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助けは求められてから来たる/Novel by 春風

助けは求められてから来たる

8,058 character(s)16 mins

連日明るくないお話で申し訳ありません。

皆様あにまんと呼ばれる掲示板はご存知でしょうか。
春風も度々拝見することがあるのですが、去年の二月ほどにこのシリーズと同様のスレッドが立てられていました。
そもそも春風がこのシリーズを思いついたのはそれを見ていたからなのかもしれません。
そして、此方が出典を示さないのは規約違反であるとご忠告頂きました。
よって、シリーズの説明文に記載させて頂いております。

次に、台詞の引用についてです。
春風は作品の性質上「仕方ない」とどこかで思っていました。
ですが、二次創作は元来作者に見つからないように隠れて行うもの。
そして、このように独創性のない二次創作がもし目につけば、他の二次創作者様方にも被害が及ぶと。
そこまで頭が回らなかったのは、偏に春風の頭が至らないせいでした。
本当に申し訳ございません。

よって、このシリーズの再投稿(編集して)か、過去作品は削除せぬままこれからの作品にこれらを適用するかのどちらかを選択させて頂きたいと思います。

そして、これは高校生だから、未成年だから許されることではなく、ご指摘下さった方も優しい言い方をしてくださいましたが、本来ならもっと酷い言い方をされてもおかしくないものでした。

生半可な覚悟で創作をした結果、同じ界隈にいる方にも迷惑をかけるかもしれないそんな事態になってしまいました。
幸いなことにまだ一人の方からしかご忠告の文は送られていないのですが、有難くも5000人の方に見て頂けている身として、何の対策も取らないわけにはいきません。

応援してくださっている方々や不快な思いをさせてしまった皆様、大変申し訳ございません。
どちらを取るにしても、少し猶予を頂かなければなりません。
故に、書きだめが尽き次第更新は止めます。

私が至らぬばかりに皆々様に迷惑をかけるだけでは飽き足らず、このような事態を招いてしまいました。
本当に申し訳ございません。
今回のことでどんな言葉が投げかけられたとしても、甘んじて受け入れるつもりです。
それで許されるなんて思っていませんが、せめてもの償いとしてコメント閉鎖などの逃げに走ることは致しません。
TwitterのDMやリプライでの言葉も、全て目を通し、可能なら返答も致します。

この度は本当に申し訳ありませんでした。

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『なんッで……なんで、ババアがもう一人ここッにいやがる?喋れるババアは一人だッけで、あとのババアと同じ面の奴らァ俺様の命令なしじゃ……』
『何事にも例外はある。儂は……そうさな。ガー坊の知る『聖域』の代表格を演じるリューズがこの場所の監督役だとすれば、儂は『聖域』の機能の管理者じゃ。リューズ・メイエルの意思を継ぎ、この場所を守り続ける意思』
『つまりは、システム的な『聖域』解放の反対派ってわけだ。リューズさんの中に、ガーフィールを唆した反対派がいねぇのはおかしいと思ってたんだよ。その役目をこっそり引き受けてたのが……あんたってわけだ。――リューズΩ』

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「……なるほど、複製体があんなにいるのだから、こういう個体がいるのも想像しておくべきだったかもしれないね」
ユリウスがそう言って悩ましいと言いたげに目を伏せる。
「そうだね……スバルはずっと忙しく動いていたし、気づかないのも仕方ないとは思うけどね」
ラインハルトがそう苦笑する。

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『そうやって自分の正体をポロポロこぼしてくれてるのはいいけど……どしたの?ここまで隠し玉扱いでこっちの予想の裏側を走りっぱなしだったのに、なんでまた急に姿を見せるようなことをし出したんだよ』
『まず、スー坊とガー坊の和解で、儂の存在が露見したことが挙げられる。事実として掴まれたわけではなかったが、『いるかも』と思われた時点で儂の負けじゃからな。こうして大人しく、裁かれようと思って顔を出したわけじゃ』
『ゲリラ戦術だろうとなんだろうと、邪魔する気ならなんだってできたはずだ。そうするためのジョーカーが、Ωさんの役割だろ?ロズワールだって、そのためにここまでΩさんの存在をひた隠しにして……』
『そのロズ坊の態度が、儂がこうして大人しく出てきたもう一つの理由じゃ』
『ロズワールの、態度……?』
『今、部屋にこもっとるロズ坊の様子を見れば、儂が匙を投げたくなる理由も一目瞭然じゃろう。『聖域』の管理者として、儂が手を貸していたのはロズ坊に『聖域』を正しい形で運用しようという貫徹した意思があればこそ。……それがアレではな』

