見出し画像

「うちの社員は何もわかってない」。それ、社員も同じこと思ってます。原因は「相手」じゃなかった。あなたがかけている「メガネ」だった。

夫婦喧嘩も、社員との衝突も、原因は「相手」じゃなかった。
あなたがかけている「メガネ」だった。

事実は1つ。
でも、見え方は人の数だけある。

人間関係の問題は、相手を変えることではなく、自分のメガネを外すことから始まる。

画像

── 人口4万人の港町で、毎日5件以上、年間1,200件の経営の相談を受けている、荒川健生です。

前回は「研修での気づき」について書いた。
今回は、その続き。人間関係の悩みの正体と、「メガネ」の話について。

■ 人は誰でも「色つきのメガネ」をかけている

少し想像してほしい。

あなたは今、赤いメガネをかけている。
レンズが赤い。
だから、目の前の景色が全部、赤く見える。

白い壁も、赤っぽく見える。
青い空も、赤みがかって見える。

あなたにとっては、それが「普通の世界」だ。

でも、隣にいる人は、青いメガネをかけている。
同じ壁を見ても、青っぽく見えている。
同じ空を見ても、違う色に見えている。

2人は、同じ場所に立っている。
同じものを見ている。
でも、見えている世界が違う。

ここがポイントだ。

どちらも、嘘をついているわけではない。
どちらも、自分のメガネを通して「本当のこと」を見ている。

でも、見えている色が違う。

人間関係の問題は、ほぼ全部、ここに集約される。

赤いメガネの人は、「この壁は赤い」と言う。
青いメガネの人は、「いや、青だろう」と言う。

お互いに「なんでわからないんだ」と思う。

でも、壁の色が問題なのではない。
かけているメガネが違うだけだ。

厄介なのは、自分が色のメガネをかけていることに気づいていない人が多いことだ。

自分には裸眼で見えている、と思っている。
だから、相手と見え方が違うと、「相手がおかしい」と思ってしまう。

でも、裸眼の人はいない。

全員が、色つきのメガネをかけている。
育った環境。過去の経験。価値観。立場。

それが、レンズの色を決めている。

事実は1つ。 解釈は無数。

これが今回の話の出発点だ。

画像
画像

■ 「正しい人」ほど、人間関係を壊す

先日、ある研修で聞いた話が忘れられない。

講師の方が、自分の夫婦関係について語った。
お子さんが生まれたとき、育休を取った。

毎朝の送迎もした。家事もやった。育児にも参加した。

だから、こう思っていた。
「自分は、十分やっている」と。

この人のメガネは、「努力」という色がついていた。
やったこと、費やした時間、犠牲にしたもの。 そのメガネで自分を見れば、「頑張っている自分」が映る。

でも、奥様のメガネは違った。 奥様のメガネの色は、「気持ち」だった。

「育休を取ったのは事実。でも、その間ずっとスマホを触っていたよね」。 「送迎はしてくれた。でも、それはほんの一部。帰ってきたら何もしなかったよね」。「なにより、そのやっている感に対してイライラする」

