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それでも彼は諦めない/Novel by 春風

それでも彼は諦めない

4,099 character(s)8 mins

白鯨倒したとこまでです。
ちなみにですが、この作品は原作の範囲は全部やろうと思ってます。
ナツキ・レムはやるか迷ってます。
アガナウはルート分岐があるので難しいですがどのルートがいいか言って頂ければやるかもしれません。
ルートは基本的になろうに載ってる分はやりたい気持ちです。
胡蝶の夢はやらないと思います。たぶん
やりたい気持ちはありますが、ハーレムルートで時間軸が違う上に原文が読めないので…。
アガナウも同様の理由で難しいと思ったんです。
まあ、コメントでやってほしい!!って沢山来てたらやるかもしれないです!!
とりあえずは原作のとこやるのでお願いします!

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希望は刹那的に消える。
上空に浮かぶ三体の白鯨はナツキ・スバル達を嘲笑うかのようだった。
絶望が歩み寄る暗がりの中、ナツキ・スバルは諦めない。
『まだ終わらない。――終わりにしない』
『……スバルくん』
『やるぞ、レム。見せ場だ』
『諦めるのは似合わねぇ。俺も、お前も――誰にでも!』

「大将ッ!かっけェぜ!!」
「いやほんとこの人テンションどうなってんですか??」
「仕方ないわ、スバルはすごーくかっこいいから!」

『行くぜ、パトラッシュ!鯨の鼻先でくるくる回れ!』
『スバルくんの臭いを嗅ぐのはレムの特権です――!』
大地が抉られ、スバルに攻撃が当たりそうになる。
『ばばんとミミさんじょー!!』
『助かった!反撃開始とかかっこいいこと言っていきなり終わるとこだぜ!』
『ふふーん、もっと褒めてもいいよー!でも、きょーのところはおにーさんが頑張ったからおあいこにしてあげる!』
『頑張った……?』
『みんなブルって立てなくなっちゃったとこなのに、一番早く立ち直ったでしょ?えらいぞー、すごいぞー、ミミの次だけどね!』
『大したことじゃねぇよ。このぐらいで絶望なんて、してやれねぇってだけだ』

「さすがスバルくんです。レムは感服しました!」
「それしか言わないなこの人!」
「うるさいわよレムの言葉を遮らないで」
「理不尽!!」
バタバタと騒ぐ。

『どう見る、ナツキ・スバル』
鉄球を振り回し白鯨と戦うレムを見ながらクルシュが話しかける。
『どう見るってのは、どういう意味だ?勝ち目って意味なら、俺の生死が色々と分けるって自分可愛さまじりに言ってみるが』
『そうではない。おかしいとは思わないか?』
『白鯨の数が三体に増えた。単純に見れば絶望的な状況にある。だが、もし仮に白鯨が群れを為す魔獣であるのだとすれば、いくらなんでもそのことが誰にも伝わっていないなどあるものか?』
『言いたいことがイマイチわからねぇ』
『なにか、カラクリがあるはずだ』
『それを、見つけろってことか』
『時間稼ぎは卿の逃げ足と、それを援護する形で我々が行う。いずれにせよ、そう長くはもたない。なんとかするぞ――撤退など、もはや選択肢にないのだから』
言い切り、クルシュは声を響かせる。
『立て!顔を上げろ!武器を持て!卿らはなんのためにここまできた!』
『あの男を見ろ!あれは武器もなく、非力で、吹けば飛ぶような弱者だ。打ち倒されるところを、私もこの目で見た無力な男だ!』
『それでどうして、我らが下を向いていられようか』
『我々の力は弱く、束ねたとて魔獣の喉元に届くかわからない。だとしても、もっとも弱い男が諦めていないのに、どうして我らに膝を折ることが許される!』
『行くぞ――総員、突撃!!』

「そうなのよ、スバルの凄いところは諦めないところかしら!」
「そうですね大精霊様、私もスバルの諦めの悪さは好ましく思っております」
「話に割って入ってきたのよ…」