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「……ふぅむ、ここまで皮肉めいた言い方をされるとは……さすがの私も傷つくと〜ぉも」
「わざとらしいったらないのよ。傷ついたやつの顔には思えないかしら」
ベアトリスが顔を背ける。

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『これまでの行動はともかく、Ωさんには俺たちの邪魔をするつもりはもうないって思ってもいいんだよな?』
『正しい運用という観点に則れば、まだまだ口出ししたい部分は大いにあるがの。『聖域』の解放はリューズ・メイエルの願いとは違うが……これもまた時代よ。時代が『聖域』という場所を必要としなくなるのなら、儂の役割もまた不要なのじゃろう。ここまで励んできたのは、置き去りにされたくないが故の意地のようなものじゃよ』
『意地、上等じゃァねェか。そりゃ大事なもんだぜ、ババア』
『俺様もだ。俺様も、Ωババアとおんなじ意地を張ってた。んや、Ωババアよりッも性質の悪ィようなやつだ。でも、大将が力任せに、数任せに砕いてくれやがった。何クソと正直思ったがよォ……今は、どっかスッキリしてやがッぜ』
『大将は言いやがったよ。『聖域』の結界がなくなっても、俺様たちが暮らすッ世界が消えてなくなるわけじゃァねェ。『聖域』がなくなって、外の世界のどこもかしこもが『聖域』にッなるんだってなァ。そこでなら、また俺様にもΩババアにもやれることがあっさ』

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「意地ですか……確かに、それは大事な事ですな。意地を押し通してこそ、男として生まれた意味があると言えましょう」
「そうなのですね……」
クルシュがよくわからなそうに首を捻る。
口に出すことは無いが。

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『おーぉや、スバルくんじゃーぁないの。よく、きたね。忙しいところだろーぉに』
『大将……』
『なーぁんともまあ、丁寧に飼い慣らされたもんじゃーぁないの、ガーフィール』
『その変わり身の早さには驚きだよ。そうしてスバルくんを庇うということは、君もまたスバルくんと愉快な仲間たちの一員に加わった、というわーぁけだ。長く長く、君の意思という意思を縛り続けてきた母への愛情を簡単に破り捨てて、ね』
『ロズワール、それは違う。ガーフィールは何も、想いを違えて俺たちに味方しようってなったわけじゃない。ただ、少し考え方を変えて……』
『そーぉれが、安っぽいと言っているんだよ。大勢に囲まれて殴り倒されて、説教されたぐらいで立つ瀬を変える。ケンカに負けた程度で揺らぐ気持ちだというのなら、君の想いはその程度のものだ。簡単に変えられる程度の、薄っぺらいものだ』
『ロズワール!』
『訂正しろ!お前に、ガーフィールの気持ちを馬鹿にする資格があるもんかよ!』
『柔いものを柔いと。脆いものを脆いと。そう言うことに咎められる理由があるのかーぁね?過剰な反応はかえって私の言葉の真実味を強めるだけだよ。安っぽい想いを、安っぽい絆で肯定しようとする三文芝居だ。本当に……見るに、堪えない』

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「……」
フレデリカの眉が顰められる。
別に、口に出して糾弾しようという訳では無い。
思想の違いはこの数時間で思い知った。
が、それでも不快感を隠すには強すぎるものだったから。
「……気分が悪いですわね」

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『てめェの言葉は、軽ィなァ、ロズワール』
『俺様が半端だって話ッてんならよォ、否定できやしねェよ。今朝までてめェ側だった俺様が、今じゃ大将の方についてんだ。変わり身が早ェってそしりも受けてやらァ』
『思想の変節の次は開き直りかーぁね。それはそれは、君がこれまでに肯定してきた強さというものと、またずーぅいぶんと落差のあるお話だ。十年……決して短くない君の時間を、ほんの数日の邂逅で宗旨替えしてしまうと』
『それが安いと、そう言っているんだ。本当に愛しているのなら、想いは決して形を変えないはずだ。君の十年は、エミリア様の百年は、そんなに安く扱えるものなのか?』
『たかだか数日、君はスバルくんと接しただけだろう。その間にどれだけのことがあった? 愛したものへの想いと、匹敵するほどの何かを彼と積み上げたか?そんなはずがないだろう!愛したものに並ぶほどの想いなど、隣に何をどれだけ積んだところで届くはずがない!匹敵するはずがない!一番に何かを想うとは、そういうことだ!』

