【関東鉄道】玉造駅2026

かしてつバスで往復乗車が困難に
 玉造駅については、令和3年12月3日の当ブログでも採り上げたが、その後の動きなどを踏まえて、できるだけ焼き直しとならないように記載したい。
 令和8年4月1日のダイヤ改正で、石岡営業所管内と鉾田車庫管内では大幅な路線再編が実施され、鉾田駅発着路線は高速バス「あそう号」を除いて廃止されたが、引き続き鉾田車庫から回送で茨城空港や玉造駅まで回送している。また、現在も水戸駅に姿を見せている。
 かしてつバスは令和8年3月31日限りで玉造駅~鉾田駅~新鉾田駅間が廃止され、石岡駅~石岡南台駅~四箇村駅~小川駅~玉造駅・茨城空港間の運行となった。メインは小川駅止まりと茨城空港行で、石岡駅~小川駅間は1時間に2本を維持しているのは立派だ。バス専用道路は、JRバス関東白棚線のような私道でなく県道なので、有効に活用しないと県の監査委員から税の無駄遣いだと指摘される可能性がある。
 路線短縮に伴い、ひさびさに「玉造駅」の行先表示を見ることできるようになった。車内正面のLCD運賃表は、今でも「かしてつBRT 鉾田本線」となっている。
 しかし、玉造駅発は平日朝2本・土休日朝1本、玉造駅行は全日午後3本のみで、往復乗車することが困難なダイヤだ。鉾田車庫の出入庫便となってしまい、バスを利用できる人が限られてしまう。いずれは利用者がいないことを口実に、小川駅~玉造駅間も廃止されかねない。
 なお、行方市では令和8年5月1日から、「定額タクシー」の実証実験を開始している。運行日は月~金曜日で、受付時間は午前9時~午後9時。行方市内を出発・到着するほか、市外の新鉾田駅、大洋駅、鹿島大野駅、延方駅などの指定スポットも利用できる。利用料金は市内のみ1,000円、市外利用は2,000円(タクシー運賃よりは安いが、一般的なデマンドタクシーに比べると高い)。事前予約制で、麻生地区と北浦・玉造地区のそれぞれで電話で受け付けている。行方市民以外でも利用できる。したがって、石岡駅から玉造駅までかしてつバスに乗車し、玉造駅から新鉾田駅まで定額タクシーを利用して、大洗鹿島線とJR鹿島線または高速バス「かしま号」に乗り継ぐことも可能だ。
 日常的に鉾田市から石岡市への流れは少なかった(だから関東鉄道は鉾田線を分離して、鹿島鉄道に分社化したが廃止となった)。石岡市中心部の空洞化も影響している。旧玉造町内も国道354号線沿いにロードサイド店舗が充実しているので、日用品の買い物ならわざわざ鉄道を利用して遠出することなく、マイカーやバイク・自転車で済む。
 また、昭和62年3月3日に霞ヶ浦大橋(全長1,015m)が開通し、土浦市内に早く行けるようになった。当初は有料道路だったが、平成17年11月1日に無料開放となった。関東鉄道が茨城県道路公社から通行料金徴収業務を受託していた。ただし、行方市に住んでいる親戚連中の話によると、車で東京方面へ出るには、東関東自動車道の水郷潮来ICを利用しているという。東関道が延伸されれば、行方ICを利用するだろう。なお、
 霞ヶ浦広域バス(玉造駅~田伏~霞ヶ浦庁舎前~土浦協同病院~土浦駅)で往復するのも知恵がないし、かしてつバスで玉造駅を訪問するには、石岡駅13:15発の玉造駅行に乗車し、帰りは玉造駅15:40発土浦駅行の霞ヶ浦広域バスで戻るしかない。このあとの便だと暗くなってしまう。玉造駅発石岡駅行は6:05発(土休日運休)と7:30発なので、石岡駅との往復だけでなく、土浦駅からの逆ルートも不可能だ。
玉造駅を再訪
 ゴテゴテと能書きばかりではつまらないので、4月下旬のある休日、実際に石岡駅→玉造駅→土浦駅と乗り継いでみた。先述した石岡駅13:15発の玉造駅行は、いすゞKL-LV234L1(9388HK)だ。小川駅までに全員降車し、終点の玉造駅まで乗車したのは小生のみだった。
 玉造駅は約4年ぶりの訪問で、前回は関鉄グリーンバス鉾田駅行を利用した。関東鉄道に吸収合併してからは初めてとなる。
