【ネタバレ有】OneShot感想殴り書き1
ネタバレ有の感想が書きたかったので殴り書き。
初めに言うと、万人に勧められるゲームだとは思わなかった。
謎解きのメタフィクション要素はどっかで見た感じのものが多く、その手のゲーム好きなら目新しさはあんまりない。ストーリー展開自体も割とよくある感じで、しかも言葉選びのせいか後半は若干わかりづらく感じた。パズルもぬるめでプレイ時間も二週クリア+全実績集めても大体の人が10時間程度で終わるんではなかろうか。
しかしこのゲームはニコが可愛かった。
もちろんネコミミとか一人称(ミー)とか萌え袖とか電球抱えた姿とか無邪気さとかパンケーキ好きな所とか、そういう単純な話ではない。
このゲームではプレイヤーは登場人物の一人である。救世主ニコを、この世界の中心の塔のてっぺんまで導き、世界に光を取り戻す使命を与えられた神様だ。しかし、PCの前にいる自分自身はもちろんこの世界の住人ではないので事情など知ったこっちゃなく、ただ好奇心でニコを動かし物語を楽しむだろう(少なくとも序盤は)。
操作キャラクターであるニコも、非常に近い境遇にある。ニコも気づいたらOneshotの世界で目が覚めていた、どこか別の世界に住むただの子供である。ニコの世界の話は断片的にしか聞けないが、彼の住むところには広大な麦畑があり、家に帰れば優しくて料理のおいしいママが好物のパンケーキを作って待っている。朝には日が昇り夜には沈む。持っている見識もおおよそ自分たちの住む世界のものと似通っている。
ニコも初めは、家に帰りたいとは言うものの、世界を救う事に迷いはなかったように感じた。「塔に太陽を戻したって、世界が修復されるわけじゃない」と心無い事を言われても辞めようとはしなかったし、苦労が多いはずのこの旅自体も楽しんでいるように感じた。
しかし、いざ塔内部へというところで、おなかがすいたニコは道中見つけたカフェでパンケーキを食べる。そして泣く。ママの特製パンケーキが食べたいと泣く。
このゲームをクリアしなくてはならない、ニコを家に帰さなくてはならない、と思わされた。
その後なんやかんやあって、世界を救うとニコは家に帰ることができず、ずっと運んできた太陽(電球)を破壊すればニコは何事もなかったかのように元の世界に帰れる、ということがプレイヤーに告げられる。
自分はその真実をニコに告げた。家を、元の世界を泣くほど恋しがっていたはずなのに、ニコはただただ困惑し、塔のてっぺん、太陽を置く台座の前に立って尚、プレイヤーに一度きりの選択を求めてくる。
太陽を台座に戻し世界を救うか?太陽を破壊しニコを家に帰すか?
この選択肢を突き付けられた時、自分は悩んだ。「世界かニコか」なんていう単純な話ではない。ニコは家に帰りたいという気持ちも、世界をどうにかしたいという気持ちも両方持っている。
太陽を台座に戻した場合は言うまでもない。ニコは永遠にママのパンケーキが食べられないし、小麦畑を拝むこともできない。そもそも太陽が戻ったからといって、この世界がまるっきり救われる訳ではない。そう遠くない未来に滅びる可能性だって残っており、そうなればニコは死ぬ。
太陽を破壊したら、元の世界に戻る。記憶が残っているとすれば、罪悪感に押しつぶされるであろうことは想像に難くない。そうでないとしても、ニコはこの旅路を、出会った人々を、自分とともに過ごした時間をすべて忘れてしまう事になる。当然二度と会うこともできない。それが本当に幸せな選択なのか?
悩んだ。悩みに悩んでカーソルを動かすと、それに合わせてニコは不安そうに目線を泳がせる。わかる。不安だろう。選べるわけがない。ここまで偉そうに導いてきた自分が、決めてあげなくてはならない。
…さんざん悩んで出した結論は、太陽の破壊だった。ニコは選択を受け入れ、ゲームの画面を抜けて、家へと帰っていった。エンドロールでは、世界から光が失われていく様が、まるで自分の選択を責めるように流れる…。
すがるようにゲームを再起動すると、案の定、エラーを吐いて落ちる。
ニコが無事家に帰れたか心配する。あの世界の住人に対して申し訳なく思う。
自分の行った選択は本当に正しかったのか?と何度も考える。
もうここまでで、してやられたという感覚があった。
メタフィクション的な演出は、単にパズルに目新しさを出すためのものではなく、「この選択肢は絶対にやり直せない」と自然に思わせるためのものだったんだ、と理解した。
二週目以降の話→次の記事


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