法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

違法と大きく煽りながら法律違反の事実がないスクープを批判する自民党広報本部長は、公選法に束縛されない総裁選で対立候補の活動を違法と誤解させる攻撃を高市陣営がおこなっていたと報じられていることを知らないのだろうか?

 広報本部長の鈴木貴子氏が下記のように対象がはっきりしない批判をおこなっていた。


【スクープの定義、変わりました?】

「違法」と大きく煽る。
しかし記事を読んでみると、法律違反の“事実”はどこにもない。

本来、スクープとは誰も知らなかった事実を正確に伝えることです。
「事実誤認を大声で拡散すること」ではありません。

政治家は選挙によって国民の審判を受けます。だからこそ批判も検証も歓迎です。むしろ、必要です。

しかし、事実に基づかない印象操作は検証ではなく、世論をミスリードする行為です。

#それでスクープを名乗れるなら推理小説家は全員特ダネ記者

 あまりに具体性に欠けているので、どのスクープ報道に対する批判なのか、まったくわからない。
 たとえばリプライ*1にある日刊ゲンダイのことであれば、SNSでの紹介では「違法」という表現をつかっていない。

 そして記事そのものはタイトルの時点で「違法「広告動画」疑惑が発覚」と表現されている。記事を読む前に疑惑段階とわかるし、逆に記事を読んで「法律違反の“事実”はどこにもない」と断定できる状況ではない。
【スクープ第5弾!】北海道自民12陣営にも衆院選での違法「広告動画」疑惑が発覚|日刊ゲンダイDIGITAL
 事実として、法律違反ではないと断定ができないことを、判断するのは選管と指摘するリプライとのやりとりで鈴木氏も否定できていない。


その論理ならば、まず、「日刊ゲンダイでもない」って付けてもらってもいいですか?

 ちなみに日刊ゲンダイで最初に新たな疑惑の対象として最初に言及されているのは鈴木氏なので、批判されている当事者のひとりでもある。

 今回、明らかになった北海道の12人もやはり、動画の構成は全員同じ。例えば、7区の鈴木貴子・党広報本部長が出演する動画は、冒頭で高市首相が「自民党総裁の高市早苗です」と挨拶。その後、10秒ほどで鈴木氏の動画にスイッチ。「7区の鈴木貴子です」との本人のナレーションと共に、地元で活動したり、会見に応じたりする様子が映し出される。

 公選法は選挙期間中の候補者本人による有料ネット広告を禁じているが、例外として、政党の政治活動の一環と位置づけられる有料広告の配信は許可。しかし、今回の動画は選挙中に本人が出ているのだから「選挙運動」としか思えない。


 そしてエントリタイトルで書いたように、違法ではないのに違法と煽って攻撃するといえば、むしろ現在の自民党総裁陣営が対立候補におこなっていたことを先日から週刊文春が報じている。
【独占入手】高市早苗陣営が流した「進次郎は無能」動画《陣営のメンバーが実名証言》《1日100本の中傷動画を拡散》 | 週刊文春

 別の70秒ほどの動画の冒頭では〈林くんルール破っちゃったー 文書送付投票依頼は完全アウト〉とし、〈そんな人は出馬しないで下さーい〉と呼び掛ける。

 そして3本目は〈林・小泉アウトー👍〉〈小泉!アウトー👍〉と連発。〈選挙法違反〉を謳い、総裁選でのリーフレット送付を巡る真偽不明な疑惑を向ける。だが、総裁選は公職選挙法の適用対象に含まれておらず、誤認を招く表現だ。

 もちろん違法とまではいかなくても道義的に批判される場合はあるし、法律がつくられた時に想定していなかった問題であれば現時点で違法ではなくても違法化されるべきという場合もある。
 しかし現時点で違法と明確にいえなくても厳しく追及されるべきは、小泉陣営が先に高市陣営を攻撃していたことが発覚した内輪の総裁選よりも、やはり鈴木氏らの選挙活動ではないだろうか。

*1: