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「正解は、ひとつじゃない」。仕事も、人生も。"正解"を探すほど、動けなくなる。人生も、同じだ。

「正解は、ひとつじゃない」。仕事も、人生も。
ビジネスの"正解"を探すほど、動けなくなる。人生も、同じだ。

─ 人口4万人の港町で、毎日5件以上、年間1,200件の経営の相談を受けている、荒川健生です。
今回は、「正解探し」について。

■ 正解は、ひとつじゃない

「インスタをやればいいですか。チラシですか。ホームページですか」

相談の中で、よく聞く言葉だ。
気持ちは、よくわかる。
限られた時間と体力の中で、外したくない。
だから、「これだけやればいい」を探す。

でも、断言する。
集客に、たったひとつの正解はない。

少し前の話をする。
「クラファンで開業資金を集めろ」

3〜4年前、この言葉をよく聞いた。
開業セミナーに行けば、講師が言う。

「クラファンで資金を集めましょう。お金だけじゃなく、ファンも同時にできます」。

最初にやった人は、うまくいった。
地方で古民家カフェを開きたい。
そんなプロジェクトに、見知らぬ人が1万円、3万円と支援してくれた。

「開業前からお客さんがいる」

夢のような話に見えた。

「クラファンが正解だ」

そう思った人が殺到した。

カフェも、ゲストハウスも、パン屋も、雑貨屋も。

「地方で○○を始めたい」
「こだわりの○○を届けたい」

似たようなプロジェクトが何百件と並ぶようになった。

支援する側の気持ちになってみてほしい。

クラファンのサイトを開く。似たような想いが並んでいる。

全部読んでいたら、日が暮れる。

よほど目を引くストーリーがなければ、ページすら開かれない。

しかも、後発で始める人には、さらに厳しい現実がある。

クラファンには「初速」が重要だ。

公開から48時間以内にどれだけ支援が集まるかで、サイト内の露出が変わる。

最初にやった人は、珍しさだけで初速がついた。
でも今は、公開前からSNSでファンを集め、公開と同時に支援してもらう「事前設計」が必要になっている。

つまり、クラファンで集客するために、クラファンの前に集客が必要になった。
本末転倒だ。

最初に「正解」だったものが、みんなが飛びついた瞬間に、正解ではなくなる。

クラファンだけの話じゃない。

「ホームページを作れば集客できる」
「ブログを毎日書けばSEOで上位に来る」
「LINE公式アカウントで囲い込め」

全部、同じ構造だ。

「正解」が見つかる。人が群がる。
効力が薄まる。次の「手法」が現れる。
また飛びつく。また薄まる。

新しい手法にアンテナを張ること自体は、大事なことだ。
世の中の流れを知っておくのは、経営者として必要だと思う。

でも、それを「正解」として追いかけ続けることは、長く続けるビジネスをしたい人にはおすすめしない。

本質的ではないからだ。

後発で同じことをやるのは、想像以上に大変だ。
先にやっている人は、もう何百投稿も、何十プロジェクトも積み上げている。

同じ土俵に立つだけで、半年、1年かかる。
その間、本業の時間を削り続けなければならない。

1年かけて追いついた頃には、もう次の「正解」が出ている。
また、ゼロからやり直し。

先頭を走っている人の景色と、後から追いかける人の景色は、まったく違う。

同じ手法でも、始めるタイミングが違えば、かかる労力は何倍にもなる。

だからこそ、手法を追いかけるのではなく、自分の足元を見たほうがいい。 あなたの事業にしかない「違い」を見つけて、それを届ける方法を考える。
そのほうが、ずっと本質的だ。

