいならやめればよかった。連れ出す? 連れ出した? どっちでもいい。関係ない。とにかく、ここじゃないどこかから……どこかから引っ張り出されたなら、やめときゃよかったんだ。そうすれば……ユリウスの奴も、そうだ。きっと、今頃、もう……あんな、おっかない魔獣が大勢いるところで、レイドの奴の邪魔まで入って、それで、いけ、頼む、とか……馬鹿だ』
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「スバルが悪いわけじゃないのよ。庇ったのだって、きっとスバルだったからそうしただけで、スバルじゃなかったら命を賭けるまではしなかったはずかしら」
たらればの話をしても仕方がないが、スバルの悲しい自己定義には待ったをかけたい。ベアトリスは優しくて可愛いが、そうする価値のない相手にまでそうしたりしない。それを、スバルは分かっておくべきなのだ。
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『――私とスバルが初めて会ったのは、王都の、盗品蔵って場所だったの』
『……は』
『そのとき、私はすごーく大事な徽章をフェルトちゃんに盗られちゃって。それを取り戻さなくちゃってパックと大慌てだったの。……それで、追いかけた先で、メィリィのお姉さんと戦うことになって、危なくって、でも、ラインハルトが助けてくれて。それで、ホッとしたところをメィリィのお姉さんに狙われて……それを、スバルが助けてくれて』
『────』
『それが、スバルと私の初めての出会い。……思い出した?』
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「そう、スバルが助けてくれたの。多分、あの時のことだけは、私、何があっても忘れないと思うわ」
エミリアが忘れてしまった世界でも、スバルはずっとエミリアのためにって動いていた。ただ、一回助けてあげただけで、あんなにも痛い思いをして、苦しい思いをして、エミリアの『大切』を守ってくれようとした。すごく優しくて、すごく不器用な人。
「ラインハルトとは、盗品蔵に来る前に仲良くなったのよね?」
「はい。あの時声の方へ行ってよかったと、心の底から思っていますよ」
「私も、スバルとラインハルトが仲良しになれて良かったって、心の底から思ってるわ」
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『でも、スバルは私を庇ったせいで大ケガしちゃって、それでロズワールの屋敷に一緒に連れ帰ったの。そこでベアトリスが文句言いながら治療してくれて、ラムと……きっとレムとも、スバルは仲良くなったのよ。そうしたら、今度はお姉さんじゃなく、メィリィが魔獣をけしかけて悪さをしたの。それをスバルとラムが食い止めて、ロズワールが魔獣をやっつけて、私はお留守番……『でーと』の約束をしたのも、このとき。……思い出した?』
『────』
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「──そうね、レムとバルスが仲良くなったのは、バルスの記憶通りなら、その時ね」
ラムがそう言えば、少しだけ頭に違和感が残る。
『こんなに─────、大切な──のことを忘れて今日まで生きてこられたなんて、──はどれだけ薄情な──だったというの』
「────」
虫食いのように穴の空いた記憶。だが、きっと取り戻す過程のある記憶。それに眉を顰めて、ラムは──
「────」
整った顔を少しだけ不機嫌そうな色に染め、瞑目するのだった。
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『屋敷では色んなことがあったんだから。マヨネーズを作ったり、みんなでお酒を飲んだり、パックが雪を降らせたり、『王様げーむ』をして……それから、王選のために王都に呼び出されて、ね。スバルと、初めて大ゲンカしたのも、このとき。私はもう、スバルに無茶して傷付いてほしくなくて、なんでそんなに優しくしてくれるのかわからなくて、怖かった。だから、全部、ケンカしたときに終わりになっちゃうって、思ったのに……何が起きてるのかわからなくて、不安な状況に押し流されるだけだったとき、一番心がもやもやしてたとき、スバルが駆け付けてくれて、それで……それで、なんて言ってくれたか。……思い出した?』
『思い……』
『――でも、私は全部、覚えてる。スバルが言ってくれたこと、してくれたこと、しようって約束してくれたこと。全部、覚えてるの』
『覚えちゃ、いない。思い出せも、しない。お前は……お前は! お前らは! 誰の話をしてるんだよ!?』
『────』
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「──大将ッ……」
ガーフィールは少しだけ落ち込む。あの時──プレアデスでアルデバランに指摘されたように、ガーフィールは、スバルに何でもかんでも頼りすぎたのかもしれないと──、
「ガーフィール、そんな顔をするものではありませんわ。あの時のスバル様がそう言ったなら、それがあの時のスバル様の正解だった。それだけでよろしいのではなくて?」
「──分かってらァ、姉貴」
「分かっているのならよろしいですわ」
フレデリカは金髪を揺らし、スクリーンに目をやる。慟哭を、見届けるため。
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『誰かのために命を張れて! 誰かのためにとっさに動けて! 誰かのために頑張ろうって走れて! 誰かのために命懸けで何かを成し遂げられる! そんなことってあるかよ!? そんなこと、できるかよ!? ――ふざけるな! そんな奴が、ナツキ・スバルのわけがねぇ! 俺は知ってんだよ! ナツキ・スバルがどれだけ情けなくて、どれだけクズで、どれだけどうしようもなくて、どれだけ腐った野郎なのか! 誰を見てんだ!? 何の話をしてんだ!? そんな奴、どこにもいやしねぇよ! 全部嘘っぱちなんだ! そいつが見せたもの、そいつと話したこと、全部全部! その場しのぎの口から出任せだ! 信じる価値もない! ナツキ・スバルにそんな価値があるもんかよ! ナツキ・スバルはクズなんだ! どうしようもねぇクソ野郎なんだよ! 俺が誰より、それを知ってるんだ!!』
