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苛烈な反抗/Novel by 春風

苛烈な反抗

5,409 character(s)10 mins

コラボイラストから徹底的にスバルくんがハブられているのに反抗するため、スバルくんグッズを片っ端から買うことにより需要があると示しています。
ですが、そもそもスバルくんグッズ売ってなくて詰んでます

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『俺を追い出す気かよ。まだなにも聞けてねぇってのに……これで俺が引き下がるだなんて、本気で思うのか!?』
『お前が聞きたいことを、聞きたい言葉を、どうしてベティーが話してやらなきゃならないのかしら。身勝手を……傲慢に振舞うのはやめてほしいのよ』
『ごうま……!――知ってることを、話してくれりゃいい!それ以上を俺は望まない!だから、お前の……』
『答えを聞きたくない心が、現実から目をそらしたい弱さが、自分の罪を見つめたくない利己心が、この禁書庫からお前の体を遠ざけるかしら』
『ベティーは……お前の都合のいい、道具じゃないかしら』
『お前が聞きたいことを、聞きたいときに、聞きたい言葉で、聞きたいように、聞かせてやるような……そんな都合のいい存在じゃ、ないのよ』
『お前の知りたいことはロズワールに聞くがいいかしら。――にーちゃもベティーも、お前になにも話さないのよ』
『……なんでお前、そんな泣きそうなんだよ』

「…べティーは」
「スバル…」
エミリアが涙を滲ませる。
スバルに全てを押し付けてしまったことが、酷く悲しくて。

『俺のいぬ間にエミリアたんとうきうきトークとか死ねばいいのに』
『無言で待つのも無為な時間過ごすのも僕の性質上無理なんですよ。というか、戻って第一声がそれとか正直どうなんです?不機嫌の八つ当たりをされるのとか、さすがに心外なんですが』
『わ、わかったような気になって人のこと見透かさないでよねっ。あんたなんか、油買い取って約束果たしたらそれで終わりなんだからっ。勘違いしないでっ』
『勘違いとか生じるようななにかが二人の間にあったみたいな言い方やめません!?』

「これは、スバルの口癖なのか?」
「よく言いますよねこれ」
「…これはツンデレかしら」
「そうだァ!」
ベアトリスの元気のなさを補うようにガーフィールが叫ぶ。
「元気だなこの人…」

『――ベアトリスとは、会えたの?』
『いや、これがダメだった』
『そっか。うん、でも仕方ないわよ。ベアトリスが扉渡りで行方をくらましちゃうと、どうやっても見つからないもの。私もラムも、一回も会えなかったし……』
『んにゃ、会うのはできたんだよ。でもご機嫌ナナメっつーか、アンニュイな気分だったんだか質問には答えてもらえなかった。間抜けな話だけどさ』
『……会えた、の?』
『冴え渡る勘が、あいつのいる部屋をばっちり教えてくれたんだよね。まぁ、会えても話運びのコミュ力が低すぎて目的達成しそこなったんだけど』
『前から思ってたけど、スバルとベアトリスって……仲、いいのよね』
『俺とベア子が仲良しとか勘弁してよ。不倶戴天だよ、出会ったときから。あいつ、初対面でいきなり俺のマナ吸い上げるような奴だぜ?最悪の印象が俺の中で切り替わるには時間が足りてないかなぁ』
『あんなに色々あったユリウスとは仲直りしてるのに?スバルってたまにそうやって、すごーく意味のない意地を張るのね』
『無意味な意地を張り通してこその男、みたいな勘違いをし続けてる痛い奴なの。プラスしていうとユリウスとは仲直りしてない。俺、あいつ、嫌い、ふぉーえばー』

「最悪の印象…」
「ベアトリス、落ち込まないで…私の方が…」
「2人とも落ち込まないでください!空気が…映像でただでさえ空気が重いのに」
ずん、と2人の空気が重苦しいものになり、オットーの胃が痛む。

『そういや、見かけないフレデリカはどこいったの?オットーと俺のエミリアたんを二人きりにしていくとか、判断ミスにもほどがあるんじゃね』
『私が誰のものかはまた別の機会に話し合うとして……フレデリカは今、客室のひとつを整えにいってくれてるわ。――レムさんを休ませる部屋の準備』
『そうなると、そろそろ竜車からレムを引き上げてこなきゃな。いつまでも放置してたら可哀想だし……そういや、さっきは悪かったな、オットー』
『いえ、別に気にしてませんよ。ナツキさんにとって……あー、色々とある子なんでしょうから。あんな状態で過剰になるななんて言えませんし』
『俺のレムにオットーの金で汚れた指が触れると思うとどうしても堪え切れなくて……本当に悪かった』
『本当に悪いと思ってない人の発言ですよねえ!?そして付け加えれば、今さっき別の女性を『俺の』って呼んだ人の口にしていい台詞じゃない気がしますが!?』
『お前をダシにして、エミリアたんに妬いてもらおうっていう俺の可愛い恋の駆け引きじゃねぇか。言わせんな、バカ』
『自分で言ったんじゃん!』