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■ なぜ、正解をひとつに決めたがるのか

それでも、人は正解を探す。
なぜだろうか。

理由は、ひとつじゃない。

まず、脳の仕組みがある。
人の脳は、「わからない」状態が苦手なのだ。

曖昧なまま抱えていると、ストレスがかかる。
だから、早く「これだ」と決めてしまいたくなる。
正解をひとつに決めると、安心する。
迷わなくていいから。

でも、それだけじゃない。

自分たちが受けてきた教育も、大きい。

思い出してほしい。
学校のテストには、必ず「正解」があった。

算数は答えがひとつ。
国語も「作者の気持ち」に正解がある。

○か×か。
正解か不正解か。
ずっと、そう教わってきた。

「正解はひとつ。それを早く見つけた人が優秀だ」

12年間、その訓練を受けてきている。

社会に出ても、その癖は抜けない。

上司に「正解」を確認する。
先輩に「やり方」を聞く。
「これで合ってますか」と、誰かに丸をもらいたくなる。

さらに言えば、日本には「正解に従う」文化がある。

「みんながやっているから」
「専門家が言っているから」
「テレビで紹介されたから」

正解は自分の外にある。誰かが持っている。
そう思い込みやすい環境の中で、自分たちは生きてきた。

脳の仕組み。教育。文化。
三重に、「正解を探せ」と刷り込まれている。

だから、正解を探してしまうのは、当たり前のことだ。

あなたが悪いんじゃない。そう育ってきただけだ。

でも、ビジネスには、テストのような正解がない。

「作者の気持ち」を答える問題ではなく、「自分の気持ち」を答える問題だ。
そこに気づくだけで、少し楽になる。

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■ 人生にも、正解はない

ここまでビジネスの話をしてきた。
でも、ふと思う。
これは、事業の話だけだろうか。

自分の話をする。

大手メガバンクに入った。
周りからは「いい会社に入ったね」と言われた。
6年間働いた。支店長代理にもなった。

でも、ある日、辞めた。M&Aの会社に移った。
その後、富山にUターンして、実家の漢方薬局を継いだ。
そこからまた会社を作り、今はヒミビズにいる。

履歴書だけ見れば、迷走している。
正解からどんどん外れているように見えるだろう。

でも、今の自分がいるのは、その「外れた道」を歩いたからだ。

銀行で学んだ数字の見方。
M&Aで身につけた事業の強みの見つけ方。
漢方で養った聞く力、メンタルについて。

全部が、今の相談業務に使えている。
歩いているときは、正解かどうかなんてわからなかった。

振り返ってみて、やっとつながる。

人生も、同じだ。
進学、就職、転職、結婚、独立。

どの場面でも、「正解」を求められる。

「いい大学」「いい会社」「安定した職業」

でも、誰かにとっての正解が、自分にとっての正解とは限らない。

テストと違って、人生には模範解答がない。

むしろ、正解を追いかけすぎると、自分の道が見えなくなる。

「あの人はうまくいっている」
「自分は間違えたのかもしれない」

比べるほど、足が止まる。

ビジネスの正解がひとつじゃないように、人生の正解もひとつじゃない。

あなたが歩いてきた道は、あなただけのものだ。

今はまだ、つながって見えないかもしれない。
でも、いつか振り返ったとき、線になる。

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■ 目的を整理すると、手が動く──「どんな大人になりたいか」から

では、ビジネスの話に戻る。
具体的にどうすればいいのか。

最初にやることは、
「正解を探す」のをやめて、「目的を整理する」ことだ。

でも、ここで大事なことがある。
目的を整理するとき、いきなり「集客の目的」から入らないほうがいい。

もう一段、手前がある。

「どんな大人になりたいか」

「どんな仕事をするか」ではない。
「どんな大人になりたいか」だ。

この問いは、子どもに聞く質問だと思うかもしれない。
でも、大人にこそ必要な問いだ。

先日、ある中学校で講演をした。
生徒たちに聞いた。

「将来、どんな仕事がしたいですか」
手が挙がらなかった。

質問を変えた。
「どんな大人になりたいですか」

すると、ぽつぽつと出てきた。
「困っている人の話を聞ける大人」
「家族を大事にしながら働ける大人」
「自分で決められる大人」

仕事の名前は出てこなかった。

でも、「どう在りたいか」は、みんな持っていた。

これは、大人も同じだ。

相談に来る事業者の方に、同じ質問をすることがある。

「どんな大人でいたいですか」

最初は戸惑う。でも、少し考えて、出てくる。

「地域のおじいちゃん、おばあちゃんに頼られる存在でいたい」
「自分の子どもに、かっこいいと思われる働き方がしたい」
「嘘をつかないで商売がしたい」

この答えが出ると、事業の軸が一気に定まる。

「地域に頼られたい」なら、全国向けの発信より、町内に深く届く活動が合う。
「子どもにかっこいいと思われたい」なら、無理な安売りや、自分を偽る営業はしなくなる。
「嘘をつかないで商売したい」なら、誇大な広告やキャンペーンではなく、実直な口コミを育てる道が見える。