『どうして急に増えた……もとから三匹、なのは前提に合わねぇ……!』

『援護します。スバルさんの存在がないと……この戦いの勝ち筋が見えませんから』

『それはあとで本人が直接言うと思いますけど……こうです。こほん、『なんや、軽ぅなっとるで。ワイが死なんかったんがその証拠や』。以上です』

ナツキ・スバルは気づく。

『思った通りだ。てめぇら、三匹いたんじゃなくて――分裂してやがるな!』
『一発が軽いのも、ある程度戦えちまってるのも、そういうカラクリだろうが!』

「そういうこと…!ビックリしちゃった、分裂するなんて…」
「白鯨は魔女の産んだ化け物ですから。創造主の性格の悪さが出ていますね」
「この状況でそこまで頭が回るのも凄いですが…」

白鯨の中から出てきたヴィルヘルムをへータローたちに任せ、フェリスの元まで送らせる。
『時間がねぇ。勝算は、あると思う。とりあえず、ヴィルヘルムさんを後方送りにして……レムとクルシュか。主だった奴らに声をかけなきゃな』
​───────​───────​─────
『白鯨が分裂している、か』
『ああ、間違いないと思う。傷の位置と、その強さがな。ぶっちゃけた話、多少なりとも直接やり合ってるそっちの方が感じてるだろ?』
『レムは無我夢中でしたけど……でも、確かにそうかもしれません』
『奴が元の一体より弱っている、というのは同意だ。だが、それを理解したところでどうする。手負いで弱体化しているとはいえ、その脅威は依然こちらを上回っている。いかにフェリスの治療といえど、下がったものの戦線復帰は望めないぞ』
『ヴィルヘルムさんとリカードの合流がないのは痛いが、無茶は言えねぇよ。それは抜きで勝ちにかかるしかない』
『三頭の白鯨を殺す。口で言うのは易いが、高い壁だ』
『三匹も殺す必要はねぇよ。――一匹だけで、いいはずだ』
『自分の分身の二匹にバシバシ戦わせて、高みの見物決め込んでやがるあの野郎は、いったいなにをしてやがるんだと思う?』
『加勢もしないで、傷を癒している……?』
『奴が本体、か』
『そうだと、俺は睨んでる』
『あいつが降りてこないのは、どっちの自分にも加勢したりしてこないのは、自分がやられるわけにはいかねぇからだと俺は思う』
『道理には合っている。しかし、逆を言うなら……』
『下にいる二匹は、殺しても本体の痛手にならないかもしれねぇ』
『あれが降りてこない理由と、倒し方の部分は繋がりました。でも、それでどうするんですか?あそこまで高いところに飛ばれると、攻撃する手段がありません』
『私の加護でも、あそこまで届かせるのは並大抵ではない。一太刀ならばあるいはと思うが……それで落とせるなどとは思えない』
『レム。あの野郎のすぐ近くに氷の山を浮かべるとか……』
『ごめんなさい。マナは手元から離れれば離れるほど、扱いが難しくなります。ロズワール様なら可能だと思いますけど、レムの腕では』
状況を打開できるかもしれない可能性が見えたのに、そこに手を貸せないことを心から悔いる顔のレム。
その彼女にスバルは手を振り、仕方ないと首を曲げる。
考えていた、作戦はある。
クルシュの答えと、ヘータローたちの答えと、レムの答えを待って、それで最善策が出るのであれば、採用したくなかった次善策が。
『ちっとばかし、賭けの要素が強すぎる作戦があるけど……乗るか?』