「オットーくんとスバルは…すごーく仲良しなのね」
「まあ、友人ですから…」
「ふふ、スバルったら」
「あっ、ちょっと明るくなった」
「…」
「こっちは暗かった!」

『スバルとオットーくんって、なんだかすごーく仲良しよね。知り合って、まだ全然時間が経ってないはずなのに』
『あれ、そっちに妬いちゃった!?エミリアたんとのことに比べたら、オットーなんて遊びだよ遊び。俺、エミリアたんと本気の火遊びがしたいな』
『なんで僕が捨てられる側なんですか。事実がどうとかじゃなく、そこが不満なんですが!』
『こんな風に笑ってていいときじゃないと思うのに、我慢できなくて。二人ってひょっとしたら、すごーく長い付き合いになるんじゃない?』
『流れの行商人だぜ? 用事が済んだらパッとお別れ……っていうか、俺以外にカップリング対象が決まってない男がエミリアたんに近づくとか俺が耐えられません』
『言ってる意味がわからないのにくだらないこと言ってるのがこの短期間の付き合いでわかる僕が嫌だ――!』

「かっぷりんぐ…?」
「男女の組み合わせのことなのよ、スバルが話していたかしら」
「あっ、立ち直った」
「いちいち水を差さないの」
「痛っ!ラムさん本気でやらないで!」

『――話には聞いていましたのに、驚きましたわ』
『わたくしの知る、ラムと顔立ちがそっくりですもの。違うのは髪の色ぐらい……双子、というのは本当のお話なのですわね』
『思い出が消えて半信半疑だろうけど、信じてもらえてよかったよ。性質の悪いイタズラじゃないって、そう思って思い出してくれたらなお嬉しい』
『スバル様。わたくしが連れていってもよろしいですのに……』
『やりたいんだよ、やらせてくれ。レムを屋敷に……部屋に連れ帰るのは俺でありたいんだ。わがままばっかりでごめんだけど』
『いいえ、ちょっときゅんとしましたわ。人殺しみたいな目つきですのに、お優しいのですわね』
『さりげないディスりに傷付く心も持ってるよ!』

「…眠る前のレムが聞いたら、きっとすごーく喜ぶわね。」
「違いありません、きっと、ラムに似た可愛い笑顔で」
「…うん」

『ええっと、フレデリカってこの屋敷に務めて長いのか?』
『あら、興味がおありですの?エミリア様と、腕の中の女の子……それにベアトリス様と気が多い方ですわね』
『そこにさらっとベア子混ぜないで、俺年下属性ないから。俺の両手がエミリアたんとレムで埋まってんのは見りゃわかるだろ?フレデリカは……ぶっちゃけ、この短時間だけど苦手なタイプだと思う』
『嫌われてしまいましたの』
『そうやって、俺を手玉に取ろうとする感じがロズワールの使用人って感じでダメなんだよ。あ、あくまで性格的相性の問題で、お前が嫌いとかじゃないから』

「ロズワールの…」
ガーフィールが眉を顰める。
「出会って数時間で信頼を置かれる方が気味が悪いでしょう。気にすることではありませんわよ」
「…それって、スバルが気味悪いってことになっちゃわない?」
「わたくしの渾身のフォローを!?」

『初対面のとき、傷付けちまったから。笑い飛ばしてくれたけど、半分くらいは本音だっただろ?』
『あまり、心の内を人に察せられた経験がないんですの。踏み込まないでいただけるとありがたいですわ』
『踏み躙っちまったところを整えただけだって。俺も目つきの悪さは人のこと言えねぇし……まぁ、うちは家族揃ってなんだけど』
『不快感、ではありませんのに、不思議な方ですわ。エミリア様が、ああして振舞われるのもわかるというものですのね』
『エミリアたんが、なに?』
『なんでもありませんわ。今度こそ、エミリア様に本当に怒られてしまいますもの。それで、わたくしの勤続年数を聞いてどうされますの?』
『つまるとこ、ベア子……ベアトリスの話がしたかったんだよ。屋敷でメイドやってる時間が長いなら、ベアトリスがどれぐらい前からいるのか聞こうと思って』
『申し訳ありませんけれど、わかりませんわ。ベアトリス様はわたくしがこのお屋敷で働かせていただく以前より、すでに禁書庫にこもっていらしたので』
『ああ、まぁしょうがないか。メイド歴がそのままロズっちの屋敷で働いてた時間に直結するわけじゃないもんな。この屋敷で叩き上げってばっかりじゃ……』
『いいえ、違いますわ、スバル様』
『わたくしがメイドとして働かせていただいたのは、旦那様のお屋敷おひとつ。そしてわたくしが初めて使用人として連れられてきたのは、わたくしが十二歳の頃のことになります。もう、十年以上のこと』
『……いや、おかしくね?だって、そのときから逆算して考えると、ベア子の奴ってよちよち歩きの頃からカビ臭い部屋にこもってたことに』
『もう、わかっていらっしゃるのではありませんの?』
『姿が変わってない。……人間じゃ、やっぱりないのか』
『メイザース家の始まりの時より、禁書庫を守り続ける盟約に繋がれた司書――それがあのお方、大精霊ベアトリス様ですわ』
『大精霊……って肩書きはパックと同じなのに、見た目とか色々だいぶ違うな』