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「たかだか数日……ね」
オットーが僅かに声を落とす。
確かに、スバルと過ごした時間は僅かなものだ。
最も、スバルにとっては違うだろうが。
「……一番が一つで有る必要もないでしょうに」
欲張りなのは悪いことではないと──スバルと出会って、尚更思う。

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『賭けの内容を覚えているか?君が持ちかけた賭けだ。あの賭けによって自らの最大の優位性を縛って、只人となった君に何ができる? 何もできはしない。なぜなら君は……お前は、只人以下の劣等だからだ!』
『お前が万象への切り札となり得るのは、あくまであの力があるからだ。それを自ら捨てて只人となり、限られた時間の中では人並みに足掻くことすらできないだろう!誰にも!同じ時間を生きるのなら、月日が刻み込んだ想いを越えることなどできはしない!できては、ならない!』
『十年と、百年と、そして私の四百年だ!それを他でもない、只人のお前にひっくり返されることなどあってたまるものか!』
『想いは、変わらないものだからか』
『そうだ!』
『長い長い時間、抱き続けてきた想いだからか』
『ああ、そうだ!』

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「劣等……」
エミリアの顔に歪みが生まれる。
「スバルにこんな言い方……私、すごーくいや。」
「ベティーもなのよ。スバルが特別でないというのは肯定しても……劣等なんて言い方は、看過できないかしら」
ベアトリスの可愛らしい瞳がロズワールを睨みつける。
ラムはそれを静かに見ていたが。

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『どうしてお前は、想うことの弱さばっかり見てるんだ。誰かをずっと想うことが強い気持ちだってわかってるなら、どうしてその考えの弱いところばっかり見てる』
『――私が、それを信じているからだ』
『お前が!そうして誰かの強さを信じて、期待するように!私は、誰もが弱いままだと信じているからだ!弱くて、脆くて、たった一つの大事なものに縋る以外に、想いを遂げることなんてできないちっぽけな存在だと、そう信じているからだ!』
『四百年間、私は一人の女性のことがずっと忘れられない!共に過ごした日々よりもずっと長く、触れ合えない時間を過ごしてもなお、その姿が胸の奥に焼き付いて離れない!あの別れの日に心は粉々に砕け散ったまま、私は何も変わっていない!!』
『楽だっただろう?十年間、自分の内側にある『想い』の叫びに耳を傾けて、それを頑なに信じて過ごし続けることは、誰かを想い続ける自分に浸ることができただろう?』
『――!てめェ……』
『それでいい、それでいいんだ。誰もがそうであるべきなんだ。人は誰しも、孤独でなど生きられはしない!誰かを想い続けて、生きる。それだけでいい……なのに、どうして想いを変えようとする。裏切ろうとする。愛しては、いなかったのか!?』
『違う!俺様ァ……!』
『何がお前を変えた!?鍛え続けてきた肉体が戦いに負けて、寄る辺を失ったとでもいうのか!?牙をへし折られた程度のことで、曲がる想いがお前の十年間なのか?ならばお前の十年間に泥を塗り、唾を吐いたのは他でもないお前自身だ!』

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「……それって、結局愛を理由に現実逃避してるだけじゃにゃい。愛してるなんて便利な言葉で……」
王都での、エミリアがスバルに吐いた言葉。
あれと本質は変わらないのだろうか。
「……ほんと、いやになるね」

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『ロズワールよォ。頭の悪ィ俺様にゃァ、てめェの言い分はわッけがわッかんねェよ。四百年がどーの言われッても、てめェも三十いってるかいってねェかの若僧だろッが。俺様がその半分ぐれェってことを加えても、だ』
『それになァ、俺様ァ別にケンカに負けッたから大将についてるわけじゃァねェよ。ケンカに負けたってなァ、確かに堪えたッけどな。てめェの言う通り、俺様の意固地だって十年の肝入りだ。そんぐれェでひっくり返せるほど、おつむも柔らかくねェ』
『それならば、どうしてお前は今、ここに立っている……』
『大将が……っつーか、ラムか。ケンカに負けた俺様に言ったんだよ。墓所に入って『試練』を見てこいってなァ。だから、十年前の気持ちの始まりを、十年越しに見てきた』
『な……!?馬鹿な……お前が、お前が過去ともう一度、向き合えるはずがない!』
『はずがねェなんて言われッてもな。できちまったもんはできちまったし、見てきたもんは見てきちまった。そんで、わかっちまった』
『俺様が何をわかったのか……てめェにゃァ教えてやんねェよ。勿体なくってなァ』
『なんだと……!?』
『ただ一個だけ、俺様が大将についてる決定的な理由ってやつを教えてやらァ』
『弱ェ弱ェそのまんまでいろって信じられッてるより、お前は強いから必要だって言われる方につきたくなるに決まってんだろッがよ』

