中国国防相、シャングリラ対話を2年連続欠席 格下を派遣 中国脅威あおる枠組みと警戒

中国の国旗(三塚聖平撮影)

【北京=三塚聖平】シンガポールで29日夜に開幕するアジア安全保障会議(シャングリラ対話)に、中国は国防相派遣を2年連続で見送った。中国は、シャングリラ対話について米国が対中警戒を広げる舞台だとみなして距離を置いており、自国で立ち上げた安保対話を対抗軸として重視するようになっている。

中国国防省の蒋斌報道官は28日の記者会見で、シャングリラ対話に中国人民解放軍に属する国防大学の孟祥青教授をトップとする代表団を派遣すると発表した。董軍国防相は昨年に続き欠席する。シャングリラ対話には米国からヘグセス国防長官が出席するが、注目されていた米中国防相会談は開催の機会を失った。

昨年の代表団トップは国防大学の胡鋼鋒副校長が務めていた。孟氏も胡氏も軍内での階級は少将だが、香港紙の明報(電子版)は、孟氏について「(ランクは)胡氏よりも低いようだ」と指摘。シンガポール紙、聯合早報は、今回の中国代表団の格が2007年以降で最も低いという見方を示した。

中国は02年に始まったシャングリラ対話に07年から代表団を派遣し、11年には初めて国防相を送った。19年には8年ぶりに国防相が出席。20年と21年は新型コロナウイルス禍で中止となったが、22~24年は国防相が出席していた。

シャングリラ対話では例年、台湾や南シナ海といった問題で中国に批判的な発言が出ており、中国当局はいらだちを募らせている。昨年はヘグセス米国防長官が演説で、中国の脅威が「差し迫っている」などと述べ、中国外務省が「強い不満と断固とした反対」を表明した。中国政府系のニュースサイト、中国網は昨年6月、シャングリラ対話について「米国が『中国脅威論』を押し売りする場とみなしてきた」と警戒をあらわにした。

中国は、06年から北京で開く安保対話「香山フォーラム」を、シャングリラ対話の対抗軸と位置付ける。香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは今月26日、香山フォーラムについて「(中国当局は)シャングリラ対話への対策と、中国の安保上の立場を示すため設立した場をますます重視している」と分析した。

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