「精霊が皆同じ見た目をしていると思ったら大間違いかしら」
「パックは猫ちゃんの形だけどベアトリスは人型だものね」
「べティーからしたらニンゲンの髪色が違うのと似たようなものかしら。気にとめたこともないのよ」
「そういうものですか?」

『それで、ベアトリスからはなにも聞き出せなかったのよね?』
『口が固くて身動きとれず。ちなみに、何度も聞いてるけど……パックは?』
『――ダメ、こっちも反応なし。たまにこうなっちゃうときがあるんだけど、今回はすごーく時期が悪い。もう、ホントに困っちゃう』
『たまにあること、なのか?でも、こんなじゃエミリアたんも困るじゃんか』
『本当にパックの力を借りなきゃ、ってときには戻ってきてるの。だから、こっちのことを見てないわけじゃないと思う。いなくなってるときになにをしてるのか、聞いても教えてくれたことって一度もないんだけど』
『パックもベア子も、揃ってだんまり決め込みやがって……参ったぜ』
『ホントに。……ね、スバル、どうしよう』
『色々と知ってそうな二人が黙っちまった以上、次にいくしかないと思う。……まぁ、居場所はわかっててもそいつが喋ってくれるかは別なんだけどさ』
『ロズワール、よね』
『そろそろ、裏事情もろもろも含めて腹割って話す頃合いだと思うんだよ』
『良かった、スバルも賛成してくれそうで。またロズワールとかラムみたいに、反対されたらどうしようって思っちゃった』
『内容によっちゃ反対もするだろうけど、基本はエミリアたん全肯定だよ、俺?仮に反対したとしても、エミリアたんへの愛故のことだと信じてほしいね』
『あ、愛なんて……スバルって、すごーく調子のいいこと言うんだから』
『それで、その私のことを味方してくれるスバルに提案があります』
『ロズワールと話さなきゃいけないことも、避難した村の人たちのこともあるでしょ?だから私、『聖域』に行こうと思うの』

「…聖域…」
エミリアが銀髪を少し手に取り、不安げに弄る。
「…大兎と、不貞腐れた私と。スバルは、何回…」

『――お話は、まとまったようですわね』
『お二人が『聖域』へ行かれることに異議はありませんわ。ただ、準備に二日ほどのお時間をいただかなくてはなりませんの』
『準備って、フレデリカもついてきてくれるのか?』
『いいえ、わたくしは屋敷の管理がありますので同行はできませんわ。代わりに、スバル様の連れられた地竜の方に『聖域』の場所を教えますので』
『それよりも、お二人にもいくつかお話しなくてはならないことがありますわ』
『『聖域』に行かれる以上、覚えておいてほしいことがいくつかあります。特にエミリア様は出自のこともありますので、ご注意を』
『ぶっちゃけ俺はまだ『聖域』って場所を名前以上に知ってるわけじゃないんだけど……エミリアたんの力になるのが至上目的だからな。なんでも、聞かせてくれ』
『いっそ清々しいぐらいに純粋な不純さですわね』
『では、『聖域』のお話を。それとひとつ、覚えておいてほしいことが』
『――ガーフィールという人物にお気をつけてください。『聖域』において、お二人がもっとも注意して接しなくてはならないのが、その人物ですわ』

ぅ、とガーフィールが息を詰まらせる。
「…ガーフィール」
「わかってらァ、姉貴は…大将と、エミリア様のことを思って言ったんだッろ?それは分かってる」
それでも。
「パララグララの爪痕は消えない…ってなァ」

Comments

  • しぃ
    November 11, 2024
  • 番。

    まじ最高です!続き楽しみにしてます!

    October 27, 2024
  • なぎさん
    October 27, 2024
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