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【繋ぎ目】/ディスリスペクト

ep9とくっつけました

続いて突入第二回層。内装は...まあ一回層目とほぼ変わらないな。()()()

「げぇ?!んだこの階層...変に真っ赤でなんかぬめぬめしてるし...気色悪ぃ」


そこには赤黒く血塗られた根がひたすら地面や壁、天井に張り巡らせられていた。どうにも邪魔なので基礎的な火炎魔法で燃やそうとしてみたが...


「だめですね。変に濡れてるせいで燃え広がりにくいっす。」


『首枷』からの『処刑台(ギロチン)』も試してもらおうと思ったが...


「さすがに対象が根全部となると数が多すぎるし、魔力切れするとあとのボス戦がなぁ...」


とまあ他にも色々試してみたがそんな事するなら歩いたほうが早いので結局諦め

走り回るにも根に足がとられて面倒なので、しかたなく歩いて散策することにした。

.........

......

「こう考えると、ゆっくり歩いてダンジョン周るなんて久々じゃないか?」


歩いていると鏡夜先輩がそんなことを言い出した。


「そんなのんびり歩いてたのって4年くらい前の話ですよ...そんな懐かしむことっすかね?」

「でもその時お前中2だろ?十分懐かしくないか?」

「最初2年は生活費の獲得、1年はハンター+学生慣れ、んで今普通に生活してるって感じなんで、正直4年なんてあっという間ですよ。」

「確かにw特に最初の2年、あの頃のお前必死だったなぁ〜」

「人が不幸だった頃を笑わないでください...」


まあ、なんて言ってみたもののオレ自身はそこまで自分のことを不幸とは思ったことはない。ならこの魔物時代、オレなんかよりもっと不幸なやつだっているだろう。

そんな話をするうちに気付けばボス部屋の巨大な扉が見えてきた。


「...不幸だなんて言ってみましたけど、訂正します。その不幸がなければ今のオレはありませんから、結構悪くないと思えましたよ、この4年間。」


「そりゃよかった!さ、もうすぐボス戦だ。その満足な人生、もっと楽しんでこう!」

.........

......

...扉を開けると一番最初に目に入ったのは、明らかに大きすぎる球体上のフィールドだった。ここまで攻略してきたのは二階層分。深さはせいぜい7〜9mほど。だが半径は50m以上はあるだろう。


少しずつ、このダンジョンの異常性が日常に亀裂を入れ始める。

.........

......

「なぁんか...広くないっすか?」


「だよねぇ...ダンジョンがフツーに地面から突き出る高さっていうか...」


「んであれが...ボス?っすよね...」


オレがさしているのは、フィールドの底に根付く苗のようなもののことだ。先ほどまでの階層に張り付いていた大量の根と同じ真っ赤な見た目をしている。

だが明らかに小さい。家庭用の鉢植えにすっぽり入りそうなくらいだ。


「まあ、こういうのは」

「大抵...」

と、お決まりを話そうと思っていたら、案の定、苗が怪しい動きをしながら急速に成長し、天井に届くかほどの大きさに巨大化した。地面はとてつもない太さの根に侵食され完全に砕け散った。

「まあ、だいたい知ってたぁ~。にぃしてもデカすぎじゃない?」

「デッケェ木のボスって言ったら...『世界樹』の部類じゃ...」

......

...

『世界樹』

周囲の魔力をもとに急速に成長する魔物の一種。人間のダンジョンへの進行開始後、数分でボス部屋のボスの身体を侵食し苗となり出現。放っておけば三十分もしないうちにダンジョンから飛び出し、都市を巻き込んでさらに成長する。

...

......

「ある程度早めに階層下れててよかった。ちょぉっと遅かったら更に成長してメンドーになってただろうね。」

「世界樹ってだけでも十分面倒ですよ。『零の双刃』」


オレは短剣を構えすぐさまオレたちは戦闘態勢をとる。すると世界樹の幹が らせん状にねじれていき、オレたちの方にウロのようなものを向けた。ウロの中にはえんじ色の球対が浮き、中心には爬虫類のような鋭い瞳。その球体はギョロリとオレたち二人を捕らえた。途端室内に轟音が鳴り響く。世界樹の鳴き声だ。


「さあ...コイツが外でないうちにさっさと終わらせましょ。」


と戦闘態勢を取ると同時に、世界樹も行動に移る。大量に生えている真っ赤な葉を硬質化し、こちらに向けて飛ばしてきた。オレは防御術式(シールド)と短剣で防ぎながら、鏡夜先輩はまず防御もせず真っ黒なノイズを引き延ばし葉を叩き落しながら、そのまま次に葉を飛ばすであろう大きめの枝を切り落とした。

(やっぱチートっしょ、センパイの《世界への侮辱(ディスリスペクト)》...!)

......

.........

世界への侮辱(ディスリスペクト)

いくらでも薄く広がる特殊物質「ノイズ」を好きなだけ出し好きなだけ操ることができるスキル。「ノイズ」に厚みを持たせ触手のように振り回してもよし、ひたすら薄くして切断技と使用してもよし。おまけに破壊不能である。歪鏡夜自身が「ノイズ」の本質を完全に理解したなら、異能力社会の完全なる頂点に立っていただろう。

.........

......

()を飛ばす連射速度を世界樹はひたすら上げていく。台風のように殺意が吹き付け、葉をぶち当てようとさらに速度を上げる。

さっきまでは何とか防御術式シールドと短剣で防ぎきってたけど...さすがにそろそろホントにヤバい!

何枚かは顔や手の甲をかすって傷を作っている。一瞬でも判断をミスれば...考えるだけでももうヤバい! その瞬間後ろから風を切る音が聞こえた。もしかしてぇ...オレがさっき後ろに弾き飛ばしてた葉じゃねぇ...?

(一枚一枚別々に操れんのかよォ...やべぇしぬぅ...!)


なんて思ったら、オレは一瞬にしてドーム状の何かに閉じ込められた。というか守られたのか?

「だいじょーぶ? ケガしてない?」

どうやら鏡夜センパイが「ノイズ」を使ってオレを覆ってくれたようだ。やっぱ使い勝手良すぎるだろあのスキル...

ふと周りの音に耳を向けると葉が風を切る音が小さくなっている。なんだ?

「ホント助かりました!あざっs...」

シェルターが解けオレが一歩前に足を出した瞬間、落ち着いたからようやく気付いた。

鏡夜センパイの「ノイズ」が世界樹の葉が生えていた枝という枝をすべて切断しきっていたのだ。世界樹は痛みに悶え体を大きく揺らしねじっていた。

「えぇ~...」

「お前がてこずってる間に、きれーにお手入れしといてやったぞー♪」

...やっぱこの人チートだろ...多分こっからラストスパート、せめてちょっとでも役に立てるといいんだがなぁ。

.........

......

一話1200文字程度で二話更新するごとに一個前のお話とくっつけるって形をとっておりますので、そこんとこご理解のほどオナシャス

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