ミスターに捧ぐ満塁弾、巨人・丸「長嶋さんが打たせてくれたと信じている」
巨人が3日のオリックス戦に逆転勝ち。長嶋茂雄さん一周忌の特別試合を白星で飾った。 ◇ 鋭く伸びた打球は、長嶋茂雄さんがほほ笑む右翼席の広告付近に吸い込まれた。1-4の八回1死満塁。劇的なグランドスラムを放った巨人の丸は、バットを誇らしげに突き上げた。長嶋さんの一周忌に行われた特別試合は、最高のドラマが用意されていた。 二回に先発の戸郷が先頭紅林への危険球で退場。非常事態の中で、打線はオリックスの先発曽谷に七回まで10三振と苦しんでいた。それでも、丸は「天国から(長嶋さんが)『諦めるな』と言ってくださったと思う」と勝負を諦めてはいなかった。 八回に2番手で上がった椋木を攻めた。1死から佐々木、泉口、松本の3連打で満塁とすると、打席には代打、丸。3球で追い込まれてから際どい球を2球見送った後、低めの直球を鮮やかにすくいあげた。 「最高の結果になって良かった。長嶋さんが打たせてくれたと僕は信じている」。東京ドームはしばし騒然としたままだった。 少年時代に巨人ファンだった37歳は、長嶋さんに直接指導を受けた選手の一人でもある。「一言一言が僕の大きな財産になっている」。土壇場で飛び出した一発は、恩師への何よりの恩返しとなった。(川峯千尋)