自立支援施設「ここから」のこれからを支えて 15日からクラファン
自信を失った子どもたちが共同生活を送る、滋賀県長浜市余呉町上丹生の寄宿制自立支援施設「子ども自立の郷ウォームアップスクールここから」が生まれて20年になる。廃校になった小学校舎を活用し、昨年はネットのクラウドファンディング(CF)で集めた資金で雨漏りする屋根などを修繕した。今月15日から改めてCFを実施し、スタッフの安定した雇用を図る。
NPO法人の「ここから」は元幼稚園教諭の唐子恵子理事長(69)とボランティア指導員の男女2人で運営。他人とのコミュニケーションが苦手で学校に行っていない中高校生などの共同生活を地域の人たちの手を借りて支える。
炊事、洗濯、掃除など、子どもたちがすべて自分たちでこなす。木工、陶芸、さをり織りなどを学ぶほか、近くの山や清流、琵琶湖で遊ぶなどして過ごす。
施設は1952(昭和27)年に設けられた旧丹生小学校の木造かわらぶき校舎を活用している。同校は2005年3月、学校統合で閉校になり、「ここから」は翌06年6月、校舎と土地を無償で借りた。
築70年以上の校舎は、ぬくもりが感じられる。だが、豪雪地帯のため傷みも著しい。天井のあちこちが雨漏りし、雨のたびにバケツやたらいを持って廊下や階段を走り回るような状態だった。小動物も出入りしていた。
修繕費用はままならず、コロナ禍を経て資金繰りも悪化して24年8月に活動を一時休止した。
昨年4~6月にCFを行い、157人から計320万5千円が寄せられた。屋根のほか、玄関や昇降口の扉も修繕・交換し、子どもたちの受け入れを再開した。
それでもスタッフの人件費まで賄えない。市などから補助金はなく、安心して働ける環境を整えたいと改めてCFを始めた。7月31日まで、「CAMPFIRE」で500万円を募る。
「ここから」は「自分らしく歩み出す力」を養うことを目的にしている。これまでに全国から115人を受け入れた。
拒食症だった女子高校生。好き嫌いがなくなって自分に自信を持ち、留学を経て、海外と日本を行き来する仕事に就いた。いじめで不登校だった男子中学生は、食事作りが好きになり調理師になった。人の目を見て話せなかった内気な男子中学生は、親元を離れて仲間ができ、大学では運動部の主将になった。
「卒業」してからも、休日に来所して近況を報告したり、後輩たちと交流したりなど、活動を支えているという。
「ここから」は今後、悩む親子を対象に短期間での体験プログラムを実施する予定だ。これまでの蓄積も生かし、校外で工作などの教室を開いて活動をPRするという。
唐子さんは「必要とする人の居場所を守り続けたい。私たちの思いや努力だけではうまくいかないことが多いので、皆さんの力を貸してほしい」と、CFへの協力を呼びかけている。
問い合わせは「ここから」(0749・86・3578)へ。
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