何度も重ねた唇を離して
言葉を繋ぐ
雨音が聞こえない。
葉に落ちる雨音も
聞こえなくなってる。
キッチンにはグラスの金音と
ハナと私の吐息だけ。
キッチンカウンターに寄りかかりくつろいで放つ。
なんだったんだ
何回もヒョンジナと唇を重ね違和感を感じた。
とても粘着で執拗だった。
なんだ?
彼女の奥に
怒りのような迷い
気になる嫉妬のような口づけ。
…まさか
気づいてる?
リノとのこと。
そんなまさか。
でも敏感なヒョンジナのことだ。
ありえる…
虚空を見つめながら
体か固まった。
グラスを片付けながら
問いかけた
シャワーも浴びずに。
私はこのまま寝てもいいかな
シャワーを浴びてしまうと
知ってしまうから
あなたが纏う
その香りの原因を。
なんか汗かいたし。
冷や汗? まさか
体を起こしてヒョンジナに微笑み返して
バスルームに向かった。
そう なら私は
もう寝てしまおう。
酔いに任せて
考えないように
眠りたい。
ソファーに座りながら
通りすがるヒョンに聞く
俺はまだ飲んでるけど
お前も休暇だからって飲み過ぎんなよ。
もう呑むのやめて
寝ろって。
そうしよっかな とスンミナはグラスを置いて
ソファーから立ち上がっていった。
少しふらついていたように見えたけど。
大丈夫か?
手をひらひらと振りながら
客間へと向かっていったのを見送った。
ドアを開けると
寝息が聞こえる。
当たった。
新しい家だから少し戸惑ったけど
子ども達の寝息が聞こえて安心する。
明るい
ドアが開いた?
スンミナ?
ああ私も寝てたわ。
起こしてごめん。
寝てていいよ。
リノの隣に
布団のはじに入る。
スンミナ お酒の匂いする。
どんだけ飲んできたの?
でも スンミナの匂いが強くて
落ち着く。
大好きな人の匂い。
温もりと香りに感覚が宿る
リノが目を閉じながらも
布団の中 俺の横に
よって来た。
寒のか?
酒飲んで体温上がってる俺に
モゾモゾと寄ってくるリノが可愛い。
日中ツンとしてるリノが
無意識に可愛くなる。
これが本当のリノなんだよね。
牙を外した可愛い猫。
無防備な俺の猫。
腰を抱き寄せ
お互い横向きになって
抱きしめる
リノの頭を抱き寄せて
顔を埋めた。
いい匂い。
吐息を吐きながら
温もりと香りに埋もれる
ん あったかいけど
髪の毛がスンミナの吐息で揺れて
くすぐったいわスンミナ
眠いから
目は開けれないけど
首を振り顔をあげる。
するとすぐ
スンミナの顔があるのはわかる。
肌の温もりが触れる。
蠢いたリノの顔が近づいてきた。
暗闇だけど
間接照明で照らされ
可愛いリノの顔が見える。
俺だけに許す緩やかな顔
可愛い。
迷わずリノの唇に口付けた。
優しく。
愛おしく。
喰んで
吸い付いて。
味わった。
スンミナ
何?眠いんだけど。
でも 嫌じゃない。
温もりと優しさに恋焦がれ
スンミナの背中に手を回し求めた。
離れたくない。
このまままどろみたい。
唇は触れたまま
告げる
だって寝て欲しいんだもん。
あんまり可愛いと
キスだけじゃ物足りなくなるから。
俺の背中に手を回して抱きついてくる
寄り添ってくるリノが可愛すぎて
悶える。
もっと触れたいと
リノの着ている部屋着の隙間から手を忍び込ませた。
もっと触れてほしいと思ったけど
ここどこだと思ってんの。
とろけるような感覚に悶えながら
まだ眠い目を頑張って
開けようとしながら告げる。
スンミナの唇は
私の頬に移動してた。
いいんじゃない?
起きないよ。
みんな移動で疲れてるから
子どもたちは尚更。
リノの素肌を撫でながら
耳元で囁いた。
猫ちゃん 耳弱かったよね?
びくんっと体が跳ね声が出る。
やめて
敏感なところに
大好きな
スンミナの声
吐息
とろけてしまう。
背中に回した手のひらは
スンミナの洋服を握りしめた。
跳ねた体を揶揄うよに
スンミナが笑った気がした。
その時
うみゅぅ
眠いけど
おトイレ行きたい
オンマぁ
オッパァ
どこぉ
目をこすりながら体を起こし始める。
スンミナの手が止まる。
びっくりしながらも
やれやれと少し諦めながらお互い手を離した。
こっそりとスンミナの耳元に囁きながら
体を起こし
ヨンボガへと寄り添っていった。
残念。
仕方ない。
可愛いヨンボガには勝てないな。
布団の中でため息をつく。
また
今度 ね。
信じてるよ?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。