即死は幸運
次の話ガーフが見たら舌噛み切って死にそう
とうとう大兎のターンきて大歓喜
うれしい
ロズワールボコボコにされそう
次のリゼロ見たらスバルくん推し増えそうで嬉しくて嬉しくて
一期の一話から王都での喧嘩を見てもなおスバルくんを愛しているので本当に嬉しいです。
⬇️気持ち悪い事言ってます⬇️
最近ミマガウifのことしか考えられないくらいずっと読んでます。
ミマガウスのいいところって原作と自己犠牲の精神とかそういう危ないところが一切変わってないから「女子高生が年上ハーフエルフ男のために痛い思いしながら最善の未来を導く」っていうどこのリョナ性癖漫画?みたいなところですよね。
腹裂かれるところもレウに拷問されるところも滾りましたけど、なんと言っても見たいのは大兎のシーンですよね。
女子高生が全身うさぎに群がられて穴という穴から食い荒らされるって字面にしたらほんとひどいな
あとシリウスに首吊るされるとこも見てぇ…!!
あそこ失禁してるのがいいですよね。
ミマガウスならまた違った反応があるのかな…とか考えてみたり。
記憶失ってレイドにボコられてるシーンとか「神様許してください」のシーンはもう無理ですよ。天啓。
スバルくんって『ウザイ男』(思ったことないけど!)っていうレッテルがあるから「まぁ…ぎり…?」っていうラインで何とか見れますけど『ウザさがナーフされてる女子高生』ってなるとほんとにただただ辛いだけですよね。
トッドさんのシーンとか、えぐい事になると思います。
今考えたら、スバルくんって結構失禁するからミマガウスも結構失禁するのかな…
トッドさんにリスキルされて「なんで…なんでぇ!!」って言ったりロリ化したり男装するんですよ?
もう性癖クラッシャーすぎて笑いますよね。
スバルくんを好きな人ってどこか仄暗いというかはっきり言えば劣情を抱えてると思うんです…
だってスバルくんの死体定期的にバズるし。
レムの胸とスバルくんの死体どっちが興奮するかって言われたら死体じゃないですか?
いやほんとにごめんなさい気持ち悪いと思うんですけど、最近もうダメです
スバルくんのことが好きすぎて嫉妬の魔女になりそう。
今ならあの子の気持ちわかりますよ
そりゃ2人だけの秘密話されて心臓つぶしたくなりますよね
話戻しますけど、ミマガウスって『子供に好かれやすい』『家事が得意』『チョロい癖に愛が重い』っていう理想の女過ぎると思うんですけど。
スバルくんだけが性転換した世界だったらヒロインレースぶっちぎっちゃいますよね。
ごめんなさい長くなりました。
多分作者がこういうこと言うと嫌われるものだと思うんですけど、次回予告見てもう我慢できませんでした。
コメントがあんま良くないなーって感じだったら次から書くの控えるので!
ごめんなさい!
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『物理的な問題で結界は突破できても、精神的な問題であいつは結界を越えてこない……お前は、そういう風に思うのか』
『事実、姉である私の呼びかけに応じませんでしたもの。結界を出る寸前まではついてきてくれましたが、結局は私と行くより結界の中でお婆様と過ごすことを選んだ』
「リューズと……」
「...悪趣味ですわ」
『ロズワールの真意とかって聞いても大丈夫な話題?』
『旦那様はエミリア様を支援し、ルグニカの王になっていただくおつもりです。そのことに関しては疑いの余地なくと断言いたしますわ』
『そっから先はロズワール当人の許可なしに話せない、と』
『申し訳ありません。ただこれだけは……旦那様は、エミリア様やスバル様の味方です。王選を勝ち抜く意思をお二人が持っていられる限り、それだけは確かに』
「私の認識が甘かった...と言わざるを得ませんわね」
「...あァ」
『ロズワールの真意が話せないってんなら……『聖域』が実験場ってのはどういう意味だ?これはガーフィールが言ってたんだが』
『行き場のない奴らのふんづまり、とも言ってたな。行き場がないってのは、ぶっちゃけさっきの亜人関係の話の流れで想像はつく。ロズワールが亜人趣味だなんて呼ばれ方して、『聖域』に行き場がないハーフたちを住まわせてるってのも。けど』
