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それが指す意味/Novel by 春風

それが指す意味

2,960 character(s)5 mins

一章の最終ルートまでついに来ました!
原作読みながら書いているんですが、Webだと規制が緩いからなのか死に方がアニメより酷いような...?
これに耐えてるスバルくんには拍手したい気持ちですね。
自分がスバルくんの立場なら普通にエミリア見捨てて逃げちゃいそうです。
同じ高校生だと思うと余計に凄いです。
スバルくんの考え方は共感できる部分があるのですが、自分に厳しすぎるような気もしますね。
人間味があって好きなキャラですけど、同族嫌悪的な嫌われ方をしてて可哀想だなぁと思ってます。
性格が悪い訳ではなく、ただまだ庇護されるべき子供なだけなんだと思います。
意外と18歳ってそんなに大人じゃないのでね。
17歳が何言ってんだって感じですけど...
兎に喰われるシーンは大人でもしんどいと思うので本当にスバルくんはすごいと思います。
苦しんで欲しくないけど、苦しみからの光が好きなので、程々に苦しんでは欲しいような...
そんななんとも言えない劣情をスバルくんに抱えていますが、幸せにはなって欲しいです。
元の世界に帰れない時点でかなり可哀想度は高いので...。
あのハイテンションも不安をかき消すためだと思うと可愛いですよね。
長々とごめんなさい。
3期楽しみですね。

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『もう、わけわっかんねぇ……』
それだけ呟き、スバルはふらりと倒れる。
​───────​───────​─────
八百屋の店主にリンガと水を渡され、スバルはそれを口にする。
日陰で自分の体を見るが、目はおろか腹にも傷など入っていない。
混乱したまま顔を上げ、視界に銀髪が映る。
『え……?』
探し続けた姿にスバルは走り出す。
『ちょ、待って……待ってくれ……っ。頼む、待って……』
『待ってくれ。――サテラ!』

ああ、とエミリアは目を瞑る。
ーーもし、本当にスバルだけが世界を繰り返しているのなら、この言葉は、エミリアにとって...。

『あなた……どういうつもり――?』
スバルに向けられた瞳には、怒りが宿っていた。
『誰だか知らないけど、人を『嫉妬の魔女』の名前で呼んで、どういうつもりなの!?』
雑踏から音が消え、心臓の音だけが世界に響く。
『なん、だ?』
『もう一回、聞くわ。――どうして私を、『嫉妬の魔女』の名で呼ぶの?』
『いや、だって。そう呼べって……』
『誰に言われたのか知らないけど、タチの悪い趣向すぎる。乗る方も乗る方よ。――禁忌の象徴、『嫉妬の魔女』。口にするのも憚られる、そんな名前を呼び名に選ぶなんて』
『――用がないなら行くわ。私も暇じゃないの』

エミリアはその言葉に下唇を噛む。
そう呼べと言ったのはエミリアの方だ。
だが、もうその世界は存在しない。
エミリアの今までの人生を考えれば、怒らないわけが無い。
だが、スバルは...
「...この会話も、覚えてない。ってことは、スバルはまた死んじゃうの...?」
死に戻りに、エミリア達は気づいた。
故に、覚えていない会話はその世界線のスバルが死んだことを意味するのだ。

『やられたっ。このための足止め……あなたもグル!?』
フェルトに徽章を盗まれたエミリアがそう叫ぶ。
悔しげに顔を歪め、スバルに背を向け走り出す。
『おい、待て!誤解だ!俺は……っ』
エミリアを追い、スバルは路地裏へ入る。
『……嘘だろ、オイ』
3度目の、チンピラとのエンカウントだった。
『いい加減にしろよ!性懲りもないにもほどがあんだろうが!』
『今はお前らに構ってる暇がない。落ち着いたら相手してやるから、そこを通せ』
少し苛立った声でスバルはそう叫ぶ。
『通せ、だってよ。どーするよ』
『その態度が気に入らねえな。命令すんのがどっち側か、わかってねえよ』
『三対一で無様に負けておいて、どの面下げて大口叩くんだ、お前ら……負け犬でももうちょっと申し訳なさそうに遠吠えするわ』
そんな問答をし、スバルはやがて手をひらりとあげる。
『わかった。抵抗しない。なにが要求なのか言ってくれ』
『とりあえず身ぐるみ全部置いてけ。その珍しい着物と履物も全部だ。パンツだけは履いたままでいーぜ?俺らも悪魔じゃねえからな!』
スバルはこの状況をどう打開するか考えながらビニール袋に手を入れ、気づく。
『あれ――?』
そこには、スナック菓子が入っていた。
ロム爺に食われたはずの、スナック菓子が。
ぐるぐると思考が巡り、スバルはふらつく。
『おいコラ、てめえ、何をしてやがる』
『あ?』
声に思考が遮られ、スバルは呆気にとられた声を出していた。
『なんだよ、近づいてきて。言っとくけど、手伝ってもらわなくても服ぐらい脱げる』
『誰もそんな手伝いしてやろうなんてしてねえ!お前がふらふらとこっちにきたんだろが!』
『言う通りにしねえなら、少し痛めつけてやろうか?』
『っつか、もう面倒くせーよ。こっちでやってやろーぜ』
スバルは少し思考を巡らせ、ビニール袋を後ろへ投げる。
男たちの視線が逸れた隙に、スバルは路地を駆け抜ける。
『あれ、おかしいな……』
急に力の入らなくなった体に違和感を覚え、スバルは自分の体に視線を送る。
倒れるスバルの背中、腰あたりにナイフが突き刺さっていた。
『ごぁっ……がっ……』
意識した瞬間、体に耐え難い激痛が走る。
痛みに視界は薄れ、音はだんだん聞こえなくなっていく。
『……にか、金目……でも持っ……』
『……った! 衛兵が……つけ……る!』
『…………げろ! ヤバい! ……ったらシャレになら……!!』
何よりも先に死んだ脳に従うように、他の機能も次々と息絶えて、最後には抜けるような掠れた音を吐いて、ナツキ・スバルは三度、命を落とした。

