私たちが初めて国会前デモに参加した理由 あるカップルの思い
東條由梨香さん(36)は10年ほど前にアイドルの「推し活」で使ったペンライトをクローゼットから引っ張り出した。かろうじて光った2本を手に、同居する兵頭実憂さん(33)と連れだって4月8日、国会前デモに向かった。二人にとって初めてのデモだった。
高市早苗首相が意欲を示している憲法9条改正などの動きに抗議するデモが、各地に広がっている。国会前では数万人規模となり、初めて参加する人も多い。
この時参加したのは、市民グループ「WE WANT OUR FUTURE」(WWOF)が主催した「平和憲法を守るための緊急アクション」。平日の夜にもかかわらず、主催者発表で約3万人が参加した。
政治が「自分ごとに」
二人はレズビアンカップルだ。日本では同性婚は法的に認められておらず、税や社会保障、相続などで得られるべき権利が保障されていない。
2022年には、東京都が始めた性的マイノリティーのカップルを婚姻相当と認める「パートナーシップ宣誓制度」に届け出た。法的効力はないが、パートナーが病気の時などに病院で家族として扱ってもらいやすくなることなどを考えた。
会社員の兵頭さんは20代のころ、政治が自分の生活に直結しないと感じ、「この人よく見かけるな」という感覚で投票先を決めていた。20年に東條さんと出会った。二人の将来を考えるようになった時、「この国は同性婚が認められていない」と気付かされた。政治が「自分ごと」になった。
製造業の技能職として働く東條さんは、セクシュアリティーに関することにはアンテナを張っていたが、それ以外の政治の動きにはあまり意識を向けていなかった。結婚できない不満はあったが、平穏な日々を送っていた。
ところが、昨年の参院選で一部の候補者らが外国にルーツがある人や性的マイノリティーに対し差別的な主張を繰り返す事態に心がざわついた。「政治についてもっと考えなくては」と思うようになった。
「真っ先に排除される」
社会に関心を向けつつも、デモに対しては「ヘルメットをかぶって機動隊とにらみ合うような」怖いイメージがあり、参加したことはなかった。
そんな中で昨年10月、高市首相が誕生した。政権が目指す…
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