同じ日々を過ごしている。 同じ出来事を共有している。

でも、「努力のメガネ」で見れば、やった行動が見える。
「気持ちのメガネ」で見れば、こもっていない心が見える。

どちらも本当のことだ。 どちらも嘘をついていない。
ただ、メガネの色が違う。

これは夫婦だけの話ではない。

社長は、「利益のメガネ」をかけている。
だから、数字が見える。効率が見える。
改善点が見える。
「こんなに会社のことを考えている」と思う。

社員は、「感情のメガネ」をかけている。
だから、言い方が見える。
態度が見える。
空気が見える。
「何もわかってくれない」と思う。

どちらも本気だ。
どちらも、自分のメガネでは正しい。

だから、衝突する。

問題は、どちらが正しいか、ではない。
どちらのメガネで見ているか、だ。

そして、自分のメガネが正しいと確信している人ほど、相手のメガネをかけようとしない。

正しいと思えば思うほど、相手が間違っていると感じる。
間違っていると感じれば、理解しようとしなくなる。
理解しようとしなくなれば、関係は壊れていく。

少しづつ敵対していく気持ちにより、
自分でも気づかないうちに、
行動も敵対した態度、言動をしてしまう。

「正しい人」が関係を壊す。

逆説的だけど、現場では本当によく見る光景だ。

画像

■ メガネの掛け替え。それがマネジメントの正体

研修で聞いた中で、一番深かった話がある。

マネジメントとは、「メガネの掛け替えのお手伝い」である、と。

相談の現場で、よくある光景がある。

ある事業者の方が面談に来た。  売上が伸びず、自信を失いかけていた。

1時間くらい話をした。
強みを一緒に言語化した。
発信の方向性も整理した。

面談が終わる頃には、その方の表情が明るくなっていた。

「やれる気がしてきました」。

そう言って、意気揚々と帰っていった。

でも、2週間後。 再び面談に来たその方のメガネは、曇っていた。

「やっぱり、うまくいきませんでした」。

声のトーンが、初回と同じに戻っている。

何が起きたか。
現場に戻った途端、日常に引き戻されたのだ。
スタッフの不満。
お客さんのクレーム。
月末の支払い。

面談で掛け替えたはずのメガネが、また元の色に戻っていた。

いいセミナーに参加した後もこういったことがよく起きる。

これは、よくあることだ。
メガネの掛け替えは、一度やれば終わりではない。

だから自分は、同じ人と何度も面談をする。
1回目で掛け替える。
2回目で少し定着する。
3回目で自分で掛け替えられるようになる。

マネジメントも同じだと思う。

ある若手社員が、大きなミスをしたとする。
お客さんからクレームが来た。
上司にも怒られた。
営業がうまくいかない。

そのとき、その社員の眼鏡は曇るか、真っ黒になる。

「自分はダメだ」
「向いていない」
「もう無理かもしれない」

黒いメガネをかけると、何を見ても暗く映る。

そのメガネのまま仕事を続けると、自信がなくなる。
行動が減る。
成果が出なくなる。
もっと自信を失う。


そしてあるとき、部下から「ちょっと話しがあります」といわれる。
もちろん、その話しはいい話ではない。

この悪循環を止めるのが、上司の仕事だ。

でも、止め方は「指示を出すこと」ではない。

黒いメガネを外して、別の色のメガネを渡すことだ。

そして、そのメガネが曇ったら、また一緒に拭くことだ。

「ミスをした」は事実。
でも、その事実をどう見るかは選べる。
「初めての大きな案件で、ここまでやれた」と見ることもできる。
「次は対処法を知っている状態で臨める」と見ることもできる。