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「──全然なんにもわかってない、そんな人だったら、私、スバルをこんなに大切に思ってないんだから」
「スバルがスバルを信じられなくても、ベティーが信じているのよ。きっと、それだけでいいかしら」
「──全く、呆れてものも言えないわ。少なくとも、レムを助けようと喉を突いたことを、ラムはもう知ってしまっているのに。覚えていないのだから、それを言うのも酷だけれど」
「悲しい自己定義だーぁね。──少なくとも、私は君をそう評価してはいない」
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『……俺じゃなくても、いいだろ。俺なんか無視して、削ぎ落としてくれよ。もっと、強い誰かとか、頭のいい誰かが、やってくれる。俺は……』
『――私の名前は、エミリア。ただのエミリアよ』
『──ぁ?』
『話さなきゃいけないことも、聞かなくちゃダメなことも、たくさんある。たくさんたくさんあるの。でも、今は一つだけ、聞かせて。ユリウスが、ベアトリスが、エキドナが。そして今、私が手を引いて、一緒に走って、どうしても守ってあげたくて、死なせたくなくて、そうやって……そんな風に、私たちに思わせてくれたあなたは、誰? お願い。――あなたの名前を、聞かせて』
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その言葉が空間に響いた時、少なくとも半分は、小さく声を漏らした。
ガーフィールは、その感動に嗚咽のようなものを漏らし、ロズワールは感心したように吐息を吐いた。オットーはそれに安堵の声を漏らし、ラムは少しだけ頬を弛めた。エミリアは自信満々に笑い──、
「──うん、やっぱりすごく優しいのね。良かった、昴の隣があなたで」
そう、聞こえた時。エミリアの表情は、この空間に来て一番と言っていいくらいに、安堵の色を灯していた。
「──早く会いたいよ、スバル」
そう、恋焦がれるような思いを吐露して。
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『……どうして、なんだ? どうしてここで、ナツキ・スバルなんだ? あいつに、何ができる? あいつに、何を期待するんだよ……あの、弱くて、頭も悪くて、情けなくて、意気地のない奴に、何を』
『――あなたの、言う通りかもしれない。スバルより強い人はいるし、きっと頭のいい人だってたくさんいる。でも、私はどんなときでも、一緒にいるのはスバルがいい。スバルがそうしてくれるって信じてるし、願ってる。だって……だって、助けてくれるなら、できるから、そこにいたから、そうしてくれる人より――好きな人にそうしてもらえた方が、ずっとずっと、嬉しいもの』
『──は』
『──私の名前は、エミリア。ただのエミリアよ。お願い。あなたの名前を、聞かせて』
『俺は……』
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「好きな人……!?」
そう、菜月夫妻の声が重なる。エミリアはそれに少しだけ照れて、
「──はい」
そう言うから、ふたりだけじゃなくて、その空間にいたほとんどが、高く声を漏らした。
「エミリア様、自覚を……!?」
「ちょっと失礼よオットーくん、私だってそれくらい分かるんだからっ」
「いや、そうですよね。そうなんですけど……」
「エミリア様、それは恋愛的な意味合いで彼を?」
「余計なことを聞くんじゃないかしら! スバルとエミリアはゆっくりでいいのよ!」
割と緊迫した映像を見ているのに、急に盛り上がる面々。それを見て、
「──私、何か変なこと言ったかな……?」
当事者だがいまいち盛り上がっている理由がわかっていないエミリアは、そう首を捻っていた。
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『――俺の名前は、ナツキ・スバル。ユリウスに託されて、ベアトリスが信じて、エキドナが赦して、エミリア……君に、願われる、その男の名前が、ナツキ・スバルなら――俺が、ナツキ・スバルだ。ありがとう、エミリア。――俺に、そう思わせてくれて』
『──スバル、私は』
闇が、ふたりを終わりへと誘う。
『──エミリア!』
『スバル……っ』
『たとえ、君が忘れても――俺が、君たちを忘れない』
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「──うん、私も、スバルを忘れないわ」
「ベティーもかしら」
「レムのために、ラムもバルスを忘れないでおいてやるわ」
「私も、忘れないでおこうかーぁな」
「べッつに、てめェが忘れやがッても俺ッ様が覚えてッからいらねェぜ」
「そうですね、僕も覚えておくので」
「冷たくないかーぁな?」
「わたくしも忘れませんわ、決して」
「わたしも、お兄さんには色々……お世話になったしい、忘れないと思うわあ」
「僕も忘れないよ、スバルは──友達、だからね」
「私も忘れない、スバルは追うべき背中だ」
「──忘れたくても忘れらんないよネ、スバルきゅんはうるさいし」
「スバル殿は私にとって特別です。忘れることは無いでしょう」
「ウチも忘れんと思うわ。ナツキくんは面白い子やからね」
「──忘れない、忘れたことなんてないわ。たとえ何がどうなっても、世界中が昴の敵になって、忘れられたとしても。」
──あなたのことを、忘れない。
「──大切な、子供だからな。昴」
──あなたに思いが届かなくても、世界が幾度終わっても、この思いは終わらない。
最後、クルシュのセリフだけない……