(引用元:NASA)
今回紹介するのは、「自由浮遊褐色矮星(free-floating brown dwarf)」を描いた想像図です。暗く赤みがかった宇宙空間の中に、濃い灰色の天体がぽつんと浮かび、周囲に恒星も惑星も見当たらない、少しさびしげな光景が表現されています。
- Image Credit: Credits: NASA/JPL-Caltech
- NASA - Free-floating Failed Star (Artist Concept)
褐色矮星は、木星よりはずっと重いものの、通常の恒星になるには質量が足りなかった“中間的な天体”です。中心部の温度や圧力が十分に高くならないため、水素の核融合を安定して続けることができず、「恒星になり損ねた天体=失敗した星(failed star)」とも呼ばれます。いっぽうで、誕生直後の余熱(重力収縮による熱)や、ごく一時的な重水素の核融合によって赤外線でとらえられる程度の光と熱を放ち、時間とともにゆっくり冷えて暗くなっていきます。
この想像図に描かれているのは、恒星のまわりを回るのではなく、どの恒星にも束縛されていない「自由浮遊(free-floating)」の褐色矮星です。こうした自由浮遊天体は、星の誕生領域からはじき飛ばされたのか、それとも最初から単独で生まれたのかについては、今も議論が続いています。
スピッツァー宇宙望遠鏡などによる観測データにもとづいて作成されたこの画像は、非常に冷たい褐色矮星(Y型褐色矮星)の性質を調べた研究をイメージしたものです。観測によると、対象となった褐色矮星の表面温度はおよそ摂氏125〜175度と、「以前の予想よりも暖かい」ことがわかりました。とはいえ、恒星としてはきわめて低温ですが、木星(マイナス140度以下)のような惑星と比べれば遥かに熱く、太陽のような恒星とは比べものにならないほど冷たい、まさに「恒星と惑星のあいだ」に位置する天体だと言えます。
※…本記事の内容は、2013年9月に発表されたスピッツァー宇宙望遠鏡の観測結果にもとづくNASAの解説および関連資料をもとにしています。
編集/sorae編集部
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