『そもそも、『嫉妬の魔女』じゃないにせよ魔女と関係性がある施設を代々預かってるってのが知れたらわりと事なんじゃねぇのか。資料は残ってないとか云々聞いてるけど、事実として墓場まで残ってるとあっちゃ』
『……もともとあの場所は、『強欲の魔女』がとある実験を行うためにハーフたちを集めた隠れ里です。土地の所有者であった当時のメイザース家と魔女がどのような交渉を交わしたのかは不明ですが、その契約を理由に代々、メイザース家は『聖域』の管理と維持をするようになったとか』
『全部が全部、あの場所にいたいって主張してるハーフばっかりじゃないみたいだけどな。実際、リューズさんに従って『聖域』の解放を望んでる連中が多数ってことはそういうことなんだろ?』
『……亜人族に対する偏見の目もだいぶ薄れましたわ。私や弟が『聖域』に入ったのも、この血が理由というよりは純粋に居場所がなかったことの方が比重としては大きいですし。いずれ『聖域』の解放は成る。――だからこそ私は』
『俺の勝手な思い込みかもしれないけど……ひょっとしてフレデリカが『聖域』を出たのって、『聖域』が解放されたあとのことを考えてか?』
『……どうして、そう思いますの?』
『ガーフィールの本音隠しが姉にも共通項だったら、行いの裏側が照れ臭いぐらい思いやりだらけでもおかしくない。お前さ……いつか『聖域』が解放されたとき、出てきた人たちが困ったことにならないように、その場所作りのために出てきてんじゃないのか?ここで働いてるのって、もちろんロズワールへの恩義もあるだろうけど、それだけじゃないんじゃないか。……ってな風に思ってみたりするんですが』
『新しい世界がいずれ開かれたとき……その場所に手を引いてあげられるようにしていたかったんですの』
『あの場所に育ててもらった私が、今度はあの場所から出てくる思いを育てられる環境を作りたい。その環境を作る手助けの一つでもできれば、私が……望まれずに生まれたかもしれない私が生まれた意味がきっとあるんじゃないかと』
『経緯が経緯、母が望んで私を身篭っていたとは到底思えません。事実、母は私も弟も『聖域』へ捨てて行きました。それが答えで……でも、その答えだけで話を終わらせたくなかったから、私は今ここにおります』
「フレデリカ……」
「エミリア様、そんな顔をしないでくださいまし。私はもう大丈夫ですわ」
『長話が過ぎました。一度、区切りといたしましょう。スバル様は今後は?』
『もともと、アーラム村の人たちを村に戻すのに付き添ってきただけだ。聞きたいことが聞き出せたらとっとと戻る……って言っても、今日は厳しそうだから明日の朝ってことになるだろうけど』
『そうですか。でしたら、今夜と明日の朝はペトラが張り切りますわね。注意力が散漫になりそうなことを思うと、それがいいかどうかは難しいところですけれど』
「...早く出ているのだから、エルザが来ることはない……はず、ですわね」
「...そう、甘い気はしないかしら」
『っかしいな。これで屋敷中の扉は全部回ったはずなんだが……』
『あんにゃろ、どうも本気で俺を避けてやがるみたいだな』
『最後の別れ方があんなんだからって、ここまで気合い入れて引きこもることねぇだろうよ。……顔見せてくれなきゃ、ケンカも謝るのもできやしねぇ』
『パックもベア子も、肝心なときに話の一つもさせちゃくれねぇのかよ』
『エルザに対する苦手意識が強すぎるのかもな。……三回も殺されてりゃ当たり前の話だけど。――と』
「...肝心な時に、べティーはいつも無力かしら」
いつもいつも、と次ぐ。
「...ベアトリス……そんなこと、」
慰めが不要なことはわかっていた。
『お手上げか……ヘタすると、この部屋の中にない可能性もあるしな』
『部屋の中にないって、なにが?』
『そりゃもちろん、隠しスイッチ的なサムシングだよ。書棚の裏の隠し通路を覗き見したいのに、それが見つからなきゃ話が進まなくってさぁ』
『あ、逃げ道のことだ。それならね、こっちの像なの』
「ペトラちゃん!」
