視線が重なりあう。
どうしてそんなことを言うのか。
お互い疑問に思いながら。
体を放し
唇を噛み締めたヌナが
ふと目線を反らし
自分の体をギュッと抱き締め
感情を落ち着かせてる。
ふと見えた彼女の本音に
心が揺れる。
もう一度聞きたい
あなたの本音をと
問いかけた時
ドアが空いた。
もう寝たかしら?
寝てるわね。
良かった。
イエナとチャンビナありがとう。
もう大丈夫だからお茶でも飲んできたら?
ドアを向きリノオンニの横をすり抜ける。
顔色を見せないように。
今は離れたい。
一人にして欲しい。
何か急いでたけど。
チャンビナ
あんたまさか
ちらりと威圧して目配せする。
なんもないことはないんですけど
言えないです!
誤魔化しながら
静かに同じくドアをすり抜けた。
リノおばさんに、背中を
目線で刺されながら離れた。
相変わらず 無言の圧力がすごいな。
それより探そう。
ヌナはどこ行ったかな…
ため息をついて
部屋で寝てるヨンボガとチャニの
様子を伺う。
二人寄り添うように
穏やかな寝顔で寝息を立ててる。
可愛い。
口許が緩み布団を直してあげると
ゆっくりと後ろから声がする。
どうかな?
あわてて送ってしまったし
部屋も新しいから心配で。
イエナとチャンビナにも
すれ違ったから
様子見にきた。
リノが入るのも見たから確認しにきたよ。
移動も遊びも食事も良かったから
疲れて寝てるわ。
ありがとう。いろいろ準備してくれて
微笑んでハニを見上げる。
リノが微笑む。
先にお風呂入ったんだね。
そうか、子ども一緒に寝るからか。
さすがに子どもだけでは心配か。
髪がまだ湿り気を帯びて
肌の艶なのか湯上がりの水気が
リノを煌めかせる。
綺麗で可愛いリノが
いつもより艶めいて
妖艶になる。
ドクンと胸打打つのを感じた。
これは衝撃なのか?
感情なのか?
本能か?
喉がなる。
ハナ どうしたの?
立ち上がり顔色を伺う。
首をかしげてハナを覗いた。
急に何か止まったけど。
チャニなら平気よ。
私 一緒に寝るわ。
ごめん。
だから先にお風呂入らせてもらった。
何かあったら知らせるわね。
首をかしげて
そんな近くに顔を近づけて
髪が濡れ
頬を赤らめ
濡れた唇で
僕を宥めてる。
もう、数センチ近くにリノの顔
そのまま顔を寄せて
唇を重ねた。
顔を離す
何してるの!!?
びっくりした。
さっきから
そんな顔して。
夕方も
物欲しそうな表情してたよね?
あれ?
僕もか。
とぼけた顔してから
眼鏡をはずし
舌なめずりをしながら
今度は真剣にリノの眼をみて伝える。
やめて。
その顔。
急に色気出さないで。
いつも、とぼけてる可愛いけど。
二人なるとなぜか急に色気出してくる。
なぜ?
それがとても私の琴線に刺さるのよ。
やめて。
欲しくなる。
求めてしまう。
顔が火照る。
身体は反り、
子どもたちが寝てる場所から
少しづつ移動した。
危うく踏んでしまう。
目線はハニから外せない。
ゆっくりとハニも私を追い詰める。
気づけば後ろは壁。
動けなくなる。
リノはびっくりしながらも
照れて恥ずかしがってる。
ほら、眼を丸くして
瞬きが増えてるよ?
可愛い。
頬を赤らめて
口を半開きにしてると
ますますかわいくて
吸い寄せられそうなんだ。
どうする?
お互いの立場を忘れて
このまま
気持ちに
委ねてみる?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!