見出し画像

【フィンランド・スウェーデン】福祉大国で見た「自由」の価値

「歩く」だけがリハビリじゃない

そんな理学療法士らしからぬことを、最近思い始めている。
そして、そんなことを話した相手がいた。
そして、実は同じことを考えて行動していた相手がいた。

何と、それは、我が母校の埼玉医科大学の理学療法学科の学科長、高倉先生だったのである。

書評を書いていただいた書籍をお渡しに、お礼を言いに会いに行ったのであるが、そんな意見が一致した。

画像
恩師。

私だけが外れたことを考えていたのでは?

と思っていたので、自分を一人前の理学療法士と育ててくれた母校の恩師が同じことを考えていたことに心底嬉しかった。

 理学療法士として10年以上、病気や怪我を負った方々のリハビリに携わっている。

特に、リハビリ業界では「歩く」という基本動作へのこだわりは強い。(どこで働いていても感じる)

もちろん、歩ける機能を維持、向上するの大事であることに変わりはない

そして、これは私だけではなく、日本全体が同じ傾向にあると感じている。

ロコモティブシンドローム(運動器症候群)という言葉が広まり、健康のために「歩くこと」が重要視されてきているところからも読み取れる。

リハビリすれば歩ける人であれば、

もう、「車椅子でいい」「歩行器でいい」

と言われても、

「自分の足で歩けるように一緒に頑張りましょう!」

と励ましてきた(今考えると、熱量と圧で乗り切ってた。)

そして、そのためにあれこれと全力を尽くしてきた。

しかし、その考えに疑問を持ち始めたのは、ここ最近の北欧視察がきっかけだった。

北欧で見た「歩く」ことへの価値観の違い

フィンランドやスウェーデンの街を歩いて感じたのは、「歩くこと」よりも「移動すること」に重きを置いた社会の仕組みだった。

まず驚いたのは、杖や車椅子、電動自動車など、圧倒的な福祉用具の充実度と、それを軽やかに使いこなす利用者の多さである。

日本では高齢者や障がい者が特定の杖や歩行器を使うことが一般的だが、北欧ではそれぞれが自分に合ったツールを自由に選び、活用している。

例えば、高齢者が椅子付きの杖を持っていたり、

画像
歩ける。
画像
そして、座れる

電動スクーターで船に乗り込んでいたりする光景が日常的に見られる。

画像
電動スクータ

若い男性がハンドル付きの車椅子で颯爽と列車に乗り込む姿もあった。

画像
日本ではみたことない。

それらのツールは単なる「福祉用具」ではなく、生活を豊かにするアイテムとして存在しているのだ。

「みんな同じ」でなくていい

そして、もうひとつ大きな違いがあった。

それは「みんな同じものを使っていない」こと。

日本では、歩行補助具やシルバーカーのデザインが似通っており、どこか「特別なもの」として扱われる印象がある。

一方、北欧ではシンプルで無駄がなく、センスの良いデザインのものが多く、「かっこいい」と思えるツールが揃っていた。

画像
おしゃれ。

その結果、街の至る所でそれらを使う人々の姿が見られ、外出することが当たり前の文化として根付いているのだ。

日本の大都市で感じた、違和感

対照的に、日本の都市部では福祉用具を使う人の姿はまだまだ少ない。

先日、大都市の駅でカフェに座りながら、30分ほどぼーっと通行人を観察してみた。

杖を利用していた人は2人、車椅子は1人。北欧で見た光景とはまるで違った。

数年前、理学療法士の仲間と電動車椅子を借りて浅草、横浜、箱根などを巡る体験をしたことがある。

画像
大涌谷もいける
画像
お金がないのでクラファン
画像
画像
あふれる青春感。

そのとき、私たちが20代の若者だったこともあり、周囲の目線が釘付けだった。

多くの人が「珍しいものを見るような目」でこちらを見ていたが、それと同時に、通行人が次々と声をかけて手助けしてくれた。

このとき、日本人の優しさを実感したが、同時に「電動車椅子の利用が珍しがられる社会なのだ」という現実も痛感した。

「歩く」だけではない、移動の自由

高齢化が進む日本において、これから求められるのは「歩けるかどうか」ではなく、「自由に移動できるかどうか」ではないか。

私は理学療法士として、長年「歩くこと」にこだわってきた。

しかし、移動の自由を支えるために、もっと福祉用具の選択肢を広げ、それを当たり前のものとして受け入れる社会を作ることも必要ではないかと思うようになった。

これからの時代、私たち理学療法士ができることは何か。

「歩けるようにする」だけではなく、「自由に移動できるようにする」こと。

それこそが、人生の楽しみや生きがいにつながるのではないだろうか。


最近、そんなことを、思い始めている。

体の専門家として、いま何ができるのか、なにをすべきなのか。
考えて、考えて、ぐるぐるしている毎日であるが、今年はすこし動き出してみようと思う。


いいなと思ったら応援しよう!

長島佳歩|理学療法士 最後まで読んでくださりありがとうございます^^! チップはいりませんので、良いと思った記事は、ぜひシェアしていただけると大変喜びます笑 理学療法士として、体のこと、心のこと、高齢者介護のこと、はたまた趣味の海外のくらしのことなど、体験からの学びをシェアしていきますね^^

ピックアップされています

「北欧のくらし」から人生観を学ぶマガジン

  • 8本

コメント

コメントするには、 ログイン または 会員登録 をお願いします。
【フィンランド・スウェーデン】福祉大国で見た「自由」の価値|長島佳歩|理学療法士
word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word

mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1