「...合流した、やはり、この地点では無い……?」
フレデリカの眉間に皺が寄る。
しばらく二人の会話が連なり、扉の前へ。
『当たり前だけどトラウマスイッチは入らずに済んだか。とりあえずここまでで、山小屋までの道は三分の一ってとこか?』
『風が冷たい……あの扉の向こうかな』
『前回はドアに触ったところでガメオベラしてっからな。こっから先は完全に知らない場所だけど……まぁ道なりに見てみて』
『――ぁ?』
じわりと、衣服に血が滲んだ。
『さあ、約束を果たしましょう――』
「...エルザ……!」
エミリアの瞳が大きく開かれる。
「スバル!逃げて!」
伸ばされた腕は、何も掴むことなく。
シャマクを発動し、ペトラを逃がそうとする。
『ぎっ……あがっ!?』
右肩から首に、釘が刺されていた。
『最悪……だ!』
ペトラの腕を引き、逃走する。
「...っ酷い……!」
「ロズワール、お前は」
「...ベアトリス」
「...喧しいのよ、べティーは我慢強い訳じゃないかしら」
ベアトリスの拳が、強く握られた。
『――バル様!!』
『ふれで……』
『喋らないで!この傷は……なんてひどい』
『侵入者、のようですわね』
『屋敷へ。上り切ったら合図を。私も離脱します』
『その傷ではどの道、足手まといですわ。――ペトラを、お願いします』
足を引きずり、後ろ髪を引かれながらもスバルは上階目指して階段を駆け上る。
上り切り、荒い息を吐きながら絨毯に膝をつく。
そしてその崩折れた態勢のまま避難経路に首を突っ込み、階下に向かって声を上げる。
構えるスバルの耳朶をふいに打ったのは、すさまじい衝撃と崩落が巻き起こす膨大な破砕音。
落下する建材が互いを打ち壊し合い、濛々と噴煙を巻き上げて激震が屋敷を震わせた。
何事が、とスバルは彫像の傍を離れて再び抜け道へ。
そして中を覗き込み――ついさっき、駆け上がってきた螺旋階段が跡形もなく崩壊しているのを見た。
「...うそ、どうして」
「これでは、助かりようがありませんわ」
フレデリカは、記憶にない己の死を悼む。
『ぺと、ら……?』
ぐるりと首を巡らせて、スバルは部屋の反対――彫像のあたりにペトラの姿を見つける。倒れ込む少女は横倒しになっており、どうやらさっきのゴタゴタの際に手を離してしまっていたらしかった。
ぐったりとしている少女は意識がないのか、呼びかけへの反応がない。
恐怖と疲労感の極地で、意識を保つことができなかったのかもしれない。
――倒れた少女の首裏から後頭部にかけて、曲刀が突き立っているのが見えた。
傷口から大量の血が滴り、割れた後頭部から脳の一部がこぼれ落ちている。
栗色の柔らかな髪が鮮血に重く染まり、柔らかく温かな掌はもう動かない。
右手を持ち上げる。
指三本と腕の半分を失った哀れな肉の塊。
この腕を差し出して止めようとした曲刀が、そのままペトラを襲っていたのだ。
これだけ差し出して何一つ、守り切れてなどいなかった。
「...ぃ、スバル!」
エミリアの悲痛な悲鳴が響く。
ベアトリスの瞳が見開かれ、握られた拳は振り上げられる。
「...ベアトリス様!」
ラムの声が響く。
「...分かってるかしら、でも...これは!」
空気が冷えていく。
それはもう手遅れな程に。
『れむ……』
寝室へ、向かう。
『――置いていくなんてひどいと思うのだけれど』
『その傷でよく、ここまで歩いてこれたものだわ。感心するわね』
『おひねりくれるがよ。お前の命でいいぜ……』
『それはお前の人生が欲しい、という求愛と思っていいのかしら』
『ずぐ踏み潰じでいいだら寄越ぜ……』
『血の香り、怒りの匂い、『死』の芳香……ああ、どれもあなたは極上だわ。あとはその腸が、私の好みなら言うことなし』
『異常者が……なにいっでんだがわがんでぇよ……』
『あなたと話しているのもいいのだけれど……目的を見失って怒られてしまうのはごめんなの。王都で会った、精霊と半魔のお嬢さんはご在宅でいらっしゃる?』
『くる前に電話一本入れてぐれれば、手間が省げだのにな。傭兵団雇っで、盛大におもてなしもじでやっだぜ』
『答えるつもりはない。それなら、腸に聞くのが一番でしょう』
