見えてる。
見えてた。
目は離せない。
あんな顔して
口説いて
キスするんだ。
私にも?
その表情で?
キッチンの視覚のドア壁で二人を見てた。
覗きたかったわけじゃない。
一緒に朝食の用意をしようとしてたら
二人が仲良く
情事が始まった。
入りづらいじゃない。
ハニは食糧庫にお米とか材料を取りに行った
そろそろ帰ってくるはず…
お米あったよー
あと乾物とか
昨日たくさん食べたからね。
あ、でも昨日残り物もあるか。
ワカメスープは作ろうよ!
あれ?ジナ?どうしたの?
早く入ろ。
キッチンの外で声がする
いつの間にかいなかった二人が来たみたい。
食糧庫行ってたのか。
ダンボールを抱えたハニを手伝う。
私がいたこと
気づかれてないわよね?
誰にも。
どさどさとキッチンの作業台に
食材をおく。
俯きながらハニに伝える。
大丈夫リノ?
どうしたの?熱?
リノがビクッと体が跳ねた。
咄嗟に言い訳をする。
私も誤魔化すように
ハニを促す。
別に庇うことでもないけど
なんだか触れてはいけない気がして。
私も動揺が隠せない。
スンミナの顔が焼き付いて。
ハニを除く3人は
誤魔化しながらも
慌ただしく調理にとりかかった。
ハニは慌ただしさに惑わされながら
食材を出し始め 手を止めた。
呟く。
おかしい。
鍋もコンロも換気扇も
ついてない。
熱くないんだ。
高性能?IH?
違う。湯気もないよ。
何か おかしい。
違和感がふと過った。
おばあちゃんのお土産
パステルカラーのリボンを見つめて
自分につける。
おもちゃの鏡で
自分を見ては
可愛い笑顔が溢れ出る。
その光景をチャニは
サメのぬいぐるみを抱き抱え座って
見つめていた。
ぎゅっと抱きしめて
サメが潰されてる。
口元も隠れてチャニの声は
埋もれた。
チャニどう?
可愛いねぇ。
おばあちゃんのお土産
可愛いの
好き!
キラキラで
ふわふわもついてるの。
ニコニコと笑顔を振りまいて
チャニを見つめる。
朝日に余計にまた瞳が輝いている。
自分で不器用につけて
少しズレたところについたリボンだが
ヨンボガの髪色に似合い
かわいい…
かわいい よ!
でも
言えないよ
恥ずかしくて。
顔が熱くなるのを
感じ始めた。
熱い
なんなの?
ヨンボガが
笑うと苦しいよぅ。
さらにぬいぐるみを抱きしめて
口元を抑える。
どう?
チャニ
似合う?
お返事してよぅ。。
あ 可愛くないのかなぁ…
少しずつ眉が下がり
瞼が落ちてくる。
違うんだよ!
急いでぬいぐるみを投げ離し
乗り出して
ヨンボガに近づいて伝える
泣いちゃう!?
泣かないでぇ!
言葉尻がか細くなりながら
吐き出した。
うう。
僕の顔 多分
真っ赤だ。
はずかしい。
泣きそうな。
でも嬉しそうな
なんとも言えない
溶けそうな表情でヨンボガを見て伝えた。
チャニにね
かわいいって言われると
とっても
嬉しいの!
オンマとアッパに言われるのと
ちょっと違うの。
ドキドキしてね
ちょっとお顔も
あっちくなるの…
ぱぁっと明るく元気になり
再度笑顔が輝いた
天使が降りて来たかと思うぐらいの
輝きを放つ。
かわいい!
余計に輝いたヨンボガの顔を
近くで直視してしまったチャニは
動揺し顔を真っ赤にして固まった。
ニコニコの天使は
気づいてない。
可愛いと言われた嬉しさに
気分が高揚して
チャニに顔を近づけた。
固まってる
チャニのおでこに
CHU っと
キスを落として。
うふふ
しあわせなときは
ちゅう するんでしょ?
だって
オンマとアッパ
よく
してるもの。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。