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まだ、気付かない/Novel by 春風

まだ、気付かない

2,822 character(s)5 mins

次回、残骸。

ここら辺はいっつも「この世界スバルくんが傷つくの前提に作られててワロタ」と思いながら読んでます
いやほんとに、実際スバルくんがいなかったら爆速で詰む世界ですよね
オドラグナとかがなんかやってんじゃねえの?と思ってます

なんかエミュ下手になったかもしれない。
最近書籍も読み始めたのに、キャラが分からなくなってきちゃった……
この少ない量書くのに30分かかったし……
ダメだ……

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『――スバル!ねえ、スバルってば、大丈夫なの?』

『え?なに、夢?』
『──?』

『ええっと、それでなんだけど……スバルは、さっきからどうしたの?』
『どうした、ってのはわりと漠然とした疑問だね。どこにかかってくる問題?』
『だって、さっきから私のこと、エミリアちゃんって。なんだか、スバルにそんな風に呼ばれるのってすごーく落ち着かない気分になるから』

​───────​───────​─────

「──また、違うの?」
エミリアがその美しい顔を青白く染め、身体を震わせながら立ち上がる。
この言葉も、エミリアは言った記憶がなかった。
「どうして……いや、違うわね」
原因なら、分かっている。
「────」
先程から口を噤み、瞳を見開いている少女。
「──メィリィ……」
名を呼べば、肩を跳ねさせてこちらに瞳を向ける。
「……止めた、って思ってたのに」
それは、エミリアたちの世界ではであって、止められない世界はあったのだ。

​───────​───────​─────

『今、自分が置かれてる状況を、ベティーたちに話してみるのよ』
『まず、話したと思うが……目を覚ましたら、俺には記憶がなかった。すっからかんってわけじゃなくて、この異世界に召喚されてからの記憶が……』
『ちょ、ちょ、ちょ、待つのよ!?記憶?記憶って何のことかしら!?』
『え?』
『スバル、ごめんね、ちょっと何を言ってるのかわからなくて……』

『同じ状況を見てる。――つまり、予知夢』

『――二人に、ちょっと落ち着いて話を聞いてもらいたい。信じてもらえるかわからないんだが、どうも、俺は記憶をなくしたらしいんだ』

​───────​───────​─────

「────」
言葉にならない。
ベアトリスの大きい瞳が見開かれ、口は何も音を紡がないまま、信じられないと言いたげに開閉されるのみであった。
「──何なのかしら、これは……」
左手で瞳を押え、ぐるぐると回る頭を整理する。
動揺して上手く前が見えない。
「メィリィが、殺したということ……なのよ?」
それを口にして、その居心地の悪さにベアトリスは瞑目する。
「冗談じゃない、かしら」
そんなことがあって、たまるものか。

​───────​───────​─────

『元気を入れたわ。あんなんじゃダメよね。スバルの方がずっと困ってるはずなのに、いつまでも私たちまで困った顔してちゃ。ほら、ベアトリスも!』

『……何を考えてたんだ、ナツキ・スバル』

『それで、みんなも驚いてると思うけど……スバルは今、すごく困ってるの。こんな状況だけど……ううん、こんな状況だからこそ、力を貸してあげて』

​───────​───────​─────

「予知夢なんかじゃない。そんな、救いのあるものじゃ……」
菜穂子が絞り出すようにそう口にする。
絶え間なく流れる、スバルの自己嫌悪。
それに心が削られていくのがわかって、耳を押えたまま瞳を震わせることしか出来ない。
「どうしてなの?どうして……」
スバルが最後に口にした言葉。
あれが、今まで見たどんな惨状よりも、菜穂子の心を掻き乱した。
「──昴……」
絶えず、後悔は続く。

​───────​───────​─────

『ナツキくんは、こんな状況のわりにずいぶんと落ち着いているんだね』

『結局、君の混乱が一番少ないというのもおかしな話だね。何とかしなければ、とボクたちの方の焦燥感は募るばかりなんだが』
『周りが慌ててると、かえって当事者は冷静になる、みたいなヤツかもしれない。俺だってどうにかしなきゃってビビってるぞ。そこは安心してくれ』
『それって、全然ホッとできない気がするんだけど……』

『問題の、『タイゲタ』の書庫でのことを確かめるかしら』

​───────​───────​─────

「前回と全くおなじ……いえ、意識してなぞっているのね」
ラムが足を組み、悩ましげに眉を寄せる。
「今回もまた、失敗だということかーぁな?」
「……ラムの記憶に齟齬がなければ、おそらく……いえ、間違いなくそうだと思います。流石に、あの場所で再度メィリィに殺されるようなことは……ないと、思いたいですが」
ラムが躊躇いなく──否、少しは躊躇っていたが、確かにそう口にするのを、エミリアは不安げに聞いていた。
「やっぱり……そう、なのよね。メィリィが……」
「──状況から見れば、可能性は高いかしら」
「そう……ね」

​───────​───────​─────

『――ナツキくんのことだが、錯乱状態にある彼を同行させるのは危険じゃないかい?』

『私は、スバルを信じる。ベアトリスもそう。だから、みんなもお願い。スバルの言葉を信じてあげて』
『……エミリア様、エキドナはスバルを、彼が自発的に我々を騙そうとしていると言っているわけではありません。ただ、今の彼が平静にないと、そう言っているだけです』

『お兄さんにでも直接聞いてみたらあ?お兄さん、頭がおかしくなってるのおって?』

​───────​───────​─────

「──思ってたんより、ずっと酷い状況やね。エキドナから聞いとったんは……その記憶も、今は曖昧やけど、もう少し信頼し合えとったのに」
いくら消えた世界と言っても、ここまで酷いとは予想外だ。
「結局、ウチらはナツキくんが我慢して傷ついとる状況やないと上手くいかんってことなんかねえ?」
「──アナスタシア様」
オットーがアナスタシアの言葉を遮る。
アナスタシアはオットーの方を見て、
「ちょっと言いすぎたかもしれんね。でも、コレ見とったら、そう思いたくなるんもわかるやろ?」
「──それは」
何となく気付く。
部屋全体が、なんだか重い空気だ。
苛立ちや怒り、悲しみや失望が交錯している。
「……嫌だな」
スバルに負担を背負わせたくないのに、背負わせなければこうなるのだと、意地の悪い誰かが教えてきているようだ。
「この部屋の主は、性格の悪い方のようですね」

​───────​───────​─────

『く、そ……!』
『この調子じゃ、予知夢のことなんて打ち明けても無駄だ』
『最初から、掛け違えた……』
『……クソ、馬鹿馬鹿しい』
『螺旋、階段……』
『いや、それとは別に、なんか、変な感覚が……』
『──ぁ』

​───────​───────​─────

落ちていく。
長い長い螺旋の中を。
「スバルっ……!!」
思い知る。
スバルという存在が、どれだけ大きなものを担っていたのか。
そんなこと、この空間に来た時から──来る前から、知っていたはずだったのに。
「私、何も知らなかったのね」
誰に怒っても失望しても、意味は無い。
でも、
「私、どうしたらいいの……?スバル」
もう、わからない。

Comments

  • レイラ
    Apr 2nd
  • レイラ
    June 11, 2025
  • * ロナ *

    春風さんの好きなようにしたら良いと思っています!無理に要望に応える必要は無いですから...! 長々とすみません🙇 次の更新も楽しみにしてます!

    June 11, 2025
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