【cp/閲覧注意】虎杖「……久しぶり、日車」3

  • 1126/05/30 00:44:27
  • 2二次元好きの匿名さん26/05/30 00:55:25

    獄中恋愛とかいう強めの四字熟語

  • 3二次元好きの匿名さん26/05/30 00:55:51

    ドラマのタイトルみたいですね

  • 4二次元好きの匿名さん26/05/30 01:01:05

    10まで保守

  • 5二次元好きの匿名さん26/05/30 01:02:05

    次スレありがとう!

  • 6二次元好きの匿名さん26/05/30 01:02:18

    続きドキドキする

  • 7二次元好きの匿名さん26/05/30 01:03:56

    >>3

    夏目ア〇タの結婚もドラマ化したし、この日虎もそろそろドラマ化が決まるはず

  • 8二次元好きの匿名さん26/05/30 01:16:59

    ほしゅ

  • 9面会26/05/30 01:25:36

    「、なッ」


    その言葉に虎杖は、思いがけず胸をナイフで突然刺されたような、一瞬だけ何が起こったかわからない顔をした。

    感情が乗る前の透明度の高い剥き出しの視線を、日車へと放り出すみたいに向ける。それは堕ちてゆく最中に崖の上に立つ人を見上げるような、どこか間抜けであどけない悲壮感のある、幼げな瞳であった。


    「…………」

    「かっ…、くしたい、こと、…なんて……ンな……、……」


    青年は、この期に及んで砂を搔き集めて足場を固めるように言い分を求めたが、掴んだ先から指の股を伝って逃れ落ちてしまうのか、その掌には何も残らない。胡坐を掛けるほどに頑丈なごまかしなど、捏ねられそうもなかった。


    「────そうか。やはり、俺なぞには何も言えないか」

    「ちが、……」


    まるでオセロの角を的確に埋めるように、戦略的で丹念に逃げ場を塗りつぶす執念深い尋問であった。

    否定しても肯定しても泥沼であることにすんでで気づいたが…気づいたところでもうどうしようもない。日車の顔は打って変わって、血液の代わりに氷水でも流れてそうな影深い無表情だ。心を売り払った後みたく、手心がない。

    そもそもこの男を前にして、論舌の土俵へとウッカリ足を踏み入れてしまったことから間違っていたのだ。ただ一年のうちの三十分間だけ、血を通わせて温めあいたかっただけなのに。握る手に込められた力が徐々に強まるように、いつのまにか境界線を足先が踏んでいたのだ。それは何より、日車の領分である。


    日車は顎を引いて、他の何も動かさず、黒目だけをググ…と持ち上げた。その仕草が何とも言えずどこか非人間じみており、今しがたスイッチが入ったばかりの焦点を絞りつつある精密機械を思わせる。虎杖は「ああ、今から追い詰められるんだな、俺」と頭の片隅にあるやけに冷え込んだ現実逃避の俯瞰的思考が、一足先に諦めて覚悟の準備をし始めていた。


    「…………虎杖、君の無実を証明するには、お誂え向きのやり方があるだろう?」


    トン、と日車の指先が下唇を叩く。


    「────そのマスクを取って、君の顔を俺に見せてくれ」

    「、────…………」


    虎杖は、

    dice1d2=1 (1)

    1観念する

    2まだ舞える!

  • 10二次元好きの匿名さん26/05/30 01:27:29

    潔し!!

  • 11二次元好きの匿名さん26/05/30 01:31:19

    原 作 再 現

  • 12二次元好きの匿名さん26/05/30 02:22:28

    このレスは削除されています

  • 13二次元好きの匿名さん26/05/30 03:20:14

    おお!!!!!

  • 14二次元好きの匿名さん26/05/30 07:37:01

    そりゃあそう
    日本でも有数の口喧嘩の上手い男だからな…

  • 15二次元好きの匿名さん26/05/30 10:02:24

    あーもーバレてるぅ

  • 16二次元好きの匿名さん26/05/30 13:52:54

    スレ主が立てた過去スレ大好きだから不老不死告白展開助かる
    さあ魅せてくれ!!日車寛見!!

  • 17二次元好きの匿名さん26/05/30 18:32:21

    弾丸論破されてる
    日車との舌戦なんて自ら処刑台に立つようなもんだね

  • 18二次元好きの匿名さん26/05/30 23:22:47

    保守

  • 19二次元好きの匿名さん26/05/31 07:27:06

    保守

  • 20二次元好きの匿名さん26/05/31 13:28:34

    保守

  • 21二次元好きの匿名さん26/05/31 19:44:06

    獄中恋愛の響の強さよ。不老を知った日車はどんな反応をするのかな…

  • 22面会26/05/31 22:17:16

    青年は冷たく切実な痛みが浸透しきって、完全に自分の一部となるのを待つように、永く目を瞑った。暫く、その余韻のため、沈むように黙っていた。
    下瞼のフチまで押し上げられて、へばりついた分厚い影か、錠前のない開かずの戸のように頑なに顔の大半を覆っていた黒いマスクへ、虎杖の指が死にかけの虫よりも覚束ない頼りなさで、この期に及んでまだ迷いながらも掛かる。