『ずぐに、俺も……』
死に戻れば、何とか。
『――え?』
――書棚の立ち並ぶ禁書庫が、終わりを覚悟したスバルを迎え入れていた。
「...!これは」
ベアトリスの瞳が痛ましく揺らぐ。
「な〜ぁるほど、これは……」
スバルにとっては何よりも。
『禁書庫……!?』
『――いくら出ようと足掻いても無駄なのよ』
『ベアトリス……』
『ずいぶんひどい有様かしら。書庫の床が汚れるから、あまり動き回らないで……』
『どうじで、今ざら姿を見ぜだ!?どうじ、で!今、だんだ!?戻ぜ!早ぐ!今!ずぐにぃ!!』
『……戻ってどうなるというのかしら。その無様な傷で戻って、いったいなにができるのかベティーには全くわからないのよ』
『書庫に入っで、『扉渡り』が起ぎだんだら……あの殺人鬼が、部屋に……っ』
『もう、遅いのよ』
『お前があの部屋に戻りたいと思っている理由は、たった今、なくなったかしら』
『傷、見せるかしら。痛々しくて、見てられないのよ』
『元の太さに戻るのは時間がかかるし、なにより失くした指は戻らないかしら。……腰と、右肩の傷も』
『嫌々だけど、仕方なく傷の治療をしてやってるのよ。この屋敷でここまでの傷が治せるのはベティーだけかしら。感謝するがいいのよ』
『放っておけば命に関わる傷かしら。別段、お前が生きようと死のうと知ったことじゃないけど、ここで死なれるのだけはごめんなのよ』
『傷の治療なんでいらねぇ……っ!死ぬも生ぎるも無関係だら……お前、なんで俺を助げようどずんだよ!?』
『それは……お前があんまり無様で、見てられないから……』
『なんで……なんで俺なんだ!?助げようっで、そう思っで動き出じでぐれるんなら、なんでペトラを……フレデリカを助げでぐれながっだ!?お前のこの力があっだら、戦わなくても逃げるだげでも……やりようなんがいぐらでも……!』
『助げられだはずだ……!俺が馬鹿で、俺が弱ぐで……俺じゃ届かながった場所にお前なら届いたはずなんだ……なのに、どうじで……』
『どうしてベティーがそんなこと……ベティーに、お前の言う三人を助ける理由なんてないかしら。知らない。そんなの、知ったことじゃないのよ』
『どうじで助けた!?どうじで救っだ!?気まぐれか?ぞれならどうじて俺だけなんだ、俺の他の三人となにが違う!レムはずっといい子で、フレデリカだっでやりたいことがあっで……ペトラはまだ小さかった……みんな、俺よりずっど……!生きる理由が……価値があっだんだ!』
『価値?理由?そんな後付の自己満足、どうしてベティーが尊重してやらなきゃならないのかしら。思い上がるのも甚だしいのよ、ニンゲン!』
「...こんな、こと...べティーは」
ベアトリスの瞳が、悲しみに溺れる。
「どうしてもう取り返しのつかない過去を……こんなに!」
怒りのままに拳を握るが、怒りのぶつけ先など、もう。
『気まぐれでもだんでもいい……俺を、俺を救う気がお前にあるなら……俺を助げるつもりが欠片でも残っでるなら……今すぐ、俺を……殺じでぐれ……っ』
『わからない、わからないのよ。お前というニンゲンがわからないかしら。どうしてそんな……今、命があるのにそんなことをどうして言い出すのよ?』
『命救うだけが救うじゃねぇだろう!?命あるごどが、今俺には苦痛だんだよ!あるべきじゃない、いるべきじゃない……俺をお前が救っでぐれないっで言うなら……』
舌を、噛みちぎる。
『――んて、ことを!』
『……やぁ。置いて、いかないで……』
「すば、スバル...」
ベアトリスの声が震える。
「べティーは、どうして……こんな」
「...ベアトリス...」
エミリアの瞳が、痛ましく開かれる。
『う……?』
『頭、痛ぇ……』
『それも、剣山のオマケ付きの悪辣なやつだ……』
『またなにも知らん顔して、エミリアに接しなきゃいけないのは辛いけど――』
言いながら、スバルはそれまで霞んでいた視界がクリアになり始めるのを認める。
饐えた匂いに鼻を鳴らして、まずはエミリアの姿を探さなくては。
そう考えて、軽く額に右手をひさしのように当てて、ようやく気付いた。
――己の右手に、三本の指の欠損がある事実に。
