退院後の生活
体に関して
とにかく全てが黄色のフィルターが掛かったように見える。
入院時よりはだいぶ良くはなったが、下半身はまだ腹水が抜け切れてはおらず浮腫んでいる。
陰嚢は小さくはなってきてはいるが、入院前の大きさと比べるとまだ結構大きい。
胸はますます大きくなってくる。
これではTシャツが着れない。指は箸も使えない、プルタブを引くこともできない、ペットボトルのキャップを開けることもできない。
なにより直ぐに疲れる。
猫トイレのペットシートを交換するだけで息が上がって動けなくなる。つま先が痺れて内側に丸まるようになる。
頭に関して
たぶんまだ肝性脳症が治り切っていなかったと思う。
入院ボケが抜け切れていないようで、今自分が病室にいるのか自宅の自室にいるのか混乱する。
パートナーに退院する用意のことを話すと「もう退院して、家に戻っているんだよ!」と言われる。
「ここは病院なのだろうか?」と部屋を出て、病院ならば病室の入り口の横にマスクの箱や消毒液のポンプが壁に付いているので、何度も確認をしに玄関のドアを開けに行く。
自室と病室が量子もつれでも起こっているのかとオカシナ方向に考え、数式を書き始めたりする。
病院に連れ戻されるのが嫌なので、一生懸命正常な人のフリをする。
まさに変人の奇行だ。
こんな状態が3週間は続いた。
2週目辺りから歩くリハビリを始めるが、初日は地球の自転に付いていけないくらい、地面が斜めになってしまい歩くどころではなかった。
そのうちそれも克服して家の側にある遊歩道(首都高7号線の下)を毎日少しずつ距離を伸ばしながらゆっくり歩く練習を始める。
食事に関して
面倒臭いので詳しく書かないが、今より肝臓が悪化しないものを選んで食べる。
1日の水分摂取量が500mlから1Lまで飲めるようになった。
もちろんアルコールは飲めない。1食抜くと健康な人が丸三日食べないときの疲労と同程度らしいので欠かさず食べるようにしている。
なので内視鏡検査(特に大腸)のときは2食抜くので本当に疲れる。
この生活が死ぬまで続くのかと思うとウンザリする。


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