共産党の田村智子委員長は28日の記者会見で、沖縄県名護市辺野古沖での船転覆事故を巡り、同志社国際高(京都)の平和学習を教育基本法違反とした文部科学省の対応を「あまりに拙速で、踏み込み過ぎた判断だ」と非難した。共産党は地方支部が転覆船を運航したヘリ基地反対協議会の構成団体になっている。田村氏は事故の発生に関しては、「子供の命を守らないといけないのが大前提。安全を確保できていない船に乗せてしまったこと自体が重大な誤りだ」と重ねて謝罪した。
政治的中立かは年間通じて判断を
ヘリ基地反対協は、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する団体。転覆事故では、ヘリ基地反対協が運航する抗議船に乗っていた平和学習中の同志社国際高の女子生徒が亡くなった。文科省はこうした経緯や同校への調査を踏まえ、同校の平和学習は「特定の見方・考え方に偏った取り扱いであった」と認定した。
田村氏は会見で、政治的活動を禁じる教育基本法14条について、特定政党への支持・不支持を教え込むことを禁じる抑制的な規定だとの見解を示し、「これまで文科省は政治的中立性を理由に踏み込んだ指導をしてこなかった」と主張。同校の平和教育が教基法に違反していたかどうかは、「一つの研修旅行だけではなく、年間や3年間を通じ、どういう学習が行われているのか(で判断すべき)」と訴えた。
ヘリ基地反対協は「非暴力」
文科省の報告書によると、今年の研修旅行では、事故で死亡した抗議船の船長から「ここから入るなよっていうエリアがある。あえて入っていって抗議する」などの発言があった。また、2015、16、18年の研修旅行のしおりには、抗議のための「座り込み」を生徒に呼びかけているヘリ基地反対協の文章が掲載されていた。
田村氏は、「船長の発言は自己紹介として述べていること。抗議活動に高校生を参加させる意図をもって行われたものではない。研修の中で抗議活動への参加は一切呼び掛けているわけではない。報告書の中身自体が非常に疑問を感じる所が多々ある」と指摘した。
会見では、事故をきっかけとして「辺野古新基地建設反対運動」や玉城デニー沖縄県知事に関するデマが拡散しているとの質問もあった。田村氏は「事故を政治的に利用するような情報拡散であってはならない。反省すべき点は反省し、再発防止を図るべきだが、新基地建設反対の立場は貫く」と強調した。
抗議活動のあり方については、「ヘリ基地反対協は発足当初から非暴力を掲げてきた」と説明。「法律を犯してよいという立場では決してない」とした上で、「人命が失われたことは重く受け止め、事故原因を検証しなければならない」と語った。(奥原慎平)