『な――!?あ!?』
『禁書庫……どうし、て……』
『――ようやくお目覚めかしら』
『お前が馬鹿なことをするから、本当に苦労をさせられたのよ。腕の傷も、肩も腰も舌も、みんなまとめて癒してやったかしら。不都合はないはずなのよ』
『命を拾った事実に言葉もないかしら。まあ、これに懲りたらもう馬鹿なことをしたりしないで……』
『お前は……自分がなにをやったのか、わかってんのか?』
『は……?』
『誰が助けてくれなんて――そんなこと頼んだんだよっ!!』
『自分がなにしたのかわかってるのか!?お前のせいで、なにもかも台無しだ!なにもかもが、どうにかできるはずのなにもかもが、お前のせいでご破算だ!どうして死なせたままにしてくれなかった!?生き残って、それでどうなる……どうなるってんだよ!ええ!?』
『気まぐれに助けて、傷の治療もしてやって……それでお前は満足か?感謝してほしいのかよ!ああ、ありがとうよ!おかげで命が助かったよ!命以外のなにもかも、全部落っことしても、命だけは助かったよ!』
『べ、ベティーはただ……ただ……』
『この期に及んでなんだよ、感謝の言葉なら尽きねぇぞ!?いつもみてぇに余裕ぶっこいた澄まし顔で、当たり前みたいに俺を見下せよ。得意なんだろ?好きなんだろ?人間風情を、見下してせせら笑うのがさ――ぁ』
ベアトリスの瞳から、涙が零れる。
『違……わ、悪い。そんなこと、言うつもりじゃ……お前が、悪いわけじゃ……』
誰かが悪いとするならば、悪いのはスバルなのだから。
『ごめん。傷、治してくれてありがとう。でも、俺はすぐに……』
「...ぁ、…どうして...べティーはもうスバルの心を癒すことなんてできないのに……今更、どうして」
「...もう、やめてよ……」
エミリアの瞳から、一筋の涙が溢れた。
心はもう、とうに。
『だって『福音』は、竜車の中に……手元に、書庫にあるわけ……』
『なんでお前がそれを、そんな大事そうにしてるんだ?』
『それは、魔女教の奴らが持ってた本……じゃないのか?じゃないよな?すげぇ似てるけど、違うもんだよな?見た目そっくりで誤解を招きそうだから、俺にそう思われないようにわざわざ遠ざけただけだよな?だよな、俺って早とちりしやすい性質だし、思い込み激しいし、口は悪いし目つき悪いし性格も歪んでるし……』
『なぁ――否定、してくれよ』
『お前が想像している通りなのよ。……これは福音。お前が言う、魔女教の奴らが手にしているものと同じ、幸いへの導。生きる拠り所。ただ一つの真実、かしら』
『ど、どうして……そんなもん持ってる?どこで売ってんだ?み、未来を教えてくれるとかラッキーアイテムすぎるだろ。リアル人生に攻略本ありとかどんだけゲームバランス崩すんだよ……なあ、オイ』
『……その質問に答えるように、ベティーは指示されていないかしら』
「...指示を待ってばかり……!どうして!」
涙を堪えるような声が出た。
ベアトリスの心は、エミリアの心は。
皆の心は、もう既に磨り減っていた。
当たり前だ。
太陽は沈んだのだから。
『なにもかも、その本の言う通りじゃなきゃできないってのかよ!?』
『……そうかしら。そうなのよ。なにもかも全て、福音の導に従うかしら。そうすることがベティーの生きる意味で、そうするためだけにベティーはいるのよ』
『俺を……こうして助けてくれたのも本がそうしろって書いてたからか!?魔獣の森で死にかけた俺を助けてくれたのも!心が摩耗した俺を助けてくれようとしたのも!ふざけ合って、怒鳴り合って、馬鹿みたいにはしゃいだ時間も……全部、お前の意思なんてどこにもなくて……そうだっていうのかよ!?』
『だから……そうだって、言っているかしら!!』
『これまでベティーがしてきたことも、見てきたことも、言ってきたことも、全部ここに記されていたことかしら。お前が……お前なんかが、ベティーの心を動かせるはずがないのよ。思い上がるのもいい加減にするかしら、ニンゲン』
『ベティーはベティーに望まれたことを、生かされている意味を全うするのよ。そのための命、そのための時間、そのためになにもかも費やしてきて、それだけをするためにこうしているかしら。……それを、お前なんかに、否定されてたまるかなのよ……!!』
