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シンガポールのIR観光戦略を体現するマリーナベイ・サンズ


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シンガポールのIRについて

シンガポールにおけるIR (※)は、2010年の以下2事業者による開業が初であり、2026年5月現在に至るまで、IR経営のライセンスを付与されているのは当該2事業者のみとなっています。

① マリーナベイ・サンズ(事業者 ラスベガス・サンズ)
② リゾート・ワールド・セントーサ(事業者 ゲンティン・シンガポール)

シンガポールのIR運営を規定する「Casino Control Act」では、IR事業者の選定やライセンス更新に際し、観光産業への貢献度が重要な評価項目として定められています。
そのため事業者は、カジノのみならず、ホテル、MICE、商業施設、エンターテインメント施設など非ゲーミング分野の充実にも継続的に取り組んでいます。

※ IRとは、カジノ施設のほか、ホテルや劇場、国際会議場や展示会場等のMICE施設、ショッピングモール等が集まった複合的な施設を指すものであり、Integrated Resortの頭文字の略で、統合型リゾートとも呼ばれる[1]。

 マリーナベイ・サンズ概要

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マリーナベイ・サンズは都心からほど近いマリーナ・ベイエリアに位置し、ホテル棟、ショッピングモール/MICE棟、美術館などからなる、総敷地面積12万㎡の大型IRです。

マリーナベイ・サンズの主な施設には、以下のようなものがあります。 

・ MICE「サンズ・エキスポ&コンベンションセンター」

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マリーナベイ・サンズのMICE施設のエキシビション/コンベンションスペースは、エキシビションホールや大小のボールルームなどからなり、敷地面積は計12万㎡、5フロアを占有します。
収容可能最大人数は 45,000人で、収容可能展示ブース数は最大2,000にもなります。

エキシビションホールの敷地面積は計3万㎡、最大のボールルームは約8千㎡で、コンベンションスタイルにて最大8,000人、バンケットスタイルでは最大6,600人を収容可能です。

中規模ボールルームおよび、会議室も250室完備、ライブやオンデマンド配信できるスタジオや照明なども備えオンライン・オフライン両方でのイベント開催をすることができます。

また、IRという性質を生かし、サンズ・エキスポ&コンベンションセンター内で行う国際会議や見本市などと同時開催のイベントを、IR内の屋上庭園やミュージアムなどでも連動して開催することも可能となっています。

 ・ ショッピングモール「ザ・ショップス (Shoppes)」

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約7万4,000㎡、270のリテールショップや飲食店を擁する大型ショッピングモール。高級感ある館内には、170以上のラグジュアリー・プレミアムブランドが集結しています。 

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ラスベガスの大型IR運営会社ラスベガス・サンズの経営らしく、館内には、来場者が小舟(サンパン)に乗って巡ることができる全長150メートルの運河や、チームラボによる巨大デジタルインスタレーション「Digital Light Canvas」などの大掛かりな演出が施され、訪れる人々に印象的な空間体験を提供しています。

モール内には、2層構造で計1,677席を備える劇場「サンズ・シアター(Sands Theatre)」や、大型ナイトクラブ「MARQUEE」、スピークイージースタイルのラウンジ「AVENUE」などのエンターテインメント施設も併設されています。

さらに別館として、マリーナベイの水上に浮かぶ球形のAppleストアや、ルイ・ヴィトン初の「アイランド・メゾン」が水上パビリオン内に展開されています。

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ショッピングモール前の「イベントプラザ」では、マリーナベイの水上を舞台に、噴水やプロジェクションマッピング、レーザー演出などを駆使した約15分間の無料ナイトショー「スペクトラ(SPECTRA)」が毎晩開催されており、観光客の呼び込みに一役買っています。

 ・ マリーナベイ・サンズホテル

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日本では特に屋上庭園「サンズ・スカイパーク(Sands SkyPark)」やインフィニティプールで広く知られているマリーナベイ・サンズホテルは、客室数は2,500室超のシンガポール最大級のホテルです。

55階建ての高層ホテルタワー3棟の上に巨大な船が乗ったようなデザインで、遠くからでも目に入るその特徴的なかたちがマリーナベイ・サンズをシンガポールのランドマークたらしめています。

 ・ アートサイエンス・ミュージアム

蓮の花をモチーフにした象徴的な建築で知られる美術館。総床面積約5,000㎡におよぶ館内には、チームラボによる常設展「Future World: Where Art Meets Science」を含む21の展示ギャラリーを備えています。



マリーナベイ・サンズこぼれ話

筆者は2018年にマリーナベイ・サンズCEOジョージ・タナシェビッチ氏にインタビューした経験があります。(ASIAX 2018年5月27日)
その際お聞きした内容では、マリーナベイ・サンズ全体のわずか3%ほどの敷地を占めるカジノの収益が、巨大IRのそれの70%を占めているとのことでした。

マリーナベイ・サンズは、2020年のカジノ事業者ライセンス更新に先立ちIRアップグレード計画を政府に提出し、承認されていましたが、新型コロナ禍のため、延期・変更され、現在は新たなアップグレード計画が進められています。

シンガポール居住者としは、マリーナベイ・サンズは、都心からの交通は利便ですが、周囲に他の商業施設はなく、ローカルが足を運ぶことはあまりない印象です。
カジノも、シンガポール国民と永住権保持者は1日S$150シンガポールドルの入場料を支払わなければならず、ゲームの掛け金も割高なものがほとんどであるので、カジノへ足を運ぶのはあまり一般的とは言えない様子です。



データはすべて2026年5月現在のもの。

本記事記載のマリーナベイ・サンズに関する情報は、脚注が付いているもの以外はマリーナベイ・サンズファクトシートによるものです。
Press Releases and Factsheets | Marina Bay Sands

出典:
[1] 財務省広報誌「ファイナンス」2023年7月号


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シンガポールのIR観光戦略を体現するマリーナベイ・サンズ|Tamami Persson(パーソン珠美)
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