    「…………」

    人差し指をマスクのフチに引っ掛けて……、その状態で一瞬だけ捨てられる犬の、ほとんど諦めながらも一縷の望みを抱いて飼い主に縋るような光を瞳の奥で瞬かせて、虎杖は日車を見た。しかし日車は、既に判決は決してひとつの事件を終えた後の取り付く島のない突き放す無表情で彼を静かに見返している。

    虎杖は遣る瀬無く目を伏せた。どうせ、遅いか早いかの違いで、この秘密と同じ骨壺に入ることができないのは、わかりきっていたことなのだから。

    「…………────これでいい?」
    「、────君は……、……」

    日車はそっと目を細めて彼を見つめた。
    思えば、この素顔をどれほど見たいと願い続け、しかし彼らを沈黙とともに別つ歳月やアクリル板のように単純な辛抱だけでは過ぎ去ってはいかない厄介な難問のため、今まで遠ざけられていたことか。
    日車はおもむろに虎杖の頬へ手を伸ばし──、その指先は冷ややかなアクリル板の無愛想で硬質な皮膚に、敢え無く阻まれたが、構わず、虎杖の肌を撫でるように柔和に指を滑らせる。

  • 23面会26/05/31 22:30:20

    「出会ったときから、何も変わっていないのだな…………」


    その言葉に、虎杖は大人びた悲しい覚悟のために、却って青褪めた静観が瑞々しく澄まされ、平静さの中枢に腰を据えた顔で唇を硬く引き結んだ。


    彼の顔はこの三年で、ほとんど変わった様子を見せなかった。いや、ほとんどというのもまた、及び腰な手心のため、触れあぐねている表現だ。全く、と言い切ってしまうのが正しい。

    十代後半、少年を脱皮して季節が変わるようにごく自然に、誰でもそれぞれの勾配へと差し掛かる過渡期の時代である。目覚ましい変化を経て、やがて羽化を遂げるものだ。

    しかし、彼は何ひとつとして変わっていなかった。面会時はいつも虎杖が先に座った状態で対面するからわかりにくかったが、背だってきっと伸びていないのだろう。

    将来の展望を不透明であれど予感させながらも、しかしそれで成熟とするには硬さが足りず、青く初々しい印象が先立つ少年らしさが時を忘れたように未だそこにある。青年はもはやそれで完成し、骨壺の如き額縁へと一足先に入ってしまったかのように、アルバムに栞を挟んだ少年時代のままであった。


    「────ごめん」


    彼は日車の口を塞ぐように、一口の謝罪を口早に挟み込んだ。


    「待って。待ってほしいんだ、ごめん。ちゃんと……、ちゃんと、言うから。言わなきゃいけないって、わかってたから。……でも、ここじゃ……、……」

    「……………………そうか」


    手近にある言葉をなりふり構わず掴んだ先から押し付けるように、虎杖は必死に言い募った。

    結末が露呈した以上、その因果も想像がついた。少なくとも、非術師である刑務官が同席するこの場では、これ以上彼の秘密を深堀りするわけにはいかないのだろう。

    ひとつの落としどころを見定めて押し黙った日車に、虎杖は好機を見て更に言い重ねた。


    「黙ってたわけも、……日車が知りたいことならなんでも……日下部先生あたりに頼んで、知ることができるようにしてもらうから……、……だから、今日は…………」

    「…………」


    dice1d2=2 (2)

    1「……わかった。(これ以上の追及を止める)」

    2「…………わかった。でも最後にひとつ、おしえてくれないか。君が、俺のことを本当はどう思っているのか」

  • 24二次元好きの匿名さん26/05/31 22:32:46

    今回の面会から日車が覚醒しとる!!

  • 25二次元好きの匿名さん26/05/31 22:37:44

    「この秘密と同じ骨壺に入ることができないのは」
    毎回美文にうっとりさせられるけど、今回のこの言い回しが好きすぎる

  • 26二次元好きの匿名さん26/06/01 00:44:36

    腹括ったんだな、どっちも……
    この景色を見届けられて嬉しい

  • 27二次元好きの匿名さん26/06/01 01:28:09

    きた!!!!
    押し押し日車だ!!!!