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「……ああ、そうだね。それは自然な事だ」
ユリウスが、酷く優しい声で言う。
「弱い弱いと言ってくる相手よりも、お前は強いから頼りにしてると肩を叩いてくれる相手の方が好ましいに決まっている。ああ……当たり前だ」
それを自然にできるところが、彼の美点だとユリウスは思う。
「期待しているよ……スバル」

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『ガーフィールは過去を見た。その結果、立つ瀬は変えたかもしれないけど、それで十年間、家族を思いやってた気持ちが弱くなったり揺らいだりしたわけじゃない。想いの強さは変わらないまま、それでもあいつは変わったんだ。それは、信じられないのか?』
『お前だって、同じだ。俺たちは何も、お前がずっと抱え込んでる誰かへの気持ちを捻じ曲げろなんて言うわけじゃない。ただ、気持ちの示し方を変えてほしいだけだ。他の何も犠牲にしない形になら、俺たちだってお前に協力する』
『……それが、私には我慢ならない。それにガーフィール一人、気持ちが変わったからなんだというんだ。私と君にとって、肝心要の一人はまだ残っている』
『エミリアだって、お前の思惑通りにはなりゃしない。あの子は、乗り越える』
『越えられるはずがない。自分の抱える後悔に押し潰されて、『変われる』なんて大望を抱いたことを悔やみ、泣きじゃくって君に縋る……それが、お似合いだ』
『泣き顔が似合う女なんているわけねぇだろ。ましてやお前、エミリアの泣いてる顔を見たことあるかよ?』
『あんなヘタクソな泣き方する女、俺はいっぺんも見たことねぇよ……!』

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「下手くそな、泣き方……」
それは、幾度も失敗した墓所でのことを指すのだろう。
「……泣くのが上手いって、よくないじゃない」
そう言って、エミリアは眉を下げて不器用に笑う。
「……スバルったら、ほんとにおかしなこと言うんだから」
その瞳には、晴天の如き澄んだ──。

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『傷付けられて、貶められる、それが彼女たちハーフエルフの宿命だ。『嫉妬の魔女』と同じ出自は、生まれながらに背負った呪いだ。『魔女』と蔑まれる、必然だ』
『ふざけるな、あいつのどこが魔女だ。お前らの言う魔女なんて、どこにもいるもんか』
『あの子が『魔女』だって言うんなら!お前らが、よってたかってあの子を『魔女』にしちまうんだろうが!弱いのが当然で、蔑まれるのも当たり前で、どうしようもない生まれが原因だなんて言い続けて、お前らがあの子を『魔女』にするんだ!』
『誰か一人でも、あの子に言ってやったことがあるのかよ!?苦しいときや、悲しいときは泣いてもいいんだって!流した涙が拭えないなら、傍にいる誰かが拭いてくれるんだって!そうしてくれる誰かがお前にもいるんだって、誰か言ってやったことがあるのかよ!?』
『誰もあの子に味方しないことが当たり前の世界なら、そんなもんは俺の存在が変えてやる!四百年の呪いが変わらないものだって、そう信じるお前に教えてやる!』
激情に瞳を見開くロズワールの前で、スバルは右手を天に突きつける。奇しくもそれは、今まさに『試練』に挑むエミリアが、自分に悪意の言葉をぶつけた魔女へ見せたものと同じ姿勢で――、
『俺の名前はナツキ・スバル!銀色のハーフエルフ、エミリアの騎士!』

