「どんな償いをしても償えない気持ちでいっぱい」
沖縄県名護市辺野古沖で船2隻が転覆し、同志社国際高校(京都府)2年、武石知華(ともか)さん(17)ら2人が犠牲になった悲惨な事故から2カ月。2隻を運航した抗議団体「ヘリ基地反対協議会」の仲村善幸共同代表は現場海域を望む「瀬嵩(せだけ)の浜」で献花し、こう語ったと、地元テレビ局のニュースが伝えていた。
取材できたのは一部メディアだけだったようだが、筆者がその場にいたら間違いなく、仲村氏に問うていたであろう。あなた方にとって「償い」とは何かと。
「さだまさしの『償い』という歌を聴いたことがあるだろうか」。平成14年2月、東京地裁で開かれた銀行員の暴行死事件の公判。判決言い渡し後の裁判長の説諭が知られている。
『償い』は交通死亡事故を起こした青年が、命を奪った男性の妻に毎月給料の一部を仕送りし、7年目にして謝罪を受け入れた、その妻から手紙を受け取るという歌だ。裁判長は少年2人にこう諭している。
「歌詞だけでも読めば、なぜ君らの反省の弁が人の心を打たないか、分かるだろう」
抗議団体は今月1日、ホームページ(HP)に「お詫(わ)び」を掲載。《現在、私たちは捜査機関および関係機関の調査に全面的に協力している》《尊い命を失うという取り返しのつかない結果を招いたことを重く受け止め、ご遺族・被害者の皆様に対し、誠心誠意、責任を果たすべく全力を注いでいく》などと記した。
言葉を選ばずに言えば、どの口が言うのかと思う。抗議団体は国土交通省側の聞き取りを拒否しているからだ。書面による照会には応じているというが、それで「調査に全面的に協力している」と言えるのか。
亡くなった女子生徒を乗せた抗議船「平和丸」の男性船長に至っては、刑事事件への影響が懸念されるとして当局の聞き取りに一切応じておらず、今後も事実確認すら困難な状況だという。巧言令色鮮(すく)なし仁。「誠心誠意、責任を果たす」が聞いてあきれる。