元保健師が高齢者の5千万円を不正引き出し…長崎・五島市が第三者委報告を公表、訪問ルール未整備が要因

長崎新聞 2026/05/27 [12:15] 公開

2013年と17年に長崎県五島市の元保健師が高齢者宅を訪問して通帳やキャッシュカードを盗み、現金計5010万円を不正に預金口座から引き出した問題を巡り、同市は26日、外部の有識者でつくる第三者委員会の報告書を公表した。それによると、元保健師は1人で訪問した際に犯行に及んでいるが、市は単独訪問のルールなどを設けておらず、上司も業務の実態を把握できていなかったことなどが要因と指摘した。

 第三者委は市議会の要望を受けて市が今年1月に設置し、委員は大学教授、弁護士、公認会計士の3人。元保健師が高齢者2人から通帳などを盗み、不正に現金を引き出した問題について職員アンケートなどを通じて調査し、再発防止策を検討した。今年3月に報告書をまとめ、市に提言していた。

 報告書によると、元保健師は高齢者宅の訪問記録をほとんど作成していなかったという。このため上司の管理も十分行き届いておらず、事件の要因と認定した。また職員ヒアリングの結果、組織的な対応が必要な問題との認識が低かったと推察。市役所全体でコンプライアンス(法令順守)に関する当事者意識が欠如していたことも要因とした。

 再発防止策として、訪問業務のルール整備や上司による業務管理の充実、法令順守に関する職員への定期的な調査などを挙げた。

 市は「報告書を真摯に受け止め、全庁的な再発防止策を作成、公表する」としている。