田島貴男×君島大空「FUJI & SUN '26」開催記念対談 (2/2)

「FUJI & SUN」第1回は「“アゲアゲ”ばかりで、これまずい」

──それぞれのルーツがわかったところで「FUJI & SUN」のお話を伺いたいと思います。お二人はこれまで「FUJI & SUN」には何度か出演されていますが、田島さんは第1回に出られていますね。印象に残っていることはありますか?

田島 一番印象に残ってるのは第1回のときかな。ステージの前で、お客さんが座ったり横になったりしながらのんびり観ていて。そのときは“ひとりソウルショウ”スタイルだったので、1人でキックとスネアを足で鳴らして、ギターを弾きながら歌っていたんですけど、「今日はちょっとアウェイかな」と思ってたんですよ。でも、途中からだんだんお客さんがリズムに乗ってきて、最後のほうではみんな立ち上がってダンスパーティのように盛り上がった。やっぱり、音楽好きの人たちなんだなって思いました。

君島 いいですね! いつも思うんですけど、「FUJI & SUN」ってなんか居心地がいいんですよ。自分はフェスだとちょっと気を張ってしまうところがあるんですけど、「FUJI & SUN」はなごむんですよね。

田島 場所もあるかもね。山が見えてピクニック感があって、お客さんはぽよ~んとしてる。

君島 そのまったりしたムードに流されてしまうところもあるんですけど、そういうフェスでお客さんを総立ちにしたのはすごい。

田島 でも、1曲アゲる感じの曲をやってもダメだったんだよなあ。10曲ぐらいやる中で5連発ぐらい気合いを入れてやったらお客さんに通じたというか(笑)。1回目でダメで、2回目もダメ。3回、4回、そして5回目でようやく寝てた人たちが起きた。煽る感じではやらなかったけど、気合いを入れてやり続けるとだんだん空気が変わっていくんだよね。

君島 最低5連発(笑)。今年の参考にさせていただきます。

──フェスのお客さんは必ずしも自分のファンではないですし、いつものライブと環境も違うので対策が難しいでしょうね。

田島 野外フェスは行ってみないとどんな雰囲気なのかわからないところがあるんですよ。「FUJI & SUN」の1回目も、行ってみて「こんなにまったりしているのか!」「セットリスト変えたい」と思った。アゲアゲの曲ばっかりだったから「これ、まずいな」と。

君島 めっちゃわかります(笑)。

田島 でも、やるしかない。それでなんとかなったからよかったけど。フェスはそうやってやり通すことでうまくいくこともあれば、そうじゃないこともある。現場での対応力が問われるというか。その場にいるお客さんとどんなふうに場を作っていくのかが重要になるんです。

君島 あと、天気も重要ですよね。山だと天気が変わりやすいじゃないですか。だからその日になってみないとわからない。

田島 そう、全然つかめない。静かに演奏しているミュージシャンのときに大雨が降ったら、かわいそうに思えて……。

君島 昔、すごい神妙なセットリストを組んで野外フェスに出たら、めちゃくちゃカンカン照りで会場がすごくハッピーな空気になっていたことがあって。「作戦失敗だー!」みたいな(笑)。

田島 わかるなあ(笑)。

君島 「もう突入するしかない!」という感じでやりました。

田島貴男

田島貴男

君島大空

君島大空

みんなオファーしちゃうよな

──今年の「FUJI & SUN」は天気に恵まれるといいですね。ちなみに、お二人は今回出演するアーティストでライブを観たい人はいますか?

田島 やっぱり、君島くんは観たいですね。

君島 ぜひ!

田島 柴田聡子さんとかチョコパ(CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN)も観てみたい。いろんなところで名前を見かけるけど、ちゃんとライブを観たことがないから。

君島 そういえば田島さん、「JAZZ NOT ONLY JAZZ」(石若駿率いるバンド・The Shun Ishiwaka Septetによるイベント。今年の「FUJI & SUN」にてスピンオフ企画が行われる)に出るんですよね。

田島 出るよ。君島くんは出ないの? 石若(駿)くんだから出そうなのに。

君島 いつかは出たいと思っているんですけど。

──君島さんは石若さんとたびたび共演されていますが、石若さんと一緒にやる面白さはどんなところですか?

君島 なんか温泉に入っている感じで(笑)、リラックスしてできるんです。「FUJI & SUN」にも石若さんとのデュオで出たことがあって。いつも何も決めないでやるんですよ。やる曲だけ伝えておいて、演奏の尺も伝えない。それで演奏を始めてから「そうなるんだ~」って。それでステージが終わると2人とも元気になって、お互い健康になって帰る、みたいな。バンドのときはまた違うんですけど、デュオのときはそんな感じですね。

田島 それは素晴らしいね。2人とも即興力があるんだよ。俺が初めて石若くんの演奏を見たのは(中村)佳穂ちゃんのライブかな。すごいヤツがいるなと思って。その後、会って話をしてみたら、とても落ち着いている人じゃないですか。もっと緊張感がある感じの人かなと思ってたんだけど、すごく話しやすくて、いい人柄で。「これだったら、みんな仕事をオファーしちゃうよな」と思った。「JAZZ NOT ONLY JAZZ」は1回目に出させてもらったんだけど、その流れで今回、出演することになったんだよね。

左から田島貴男、君島大空。

左から田島貴男、君島大空。

対談の次は

──君島さんは今回、誰のステージが気になりますか?