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「……ぁ」
スバルは、酷く真っ直ぐに言いのけてしまう。
エミリアに嘗て向けられたものとはまるで違う、暖かい言葉を。
その事実に、エミリアはまた泣いてしまう。
「……そんなこと言うの、スバルだけなんだからね。私の味方、なんて……っ」
そうある世界に抗うなんて、他の誰も──それこそ、パックくらいしか言ってくれないだろう。
「大丈夫よ、スバル。私は……あなたが信じてくれる、私をすごーく信じてる。」

「……スバル」
ユリウスは、彼の在り方に感銘を受ける。
エミリアに向けられる矢を、投げられる石を、彼は軽々と受け止めて「さぁ行こう」と、手を取ることをしてしまうのだ。
「……君は本当に、凄いな」

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『エミリアはくるぜ、ロズワール。お前が頑なに弱いと信じるあの子が、お前の最後の望みを断ち切りにやってくる』
『できる、ものか……』
『そうやって、お前の縋りつく弱さを一つずつ剥がされて、最後に残ったお前に語りかけたら……やっと耳を貸してくれるって信じてるぜ』
『……たとえ、誰がどうであろうと、私の想いは揺らぎはしない』
『雪は、降らせる……』
『好きにしろ。俺は、お前の目論見を執念深く全部叩き潰す』
うわ言のように呟くロズワールに応じて、スバルは部屋の外へ向かう。ガーフィールの物言いたげな視線に顎を引いて、彼を伴って部屋を出た。最後、ガーフィールは部屋の中に残るロズワールを見て、その取り残される彼の姿に何を見たのか、ぼそりと小さい声で、
『バッカ野郎が』

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「……この期に及んで、信じてる、ね……スバルきゅんは甘すぎるよ。」
フェリスがそう吐き捨てれば、ヴィルヘルムとクルシュが無言の肯定を返す。
「……不憫な」

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『ヤバい。屋敷の襲撃を止めさせようとしたのに、かえって後に引けない感じに追い込んじまった』
『雪降らせるとか訳わッかんねェこと言い出してやがッしな。まともに話が通じるッようにも見えなかったからなァ……大将のせいでもないんじゃねェの?』
『いや、完全に不必要な追い込みだっただろ。部屋に入った時点で、ロズワールがちょっと正気じゃないのはなんとなくわかってたのに、何やってんだ、俺?』
『それしたせいで、最重要案件が一個抜けた……』
『だァから、へッこむんじゃァねェよ。俺様も聞いてて大将がどうする気ィなのか気にならなかったわけじゃァねェけどよォ、言い切ったことに間違いァなかったぜ』
『そりゃま、そのつもりだが……』
『それにアレだ……あの啖呵、格好良かったしな!』

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「……うん、スバルはかっこいいわ。あんなこと言えるの……スバルしかいないって思うの」
「怖いもの知らずの向う見ずだけど……悪くはなかったと思うわ」
珍しいラムの肯定にエミリアが目を開き、笑う。
「うん、やっぱり。」
スバルには、人を導く才がある。
それ以上に、弱いところも知っているけど。
「──私のスバルは、すごーく強い!」
それでも、エミリアの結論はそう導き出した。

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『――ナツキさん!ガーフィール!』
『辺境伯との話し合いは終わったみたいですね。首尾はどうでした?』
『ああ。きっちりケンカ売ってきた』
『そういう趣旨で出向いたんでしたっけねえ!?』
『よォ、兄ちゃん。あんッまり大将を責めてやんなや。大将なりに気合いの入ったいい啖呵だったぜ。俺様ァ、聞いてて気分がよかった』
『あんたら何しに行ってたのか覚えてますか? 笑い話になりませんよ、これ』
『確かに話し合いはこじれちまったがなァ。もッともと、次善の策だろうがよォ。――ロズワールの屋敷の問題ァ、どうにッかしてやらァ』
『全ッ部、俺様に任せろ。――俺様ァ、最強だぜ』

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「……ふふっ」
「何がおかしいんだァ?姉貴」
「いえ……」
フレデリカは前を見て、なおも言う。
「最強が何たるかを、再確認しただけですわ」

Comments

  • レイラ
    Mar 31st
  • shin

    別に収益化してないし大丈夫だと思います。あなたの作品はとても面白いです。

    December 29, 2025
  • チョコチップスコーン

    初めまして!いつも楽しく読ませて頂いています! 僭越ながら、収益化しない二次創作ですので気にしすぎではないでしょうか。私はずっとこういう話が読んで見たかったのですごく感謝しています!! これからも応援しています!

    June 27, 2025
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