  • 28二次元好きの匿名さん26/06/01 07:57:41

    保守

  • 29二次元好きの匿名さん26/06/01 13:11:56

    たじたじ虎杖いいぞ〜日車を弄んだ(?)自覚があるのかな

  • 30二次元好きの匿名さん26/06/01 20:21:52

    アクリル板越しに虎杖の頬を撫でようとする日車の指の描写で全俺が萌え落ちた

  • 31二次元好きの匿名さん26/06/01 21:35:49

    >>30

    わかる(わかる)

  • 32二次元好きの匿名さん26/06/01 22:50:10

    保守

  • 33面会26/06/01 23:47:25

    「、…………日車」
    「君は、その……責任をとるべき、だろう。あれだけ期待をさせておいて……」

    どうしても言わずにはおれない。
    熱く情動めいた、日車とは違う生き物が舌に飼われ、それが漏らす生々しい慄えが音となって止まらぬようであった。日車は堪らず目を顔ごと逸らし、曇った鏡のような眼差しをして、努めて情報を拾わずに手前を見つめていたが、しかしそれでも彼の唇は彼の心を正確に写し取ってやまなかった。

    「年嵩の…それも21も離れた中年を捕まえて、散々思わせぶりなことを言ったんだ。褒められた真似じゃない。…………今のうちにこっぴどく振っておくことをおすすめする。そうじゃないと、俺はどこかで希望を手放せずに、宙ぶらりんのまま、君を諦めてやれなくなるだろうから…………、………………」

    それは心臓を解体したときに否が応でも飛び散って防ぐすべもなく手を汚す血飛沫のように生臭い言葉の破片であった。
    日車の括られたように整頓してある理性の号令は、括られているがために不自由で融通が利かず、本音は道徳心に空いた情愛という穴を突いてガソリンのように漏出してしまったらしい。

    「…………」
    「……その……、すまない…………だが……」

    打って変わって平静を取り落とし、挙げられた手がいつ振り下ろされるかに怯える老いた犬のような目をした男を、虎杖は却ってなだらかな風が吹き撫でてくるような心持ちで見つめた。

    弁護士として染みついてきた生き方が言質に固執させるのか、世間の端っこの三畳で寝起きする男にとって黙契は愛を担保する保証書になりえず、今のうちに安心を言葉で買ってしまいたいのか、……もしくはもっと単純に、いずれ裏切られる期待ならば、今切り捨ててほしいのか。

    虎杖の無言の底には仄かに呆れの色が溶け出してしまっていた。
    しかしそれは本腰を入れた絶句というわけでもなく、むしろ自分の掌の上を広い荒野と勘違いして途方に暮れている可愛い間抜けを、転がしてやるときに抱く意地悪な愛おしさが、沸々と青年の情愛の温度を上げていた。

  • 34面会26/06/01 23:57:38

    「…………────俺はさ、何とも思ってない人間に、あんなふうに逐一言葉を尽くしたりしねーんだけど。それでもちゃんと言わなきゃわかんないんだ、日車は」
    「、っ……いたどり、」
    「ま、いいよ。こういうのは惚れた方が負けって言うしな。……何度でも言ったげる」

    そのときの虎杖は、風に吹きさらしになって靡く素朴な野花のように衒いなく笑っていた。

    その顔を見て日車は「ああ」と思った。
    この「ああ」の二文字をつぶさに解体して文脈を着飾り、明朗に紐解いてやることはちょっと難しかった。ともかく感嘆とも、また息継ぎのための溜息的余韻とも違った。「ああ」とぬるま湯の温度をした充足が全身に浸透するように思ったのだ。

    「…………好きだよ。日車のこと。生きてる間はずっと、俺のそばにいてほしいくらい。……それだけ、アンタが好き」
    「…………」

    「好き」と青年の唇がこの単純な組成をして、かつ透き通るほどに瑞々しい真情を象ったなら、自分はどうなるのだろうか。日車は一切と言ってよいほど、脳みその切れ端だけでも考えたことがなかった。

    無意識に夢見る心を、この極端な生活から遠ざけていたし、自分が見てよい夢だとも思っていなかったからだ。こんなことは地球最後の日でもあり得ないと、心のどこかで諦めていた。

    しかし虎杖は今、他愛無く日車の愛に応えた。
    実に容易く、軽い抓みをチョイと捻るほどの労力もない簡単な仕事であるかのように、日車が開こうとして、実のところ今まで手を伸ばしあぐねていた最後の扉を開いたのだ。鍵なんて本当は掛かっていなかったみたく、彼は身軽だった。

    世界は終わりも変わりもしなかった。
    変わったのは日車の心だけで、それはひとつの長く小暗い過程を修了して、突如目の前に現れた小さな一段を上るために踏み出した足を、一歩分だけ持ち上げる力強さを齎した。

    「……惚れたが負けならば、俺は君に負け通しだな」

    日車は緩めた口元で溜息を吐くように穏やかに笑った。何か、大きな荷物を下ろしたばかりのような、それはどこか晴れ晴れとして、肩肘張らない楽な座り方にやっと気づいた顔だった。

  • 35面会26/06/01 23:58:38

    「────手紙。とりあえず、手紙書くから!」

    面会の終わる間際。アクリル板の奥の方で日車が面会室の敷居を跨ぎ、日の当たらない三畳へと引き戻される手前、虎杖は今目が覚めたような唐突さでそう叫んで、男の足を引き止めた。

    「だから、日車も俺に手紙書いて! それで……、仮釈放、どうするのかちゃんと教えてよ。……どんな返事だって、いいからさ────」

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