君島 梅井美咲というピアニストがいるんですけど、ライブを観るたびにやることが変わるんですよ。やりたいことがあふれ出している感じ。この前、ワンマンライブを観に行ったら、最初はトラックとボーカルでフロアをブチ上げたかと思ったら、ソロピアノで深いところまで行って。そこからドラムとのデュオでめっちゃプログレッシブな曲をやったりする。「どういう人なの!?」って思いました。だから、「FUJI & SUN」では何をやるんだろう?ってドキドキしてます。

田島 へえ、面白そうだね。

君島 田島さんと同じ初日ですよ。

田島 よし、観に行こう!

──田島さんは「FUJI & SUN」が終わったあとに初の日本武道館ワンマンが控えていますね。

田島 そうなんですよ。これまで武道館でライブをやることは特に意識したことなかったんです。でも、60歳という節目にどうですか?と声をかけてもらって。最初は、いやいや……って思ってたけど、今はやると決めてよかったと思います。僕もスタッフたちも武道館に向けてすごくやる気になってるし。よかったら君島くんも来てよ。

君島 マジっすか!? ぜひ!!

──武道館の前哨戦として「FUJI & SUN」は盛り上がりそうですね。

田島 音楽でいい時間を過ごしていただけるように、今年も一生懸命がんばります。

君島 僕もがんばります。最低5回はやる!という心構えで(笑)。

田島 いつか僕と君島くんで「ふたりソウルショウ」をやりたいね。

君島 セッションさせてください! 実は今日、ギターを持ってこようと思ったんですけど、セッションだけで終わっちゃいそうなのでやめたんです(笑)。

田島 よし、対談の次はセッションだ!

左から田島貴男、君島大空。

左から田島貴男、君島大空。

公演情報

FUJI & SUN '26

「FUJI & SUN'26」ロゴ

2026年6月6日(土)静岡県 富士山こどもの国
OPEN 9:00 / CLOSE 21:00

<出演者>
くるり / ハンバート ハンバート / 田島貴男(Original Love) / YOUR SONG IS GOOD(CHILL & DUB) / JAZZ NOT ONLY JAZZ in FJSN(石若駿 × 渡辺翔太 × マーティ・ホロベック) feat. 大橋トリオ & 田島貴男 / 奇妙礼太郎 / 柴田聡子(バンドセット) / Chappo / 北村蕗 / 梅井美咲 / HAL & Baku
After Hours:スーパー登山部 / TOP DOCA


2026年6月7日(日)静岡県 富士山こどもの国
OPEN 8:30 / CLOSE 19:00

<出演者>
never young beach / ハナレグミ / KIRINJI(弾き語り) / cero / 藤原さくら / 君島大空 / 寺尾紗穂 / 優河 / 鎮座DOPENESS / CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN / 眞名子新

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プロフィール

田島貴男(タジマタカオ)

1985年結成のバンド、レッド・カーテンを経て、1987年にOriginal Loveとしての活動を開始。1991年7月にアルバム「LOVE! LOVE! & LOVE!」でメジャーデビューを果たす。「接吻 kiss」「朝日のあたる道」などのシングルでヒットを記録し、1994年6月発売の4thアルバム「風の歌を聴け」はオリコン週間アルバムランキング1位を獲得。以降もコンスタントに作品を発表し、柔軟な音楽性を発揮している。近年はバンドスタイルでのライブのみならず、田島貴男1人での「ひとりソウルツアー」や「弾き語りライブ」も恒例化している。2026年4月には韓国のオルタナティブバンドCADEJOとのコラボレーションEP「From a South Island」を配信リリース。11月には、キャリア初となる日本武道館公演「SOUL POWER BUDOKAN ~あれから、そしてこれから~ Dancin’- The 35th Anniversary Live」の開催が控えている。

君島大空(キミシマオオゾラ)

1995年、東京都青梅市生まれのシンガーソングライター。ギタリストやサウンドプロデューサーとしてさまざまなミュージシャンの制作、録音、ライブに参加している。2019年に「午後の反射光」を発表し、本格的にソロ活動を開始。作品リリースとライブ活動を重ね、2023年9月に発表した2ndアルバム「no public sounds」はアワード「APPLE VINEGAR - Music Award -」にて大賞を受賞した。2025年7月、「FUJIROCK FESTIVAL」最大のステージであるGREEN STAGEに出演。2025年12月と2026年1月に自身最大規模のワンマンライブ「君島大空 合奏形態 夜会ツアー劇場版 “汀線のうた”」を行った。