同じ出来事でも、メガネを変えれば、見える景色が変わる。

景色が変われば、次の一歩が変わる。

一度で変わらなくていい。
曇ったら、また拭けばいい。

隣にいて、一緒に拭き続けること。
それがマネジメントの正体だと思う。

画像

■ 「違い」は「間違い」ではない

ここが、今回の話で最も大事なところだ。

「違う」と「間違っている」は、全く別のことだ。

でも、多くの人がこの2つを混同している。

赤いメガネの人は、赤い世界を見ている。
青いメガネの人は、青い世界を見ている。

どちらかが間違っているのではない。
レンズの色が違うだけだ。

夫婦で意見が違う。→ 相手が間違っている。 上司と部下で方針が違う。→ どちらかが間違っている。

でも、そうじゃない。

価値観が違う。
育った環境が違う。
大事にしているものが違う。
だから、メガネの色が違う。
それだけだ。

ここを理解すると、面白いことが起きる。
「相手を変えよう」とするエネルギーが減る。

代わりに、「相手を理解しよう」とするエネルギーが増える。

相手のメガネの色を変えようとすると、摩擦が生まれる。
相手のメガネを一度かけてみようとすると、対話が生まれる。

研修で「健全な妥協」という言葉が出てきた。

妥協と聞くと、負けた気がする人が多い。
でも、健全な妥協とは「自分が折れること」ではない。
「関係が勝つことを選ぶこと」だ。

自分が勝つか、相手が勝つか。
ではなく、 2人の関係が勝つには、どうすればいいか。

そう考えられるのは、相手のメガネの色を知っている人だけだ。

画像

■ まず、相手のメガネをかけてみる

研修の講師が、6年かけて辿り着いた言葉がある。

「あなたのメガネをかけさせてください」。

奥様に対して、この一言を言えるようになるまでに、6年かかったそうだ。

自分にも刺さった。

ヒミビズで毎日5件以上の相談を受けている。
行政との調整もある。
高校生との授業もある。

どの場面でも、自分は「見えている側」にいることが多い。
事業の課題が見える。
改善策が見える。
次の一手が見える。

でも、見えている人ほど、見えていない人に苛立つ。

「なぜ気づかないのか」
「なぜ動かないのか」
「なぜ変わらないのか」

そう思うとき、自分は自分のメガネしかかけていない。

相手が見えていないのではない。
相手には、相手の色で見えている世界がある。
赤い人には赤い景色が、青い人には青い景色が、ちゃんと広がっている。

だから、アドバイスする前に理解する。
導く前に聴く。
変える前に、相手のメガネをかけてみる。

今回の学びを、一文で言うなら。

幸せな人生とは、自分の正しさを証明する人生ではない。
相手の見ている世界を、理解しようとする人生だ。

画像

■ 今日からできる、3つのこと

最後に、日常で使える「メガネの掛け替え」を3つだけ。

1つ目。 相手が何か言ったとき、「でも」の前に「そう見えているんだね」と口に出す。 相手のメガネの色を、まず認める。それだけで空気が変わる。

2つ目。 意見が対立したとき、「この人は何色のメガネをかけているんだろう」と考えてみる。 答えを出す必要はない。想像するだけでいい。

最後。目的に立ち返る。自分が勝つことではなく、その関係やチームが勝つこと、全体が幸せになることを優先する。目的はなにか、そのために最良の方法を模索する話しかを改めて明確に、そしてその気持ちをもって接する。

本当の目的のために、どっちが合ってるか、もしくは勝ってるかはさほど重要じゃないケースが多い。

もし、あなたの周りに「なんであの人は分かってくれないんだろう」と感じる相手がいるなら。

たぶん、その人も同じことを思っている。
同じ壁を見て、違う色を見ている。

それだけだ。

先にメガネを外せた人が、関係を変えられる人だ。

画像

追伸
「相手のメガネをかけろ」と3件の面談で語った日の夜。 婚活アプリのプロフィールを「誠実さ全開」で書き直して、知人に「色気ゼロ」と言われた。 人のメガネは掛け替えられるのに、自分のメガネだけ溶接されている。


毎日書く。すべて無料。
スキは「よかった」の声。
フォローは「明日も読む」の声。
どちらも、ちゃんと届いています。

#経営相談 #氷見 #富山県 #地方 #中小企業 #経営者 #個人事業主 #フリーランス #コンサルタント #新年度 #発信 #はじめまして #創業支援 #売上アップ #新規事業 #事業承継 #M&A #目標 #挑戦 #マインド #はじめてのNote #自己紹介 #仕事について話そう #新しい仕事に向き合うとき #ヒミビズ

コメント

1
コメントするには、 ログイン または 会員登録 をお願いします。
chamo☕️のプロフィールへのリンク
chamo☕️

経験上、最初に自分のメガネが濃く出て、時間をかけながら見え方が変わっていくので、3回というのが腑に落ちました!

「うちの社員は何もわかってない」。それ、社員も同じこと思ってます。原因は「相手」じゃなかった。あなたがかけている「メガネ」だった。|荒川健生|年間1200件の経営相談|富山・氷見
word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word

mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1