「1番上のが本体…あんな上にいたら、攻撃なんて届かないわ」
「それにしても、ナツキさんはどうやって状況を打開しようと…」

『アル、ヒューマ』
『――お願い!』
氷の槍が、レムの手元から投げ出される。
『――よぉ。間近で改めて見ると、超気持ち悪ぃな、お前』
白鯨の鼻元で、耐え難い魔女の匂いを纏った人間がひとり。
『ついてこいや。――言っとくが、俺はシカトできねぇぐらい、ウザさに定評のある男だぜ?』
『この高さなら他に聞こえる心配がねぇ。大サービスだ、よく聞けや!てめぇのせいでレムが死んで、俺はすげぇトラウマ背負ったぞコラァ!!』
瞬間、ナツキ・スバルの心臓に悪意が迫る。
『愛してる』
『戻って……きたぁぁぁぁぁ!!』
瞬間、魔女の匂いを、その悪臭を纏ったスバルを、白鯨が狙う。
『――レム!!』
『はい、スバルくん!』
スバルの体をレムがモーニングスターで絡め取り、引き寄せる。
レムがスバルを抱きとめ、その傍らを白鯨が通り過ぎる。
『頼むぜ、パトラッシュ!ドラゴンなんだろ!?かっこいいとこ見せてくれ――!!』
スバルを喰らおうと迫ってくる白鯨。
『食らい、やがれぇ――!!』
魔鉱石、見えない刃、振動破砕――束ねた破壊の力に根本を抉られて、賢者の植えた大木が数百年の月日を経て、人に仇なす魔獣の巨躯を押し潰す。
樹齢千年クラスを上回る大木の重量に、真っ直ぐ突っ込んだ白鯨が真上から叩き潰された。
それまで受けた破壊とは根本的に異なる次元の威力に、その巨躯を覆う強靭な外皮すらも防御の意味を持たない。
絶叫が上がり、すさまじい衝撃波がリーファウス街道を駆け抜け、霧を爆風が打ち払う。
大樹の下敷きになり、身動きを封じられた白鯨の苦しげな雄叫びが尾を引く。
しかし、それだけの威力を身に受けて、なおも命を潰えることのない生命力。
『――我が妻、テレシア・ヴァン・アストレアに捧ぐ』
主より借り受けた宝剣をかざし、ひとりの剣鬼が舞い降りていた。
この生死を賭けた激闘と、十四年にわたる執念と、四百年にも及ぶ人と白鯨の争いの歴史に、幕を下ろす――そのために。

「ヴィルヘルムさん…!」
「この展開ッは…大将ふうに言うならアツい展開…ってやつだなァ!」
「まるで映画のように素晴らしい展開かしら」
「君のスバルくんへの気持ちには驚かされるね〜ぇ」
「バカ言うんじゃないのよ、べティーは誰にだって優しいかしら。ただ、揺るがない一番がスバルで、最下位がお前なだけなのよ」
「手厳しいね」

『貴様を悪と罵るつもりはない。獣に善悪を説くだけ無駄。ただただ、貴様と私の間にあるのは、強者が弱者を刈り取る絶対の死生の理のみ』
刃が、描く光の美しさが、彼の強さを。
『眠れ。――永久に』
静寂が、痛いほどに。
『終わったぞ、テレシア。やっと……』
『テレシア、私は……』
『俺は、お前を愛している――!!』
『――ここに、白鯨は沈んだ』
凛とした声が、その夜を美しいものに。
『四百年の歳月を生き、世界を脅かしてきた霧の魔獣――ヴィルヘルム・ヴァン・アストレアが、討ち取ったり!!』
『この戦い、我々の勝利だ――!!』
耳が痛くなるほどの歓声が響く。

スクリーンから響く歓声に応えるように、ガーフィール達も腹から叫ぶ。
「す、げェ!大将達の勝ちッだァ!」
「スバル!白鯨と戦ったのに死んでない…!もう、大丈夫ね!」
「凄いですスバルくん!抱きつきたい…!」
各々の賛辞が、スバルへ送られる。
それは、スバルの苦しみが報われるほどに。

Comments

  • 山葵

    映画…?ベア子映画知ってんの?

    December 14, 2024
  • ナツキ・レムはレム1人だけに見せたいかも

    November 18, 2024
  • シン
    November 10, 2024
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