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氷上の小細工/Novel by 春風

氷上の小細工

3,581 character(s)7 mins

スバルくんのパルクールシーンがカットされていたことが悲しすぎたのですが、それ以上にアニメの出来が良すぎて「カットされてる‼️(憤怒)」の一秒後に「えっ、めっちゃクオリティ高い‼️やったぁ‼️」になってました
ちょろいオタクで情けない

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『やべぇ!』
『イチかバチかだけど……スバル、掴まって!――みんなお願い!』
『うお!?エミリアたんすげぇ!賢い!』
『制御が難しいから、手を放さないで!』
『ナイス、エミリアたん!さすがすぎて惚れ直した!』
『でも止め方が思いつかないの!どうしよう?』
『え』
『エミリアたん!カーブ設置!』
『か、かーぶ?』
『ゆるやかに曲がる感じの壁!ぐるーっと!そのままカーブ途切れさせないで、ぐるー!ぐるー!』
『ぐ、ぐるぐるー!』
『ふう、エミリアたんの魔力を存分に無駄遣いしてどうにかしたな……』
『それより、さっきの攻撃!』
『ラインハルトか!』

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「め、めちゃくちゃギリギリじゃないですか……」
背後に攻撃が迫りながらも、紙一重のタイミングでそれを交わすエミリアとスバルに、オットーは顔を青くする。
「でも、ラインハルトが戻ってきてくれたから何とか避けられたの。あと、スバルがかーぶを教えてくれたから」
エミリアひとりなら思いつかなかったが、スバルがカーブを作れと言ってくれたおかげで何とか止まれた。
「それにしても、スバルったら真面目な時にも惚れ直すとか……もう」
少しだけ嬉しそうに、エミリアが頬を膨らす。

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『ダメ!やっぱり、今の攻撃も通用しないみたい!』
『ダメか!ってことは、足の裏が弱点って線も消えたか……』
『J作戦も通用しない。すまない、力不足だ』
『無敵でなんでも攻撃が通るってんなら、地面に触れてる部分はバリアが抜けるんじゃないかってА(足の裏)作戦だったんだが……他に、他にあるか?無敵に見える敵の弱点、弱点……!考え方が悪いのか?発想が違う?』
『スバル、他に何ができる?私、何をしたらいい?』
『星の、名前だ』
『スバル?』
『エミリア、聞きたいことがある。あいつに首を掴まれてたよな?そのときなんだけど』
『うん』
『レグルスの手は、熱かったか?冷たかったか?』
『ううん。今、考えたら……何も感じなかった。熱さも冷たさも、熱を何も』
『ラインハルト!――そいつの、心臓が動いてるか確かめてくれ!』

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「星の名前……」
ユリウスは、スバルがカペラの名前を聞いてそれを口にしていたと思い出す。
「私の知識にはそれがないのだが……スバルの故郷には大罪司教の名前と同じ──星がある」
結果的に、スバルの知識がエミリアやラインハルト──ひいては、プリステラを救うこととなったのだが、
「──もしスバルがいなかったら、どうなっていた?」
それを考えて、ユリウスは背筋が冷えるようだと感じた。
「──私は、」
ずき、と頭が痛む。
クルシュやレムのように、ユリウスにも、現実が、適応されていく。

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『無駄な努力、ご苦労様。せいぜい、傷が少なくなるように祈るんだね』
『どうやらスバルの言う通り……君の心臓は、ここで活動していないらしい』
『ラインハルト!!よくやってくれたぜ、ラインハルト……!』
『スバル!』
『大丈夫だ。ラインハルトは、たぶん大丈夫だ!心配は後回しでいい!』
『それはわかってるわ!私、何をしたらいい?ラインハルトも、スバルを信じてるからあんな無茶なことも引き受けたのよ。レグルスのことが何かわかったんでしょう?教えて』

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「心臓が……」
レグルスに投げ飛ばされ、衣服を紅に染めていくラインハルトを見て、ラムが眉を顰める。
「ただの攻撃なら避けられるでしょうけど……不可視の吐息を使った攻撃なんて、対処のしようがないわね」
「ああ──いくら精霊が味方しているとはいーぇ、これは分が悪いだろうねーぇ」