「どんな仕事をするか」から考えると、手段の話に引っ張られる。
「どんな大人になりたいか」から考えると、生き方の話から始まる。

生き方が見えれば、事業の方向が決まる。
事業の方向が決まれば、集客の手段が自然と絞られる。

順番を間違えなければ、手は動く。

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■ 「正解」の代わりに持つべきもの

目的を整理した。届けたい相手が見えた。
その次に何をするか。

「得意なことから始める」

自分の話をする。
ヒミビズのセンター長として、発信をしたほうがいいのはわかっていた。
動画がいいと言われて、何本か撮ってみた。

難しかった。
カメラの前で話すと、言葉を選びすぎる。
編集に半日かかる。
出来上がったものを見返すと、面談で話しているときの自分と違う。
借り物の言葉になっていた。

結果、続かなかった。

でも、Noteに文章を書いてみたら、違った。
面談で話したこと、相談の中で気づいたこと。
それを文字にする作業は自然だった。
手が止まらなかった。

動画では「よそ行き」になった言葉が
文章では「そのまま」出てきた。
自分にとっては、Noteが合っていた。

それだけの話だ。

動画が合う人もいる。インスタが合う人もいる。
大事なのは、「今、何が流行っているか」ではなく、「自分はどれなら続けられるか」だ。

続けられないものは、どんなに正解でも、正解にならない。

次に、
「うまくいっている人のやり方を、自分に翻訳する」

他の人の成功事例を、そのまま真似るのではない。
「なぜうまくいったのか」の構造だけを抜き出して、自分の状況に合わせて変える。

あるカフェが、インスタのリールでバズった。
大事なのは「リールを撮る」ことじゃない。
「お客さんが思わず人に教えたくなる瞬間を切り取った」こと。

その構造がわかれば、同じことを別の方法でもできる。
店頭の黒板に書いてもいい。手渡しのカードに書いてもいい。
会計のときに「今日のおすすめ、実は裏メニューなんです」と一言添えるだけでもいい。

「人に教えたくなる瞬間を作る」という構造は同じだ。
手法が違うだけで、届く。

正解を「真似る」のではなく、「翻訳する」。
それだけで、他人の正解が、自分のヒントに変わる。

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■ 今日からできること

もし、今「何をやればいいかわからない」と思っているなら。

「自分は、どんな大人でいたいか」

仕事の話じゃなくていい。 肩書きも、売上目標も、いらない。

「子どもの行事に全部出られる大人」でもいい。
「近所の人に名前で呼ばれる大人」でもいい。
「夕方5時に店を閉めて、家族とごはんを食べる大人」でもいい。

その一行が書けたら、あとは自然と動き出す。

「どんな大人でいたいか」がはっきりすると、悩む時間が減る。
なぜなら、選ぶ基準ができるからだ。

「この集客方法は、自分が在りたい姿に合っているか」。
その一点で判断すればいい。
インスタか、チラシか、動画か。 迷わなくなる。

イメージがはっきりすれば、具体的な行動に変わる。
 「近所の人に頼られたい」なら、まず隣の商店に挨拶に行ける。
「子どもにかっこいいと思われたい」なら、自分が誇れる仕事のやり方を選べる。

イメージが浮かんだのに、行動が変わらない場合。
ふたつのうち、どちらかだ。

①本当になりたい姿ではないか。
②もしくは、具体的にどう動けばいいか、情報が足りないか。

本当になりたい姿ではないなら、書き直せばいい。何度でも。
情報が足りないなら、SNS・AIで調べる、人に聞く。

正解は、ひとつじゃない。 ビジネスも。人生も。

でも、あなたが、決めていい。

誰かの正解を待たなくていい。
テストの答え合わせをしなくていい。
「合ってますか」と聞かなくていい。

あなたの事業だ。
あなたの人生だ。
あなたが、決めていい。

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追伸
「得意なことから始めよう、自分はNoteが合っている」といった。でも、このNoteも締め切り間際に慌てて書いている。得意と余裕は、別物だ。

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あい

荒川さん いつもステキな記事をありがとうございます。 今の私にぴったりな記事でした。 今まさに正解を求めて進んでいることにハッと気付かされて、なんだか気持ちが軽くなりました🥹✨

「正解は、ひとつじゃない」。仕事も、人生も。"正解"を探すほど、動けなくなる。人生も、同じだ。|荒川健生|年間1200件の経営相談|富山・氷見
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