「スバル...」
その凄惨な状況に、ベアトリスでさえも名前を呼ぶことしか出来なかった。
少しの声を出す余裕もなかった。
愛する人が目の前で為す術なく殺されていく様など、1度だって見たくは無いものだ。

『兄ちゃん、リンガは?』
もう何度目かも分からない、聞きなれた声を聞いた。
『俺の顔を見るのって、何回目?』
『何回もなにも新顔だろ、兄ちゃん。その目立つ格好なら忘れないぜ?』
『今日って何月何日でしたっけ?』
『タンムズの月、十四日目だ』
『ありがとう。――なるほど、タンムズの月か』
『で、兄ちゃん、リンガは?』
『悪いけど、天壌無窮の一文無し!』
『とっとと失せろ――!』

「また、ここから...。死んだら、ここに戻るってこと?」
エミリアが眉を下げてそう呟く。
その瞳には、もうこれを偽物だと断じる心の余裕など微塵もなかった。
「...どちらかといえば、死の原因を回避出来る場所に戻ってるように見えるのよ」
「スバルが前に言ってた、げえむのせーぶとろーど...と言うやつなのかしら」
ベアトリスがたどたどしく呟く。
死に戻りを理解した今、この映像は真実で、ナツキ・スバルの生きてきた軌跡なのだと、思わざるを得なかった。

『財布、ある。ケータイ、ある。コンポタとカップ麺も無問題。ジャージとスニーカーに綻びなし。そして当然……』
ジャージを捲り、傷跡を確かめる。
『ふぅ、よかったぜ。背中の傷とかマジで剣士の恥だかんな。一応は剣道部に籍を置いていた人間として、人の道は踏み外しても剣士の道は踏み外せねぇ』
『つまりこれはアレだな、信じ難い話だけど……』
『――死ぬたびに初期状態に戻ってる、ってことらしい』

みなが知りたかった結論に、ナツキ・スバルは辿り着いた。

『死に戻りか……なんつーか、まさに『負けて死ね』って能力だな』
『もっとまともに言うと……『時間遡行』ってやつになんのか、これ』
『時間系の魔法なんて最強パターンだから、序盤から俺が持ってるのおかしいし、そもそも時間遡行って夢ではあるけど実現は無理だろ。常識的に考えて』
『おまけに『死に戻り』してたって考えると、どうにもこれまでの不自然さの辻褄がきっちりかっちり合っちまうんだよな……』
三度の死を振り返り、スバルは覚悟を決める。
パソコンの前ではバカにしてたような、同情や慈悲の心。
『嫌なんだよ。気持ち悪ぃんだ。善人とは程遠いよ、二人とも。――でも、いっぺん知り合った奴らが殺されるって知ってて、見過ごすのは無理だな』
『それにやっぱサテラ……ってか、あの子も見捨てられねぇし』
『んだらば、今度は名前くらい、ちゃーんと教えてもらえるように頑張りますか』

名前も知らないその子のために、スバルは1歩を踏み出した。

Comments

  • シン
    November 9, 2024
  • みかんぷりんたると

    『剣士の恥』『時間遡行』…他作品ネタがかなりあるな…。そこも面白くて好きだけど。

    November 1, 2024
  • 小説好き

    スバル君の自分への厳しさの根幹は、あのお人よしで最高の両親に迷惑を掛け続けた自分を卑下し続けてる所なのではないかと自分は思ってる。 後,スバルくんの子供的な青臭さがあるからこそ、色んな人を助けられていると思ってる。大人になると色んなことを諦めてそれが賢いと決めつけてしまうところが

    October 29, 2024
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