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『お前がこれまで、どんだけうまいこと人生の波乗りこなしてきたのかは知らねぇし知りたくもねぇが……気付いてるか?お前は今、確実に詰められてんだぜ』
『詰める?意味がわからなすぎて笑いも出てこないんだけど、君はいったい何が言いたいのかな。いや、別に何がどうとかって理解できる言語が出てこない可能性もあるから、何もないならないで言わないでもいいよ』
『まぁ、そう言わずに聞けよ。お前には聞く権利がある。お前の大好きな、権利だ』
『僕の権利……?』
『ああ、なんせ自分がどうやって負けるのか、知らないで負けるのは悔いが残るだろうからな』
『――お前はもう、消えろ!!』
『エミリア、今だ!』
『ウル・ヒューマ!』

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悔しそうにエミリアの放った氷を踏み潰すレグルスを見て、ガーフィールは笑う。
「あァ、そうだなァ!権利権利って騒がしいッ野郎だったからなァ!丁度いいッんじゃねェかァ?」
「ガーフったら……そんなに言うものじゃありませんわよ。まあ……わたくしも、今のは少しだけスッキリ致しましたけれど」
レグルスは、話が長い上に回りくどくて、正直聞いていてイライラするのだ。
「──スバル様は、相手の調子を崩すことにかけては一級品ですものね」
フレデリカが、酷く楽しそうな笑みを浮かべる。

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『ダメ、やっぱり時間稼ぎにもならない』
『違うよ、エミリアたん。あいつの陰険な性格上、他人を踏みつけにして見下さなきゃ気が済まない。壊す必要のない障害も、踏み越えなきゃ勝った気がしないんだよ。本来、あいつは障害を突破するのに何かをする必要なんてない。ないのに、ワンアクション余計な行動を起こす。一秒でもコンマでも、それは成果だよ』
『その一秒で、レグルスに勝てる?』
『積んでいけば必ず、俺が君を勝たせてみせる。化けの皮、剥いでやるよ』

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「陰険な性格……言い得て妙、だネ」
だいぶ落ち着いてきたクルシュの体を抱きしめたまま、フェリスは瞳をスクリーンへと向ける。
「大罪司教は、他人を踏みつけにする奴らばっかり。極論を振りかざして、子供みたいな癇癪を起こして……ホント、見てられないよ」
毒を吐き捨てる彼の表情は、よく見えなかったが、怒りに満ちていることだけは、間違いなかった。
「それに関しては同感だね。人が嫌がることばかり言うし、聞いていると気分が悪くなってしまう」
ラインハルトが眉を顰めてそう言う。

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『スバル!どこに向かうの!』
『場所は教会!目的は、レグルスの嫁だ!その中に……』
『――余計なこと勘付くなよ、お前』
『おおわぁ!?』
『わ、わ、わ、スバルすごい』
『エミリアたんはギュッとしがみついてて!』

​───────​───────​─────

スバルがエミリアを抱き抱え、パルクールのように軽々しくレグルスから距離を取ろうとする。
「スバル……」
ベアトリスが、心配そうにスクリーンの中のスバルを見つめる。
「大丈夫よ、ベアトリス。スバルって意外としぶといから」
「その言い方だと褒めてるふうに聞こえないんですけどね!?……まあ、ナツキさんって紙一重で避けますから……そこが余計に不安なんですけど」

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『スバル!とにかく、教会に行けばいいのね!?方向は!?』
『マズイ!逃げたのが逆方向だった!どうしよう!』
『あっちでいいのね?』
『あっちでいいけど、それでどう……』
『こうするの!』
『なんだと!?行かせるわけ、ないだろ!!』
『本命はこっちだから、橋は壊されてもいいの!』
『な──!?』
『エミリアたん、小賢しくなったね!』
『スバルのがうつっちゃったのかもしれないわね』
『その言い方、褒めるときの言い方じゃないよね!』
『教会の、あの女の人たちと会ってどうするの?』
『脅されてるか、心酔してるのかわからないけど……心ならぬ、心の臓を奪うってことになんな。――文字通りの意味で』

​───────​───────​─────

「スバル……大丈夫なのかしら?」
「私もこの後は別行動だったから詳しくは分からないんだけど……でも、奥さんたちを助け出せさえすれば、レグルスなんてスバルの敵じゃないって私信じてたもの」
エミリアが月のように美しく笑うから、ベアトリスは肩の力が抜けてしまった。
「本当に、エミリアは段々スバルに似てきているのよ」
「そう?私は、ベアトリスとガーフィールの方が似てきてると思うけど」
「そんな事……ない、と言いきれないのが悔しいかしら」
「ふふっ」

Comments

  • レイラ
    Apr 2nd
  • 小説好き
    April 11, 2025
  • レイラ
    March 7, 2025
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