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ドン・キホーテが、水500mlを40円で売るPBを6月から始めます。 パッケージは白と黒だけ。カラー印刷を廃止することで、今まさに値上がりしている「包装コスト」を圧縮しました。 ペットボトルは石油からできています。正確には、石油を精製する過程でとれる「ナフサ」という原料が、プラスチックになります。ラップ、容器、ビニール袋も同じです。 今年の春、中東の戦争でホルムズ海峡が事実上封鎖され、その石油の輸送が滞りました。日本はナフサの約7割以上を中東から買っていたため、国内の工場や企業が一斉に原料不足に陥っています。 包装メーカーは5月1日から30社以上が一斉値上げを実施しました。食品の容器、シュリンクフィルム、印刷ラベル。値上げ幅は20〜30%以上という品目も複数あります。 帝国データバンクは、早ければ今夏にナフサ関連の値上げラッシュが本格化すると予測しています。 その状況で、ドンキは「包装にカネをかけない」という判断をしました。 白黒パッケージは見た目の話ではありません。ナフサ由来のカラーインクや塗料を使わない、という材料の選択です。 コストが上がっている部分を最初から設計に入れないことで、値段を上げずに済む。 理屈は単純ですが、これができる企業の条件は厳しい。 大量の商品を自社開発できるPBの仕組みがあること、全国に店舗を持ち販路を自前で確保していること、製造委託先を複数抱えて交渉力があること。 中小の食品メーカーはそのどれも持っていません。 経済産業省に寄せられたナフサ関連の相談件数は、5月時点で1万2000件を超えました。原料が「前年比1〜2割しか入らない」という中小メーカーも実在します。値上げを取引先に通告されても、消費者への転嫁を恐れて価格に乗せられない。 同じ「ナフサ危機」を前にして、一方は「逆手」にとれる会社があり、もう一方は「業務継続が危ぶまれる」会社があります。 水40円の裏にある話は、小売の工夫というより、インフラを持つ企業と持たない企業の間に開いた差の話です。 ドンキの判断を批判したいのではありません。市場の論理として、やれる会社がやる、それは正しい。 ただ、消費者として「安い」だけを見ていると、同時に起きていることを見落とします。 今年の夏以降、スーパーやコンビニの棚で「値上げ」や「内容量変更」の知らせが増えるとすれば、その多くはこのナフサ不足と直接つながっています。 ペットボトルが高くなるのは、飲料メーカーの都合ではなく、容器の原料が足りなくなっているからです。 白黒の袋にYマークが入ったドンキの商品を見たとき、それは「安いPB」ではなく「原料不足の時代に設計された商品」として読む視点を持っておくと、次に値段が変わるものが少し予測しやすくなります。
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日本経済新聞 電子版(日経電子版)
@nikkei
ドンキが白黒包装の低価格PB ナフサ不足逆手に、水500mlで40円 nikkei.com/article/DGXZQO