『ベティーの全てはお母様のために!お母様との繋がりだけがベティーの全て!お前のことなんか知らない……知らない……』
『知らない。嫌い。嫌い。――大嫌い!』
『どうして……ベティーには、なにも……』
なにも記されていない白紙のページを前に、彼女の嗚咽だけが静かな部屋に虚しく響き続けていった。
「...っ」
ベアトリスが息をのみ、せせりなく声だけが響く。
「どうして……?」
「べあ、とりす」
エミリアが何かを言おうとした。
したのに。
「...ぅ」
言葉は、引っ込んだまま。
『――おぐぁ!?』
『ベアトリス……っ』
『俺はどうして……いつも……!』
『なんでお前が福音を……。お前、なんなんだよ……!?』
『……本当に、そうなのかよ』
『ああして笑ったことも、怒ったことも、俺を守ろうとしてくれたことも……全部なにもかも、筋書き通りの嘘っぱちだったっていうのかよ……そんなの』
『本の言う通りでもなんでも、俺がお前に助けられたことを覚えてる……それは変わらない事実で、俺だけが知ってる借りなんだから』
『あのとき……俺は、嬉しかったんだ』
『借りは返す。お前が俺に自分から貸したのか、それとも本の意思とやらを尊重したのか、それもわからないから……それを確かめて』
『……ここ、どこだよ』
「...スバル...」
「...待って、ベアトリス」
「...なにが、えみり……」
ベアトリスが涙で歪んだ視界で見たエミリアの横顔は、悲痛にも──
「聖域での脅威は、これだけじゃないでしょ……?」
「エミリア...?」
「エルザも、試練も、確かに何とかしなきゃいけなかった。でも、いちばん大変なのはそこじゃなかったわ」
「...ぁ」
ベアトリスの息が飲まれる。
スバルの怪我や言葉に意識を奪われていたから、普段のベアトリスなら当たり前に気付けていたのに。
「……大兎が、来るんじゃないの?」
『どこ、だ……ここ?』
『あ、朝……?』
『意識がなかった間に、か……!?』
『このまま、上書きセーブされるなんてことがあったら……!』
『――く、っそ!』
『今のが山小屋?持ち出し袋がどこに?そもそも……あれだけ放置されてる時間が長そうな場所に、なんの救済措置が置かれてるって……!?』
『せ、『聖域』!?』
『なん、で……ここに。『扉渡り』が、理由なのか……?』
『距離は関係ない……ってのか?いや、確かに一度、屋敷から村の厩舎まで転移させられたことがあったけど……』
『とにかく!今、『聖域』にいるってんなら……ロズワール!!』
『ロズワール!面ぁ出せ!てめぇに聞きたいことが、山ほどできたぞ!』
『白も切らせねぇし嘘もなしだ。隠してること全部洗いざらいぶちまけて……』
『……あ?』
『ロズワールたちだけじゃねぇ……みんな、どこ行ったんだ?』
『そんなはずが……』
『誰か!誰かいるだろ!?どこ行ったんだ!?』
『――エミリア!!』
エミリアの姿は、なかった。
『はっ……はっ……!』
墓所へ、向かう。
『いや……どの面下げて……』
『――か、ふ』
足を踏み出した瞬間、スバルは自分の体をなにかが通り抜けていった感触を得た。
ゆっくりと下を見る。
胸板の下、下腹部の上、胴体のど真ん中――そこにぽっかりと、丸い丸い拳大の穴が生じていた。
『ふ……ぇ?』
手を伸ばし、穴に当てる。
と、音を立ててその穴から大量の血が吹きこぼれる。
とっさに掌で塞ぐが、穴は体を貫通して背中側にも開いている。
両方を止めることはできず、ただでさえ血を失いすぎていた体が体勢を維持できずに倒れ込んだ。
『――――ぁ』
『――も、よわぃ』
音を立てて、咀嚼された。
「……ベアトリス」
「...エミリア、これは」
「大兎が……」
エミリアの瞳が、怒りに揺れる。
「...ロズワール、私...我慢強い方じゃないの」
「...え〜ぇ、知っていますとも」
「だから、大兎があなたの仕業なら……二回目は、許してあげられないかもしれない」
それは、実質の死刑宣告であった。
大兎による死は、一度では無いのだから。
この回を…待っていた…!