 関東鉄道(かしてつバス、霞ヶ浦広域バス)は「玉造駅」、行方市営路線バスはなぜか「玉造駅」から「旧玉造駅」に改称された。鹿島鉄道は「玉造駅」だったが、玉造町が行方市となったことから「町」を付けなくなった。JR大阪環状線の玉造駅と混同することはない。厳密にいえば、行方市営路線バスは「旧玉造町駅」と名乗るのが正解だ。
 砂利敷きだった構内は舗装されたが、区画や停止線などは書かれていない。乗務員休憩室はないので、霞ヶ浦広域バスの折返し便の運転士は、車内で休憩している。「鹿島鉄道㈱」と書かれた、遺構のような看板もそのままだ。
 鹿島鉄道があった頃から設置されていた、公衆トイレの衝立の絵が書き直された。以前はかしてつ応援団の一員である玉造中学校の生徒によって鉄道が書かれていたが、廃止から20年が経ったので、今度はバスが書かれている。皮肉なことに、かしてつバスの運行本数が減ってしまったのは寂しい限りだ。一方、霞ヶ浦広域バスは自治体が運行主体で、乗り具合もいいことから安泰だろう。錆びた降車専用の古びたポールもそのままで、玉造町駅があった頃のポールを移設したようだ。
 かつての行方市営路線バスは、複数の路線が乗り入れていたが、現在は「玉造ルート」(旧玉造駅〜市役所玉造庁舎〜なめがた地域医療センター〜麻生高校前〜市役所麻生庁舎)のみで、土休日は運休となっている。スクールバスとセットになったダイヤのようで、平日の朝と午後以外の運行はなくなった。霞観光が受託運行している。
 時間があるので、駅前通りとなる県道116号・鹿田玉造線を散策してみた。旧玉造町の人の流れは国道354号線沿いのロードサイド店舗に流れているので、人通りはなく閑散としている。「駅前タクシー」である玉造タクシーのたたずまいも変わらない。鉄道なきあとも需要はあるようで、ちょうど空車で戻ってきたところを撮影した。旧玉造町にはタクシー事業者が3社あり、待合所に一覧表が貼ってある。3社でうまく共存しているようだ。
 T字路の角には、東日本大震災の影響か、地面が崩れた3階建ての立派な旧和風レストランも変わらない。ピロティにトヨタプリウスが止まっており、建物の所有者が駐車場として使用しているのか。
 玉造駅に戻ると、奥に霞ヶ浦広域バスが止まっていた。車両は日野PDG-KR234J2(1948HK)だ。休日のためか、専用車ではなかった。特に土休日は一般車が入ることがある。写真撮影を終えてからは、おとなしく待合所のベンチで待つことにする。
 このあとは、計画通り玉造駅15:40発の土浦駅行で帰途についた。玉造駅からは小生のみだったが、旧玉造町内から数人の乗車があった。さらに、土浦協同病院から十数人が乗車し、座席はほぼ満席となった。土休日は土浦協同病院線(土浦駅~真鍋新町中央~おおつ野台~樫の木公園~土浦協同病院)の運行回数が極めて少ないことから、霞ヶ浦広域バスが重宝されるようだ。
CSC_1795.JPG↑玉造駅全景
DSC_1810.JPG↑発車待ちする霞ヶ浦広域バスの土浦駅行
DSC_1800.JPG↑関東鉄道と行方市営路線バスのポール。関鉄の「鉾田駅」の表記はそのままだ
DSC_1804.JPG↑関東鉄道の時刻表。石岡駅行はごく僅かだ
DSC_1786.JPG↑行方市営路線バスの時刻表。致命的な運行回数で、下半分の余白が痛々しい
DSC_1794.JPG↑ログハウス風の公衆トイレ㊧と駐輪場兼待合所
DSC_1743.JPG↑公衆トイレの衝立は、両面とも書き換えられた。写真は内側
DSC_1790.JPG↑公衆トイレと道路の仕切りには、古レールと枕木を使用
DSC_1750.JPG↑降車専用のポール
DSC_1793.JPG↑「鹿島鉄道㈱」の看板が残っている
DSC_1758.JPG↑玉造タクシー本社営業所
DSC_1787.JPG↑待合所に掲出された玉造地区タクシー会社一覧
DSC_1775.JPG↑駅前通りの書店には、玉造駅の手書き地図が残る。年季が入っており、関東鉄道鉾田線の頃に書かれたのかもしれない
DSC_1774.JPG↑地面が崩れた旧和風レストラン

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