「国家情報会議」設置法が成立 政府、スパイ防止法を本格議論へ
インテリジェンス(情報収集・分析)の司令塔機能を担う「国家情報会議」設置法は27日、参院本会議で与党に加え、野党の国民民主、公明、参政の各党などの賛成多数で可決、成立した。政府は7月にも事務局となる国家情報局を立ち上げる見通しで、さらなるインテリジェンス改革に向け、外国勢力による諜報(ちょうほう)活動などを取り締まる「スパイ防止関連法」や独立した諜報機関「対外情報庁(仮称)」の創設に向けた議論を本格化させる方針だ。
衆院では中道改革連合が賛成したが、参院では立憲民主党が反対に回った。共産党、れいわ新選組も反対した。
国家情報会議は首相をトップとする閣僚級の会議体で、警察庁、外務省、防衛省、公安調査庁など既存の情報組織の「縦割り」を排し、政府全体の情報を集約・分析する機能を強化する。事務局として内閣官房の内閣情報調査室を「国家情報局」に格上げし、総合調整機能を付与する。
参院内閣委員会の審議で、野党は情報機関の権限強化に伴って国民に対する監視が強まり、憲法が保障する表現の自由やプライバシーの権利が侵害される懸念があると追及した。
高市早苗首相は27日、首相官邸で記者団に、「本法律は行政機関相互の関係を律するもので、そのようなリスクを高めるようなものではない」と否定した。一方、26日の内閣委では、国家情報会議で中長期的な活動方針に関する文書を取りまとめ、国民の権利侵害を防ぐ方策なども盛り込む意向を示した。
立憲民主は、政府案は権利侵害の防止措置や民主的統制が不十分だとして修正案を提出した。修正案は、権利侵害や情報活動の政治的中立性について検証する独立機関の設置を要求。国家情報会議の活動状況を少なくとも年1回、国会に報告することなども求めたが、反対多数で否決された。
一方、与野党はプライバシーなどが無用に侵害されないよう十分な配慮をする▽首相や官房長官らは所掌事務と無関係な情報収集依頼を行わない▽政治的中立性を損なう情報収集は行わない――ことなどを盛り込んだ付帯決議を可決した。
首相は記者団に「付帯決議も踏まえて運用をしていく」と説明。法成立をインテリジェンス改革の「第一歩」とした上で、維新との連立政権合意書に盛り込んだスパイ防止関連法などを念頭に、「さまざまな意見をしっかりとうかがいながら一つ一つ丁寧に、かつ着実に検討を進めていく」と意欲を示した。【飼手勇介、原諒馬】
首相官邸に入る高市早苗首相=2026年5月27日午前9時58分、平田明浩撮影
国家情報会議・局のイメージ
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