高級メロンのドカ食いで「21歳で痛風」に…江夏豊が明かす“壮絶な偏食人生”。夜中にドーナツ12個、週9回は焼肉
シーズン401奪三振、両リーグでのMVP獲得などの大記録を残し、「プロ野球史上最高の左腕」と評される江夏豊氏。78歳になった江夏氏の最後の書き下ろしとなった書籍『江夏の遺言』(江夏豊・松永多佳倫の共著、小学館刊)が話題を呼んでいる。同書では「オールスター9連続奪三振」「江夏の21球」など、球史に残る名場面を振り返ったほか、各球団での衝突と軋轢の真相、さらには引退後に起こした「過ち」からの再起の日々を赤裸々に明かしている。
※本記事は『江夏の遺言』から本文の一部を抜粋、再編集したものです。
自分たちの頃は昭和の興行の象徴としてプロ野球があったこともあり、ただ飯、ただ酒、ただ女という言葉があった。相撲界のタニマチからの慣わしで、例えば地方に行ったりすると地元の関係者からあてがわれたりする。俺はそういうのが大嫌いで一切応じなかった。飯は自分のお金で食い、好きな女を自分で口説くもんだと一貫していた。
女性というものは、やっぱり自分で口説いていく過程が面白く、何回も通うことは性格的に好きじゃなかったけれど、自分が想った女性と会いたいからいいピッチングをしたい。いい結果を出して「おいどうじゃ、勝ったぞ」と誇らしげに言ってみたい。男だったら誰しも持っている感情で、やっぱり好きな女の前で格好つけたいもの。相手に特別なものを求めることもなかった。
この年になれば身体もガタがくる。血糖値が高いため医者からもカロリー制限され、嫁さんのおかげもあってかどうにかこうにか食事制限をして節制している。自分の場合は甘いもんが大好きで、ひとりで糖分を控えることなんてなかなかできない。本当に、嫁さんのおかげだ。
昔みたいに馬鹿食いはしなくなった。まだ独り身のとき、暇つぶしにぶらぶらパチンコに行って帰りにミスタードーナツで一通りの種類を買うと大体12、3個になる。それを持って帰って夜中に食べる。柔らかくて本当に美味しい。そんなときにふと頭に過る。
「次の日に残すと硬くなってまずくなるし、捨てるのももったいないしな」と結局全部食べてしまう。そういう偏食がよくなかった。
野球選手あるあるだけど、やっぱり肉が大好物。肉と魚といえばどうしても肉に目がなく、週のうち八回か九回は焼肉。魚っていったらそれこそ寿司ぐらいしか行かない。夕食は焼肉、ひどいときは昼食も焼肉。肉が悪いんじゃなしにあまりの偏りすぎがダメ。それでも現役時は運動しとったから、まだよかった。運動していれば食事の偏りもある程度カバーできるけど、現役が終わって運動もせずにそういう食事ばかりしてるとやっぱり体に変調はきたすのは当然ちゃ当然。だから今は慎ましい食事をし、体調も戻ってきた。あらためて思うが、毎日の積み重ねはやっぱり大きい。
’71年第1戦のオールスター9連続奪三振はあまりにも有名。前年度の5奪三振、71年第3戦の1奪三振を合わせれば15連続奪三振となる。その記念ボールを手に持つ江夏豊氏
江夏豊が嫌った「ただ飯、ただ酒、ただ女」
焼肉とドーナツ漬けだった現役後の食生活
『江夏の遺言』(小学館)
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1968年生まれ。岐阜県出身。琉球大学卒。出版社勤務を経て沖縄移住後、ノンフィクション作家に。プロ野球界の重鎮のインタビューをはじめ、スポーツ取材に定評がある。著書に『怪物 江川卓伝』(集英社)、『92歳、広岡達朗の正体』、『確執と信念 スジを通した男たち』(ともに扶桑社)、『第二の人生で勝ち組になる 前職:プロ野球選手』(KADOKAWA)、『まかちょーけ 興南 甲子園優勝春夏連覇のその後』、『偏差値70の甲子園 ―僕たちは文武両道で東大を目指す―』、映画化にもなった『沖縄を変えた男 栽弘義 ―高校野球に捧げた生涯』、『偏差値70からの甲子園 ―僕たちは野球も学業も頂点を目指す―』、(ともに集英社文庫)、『善と悪 江夏豊ラストメッセージ』、『最後の黄金世代 遠藤保仁』、『史上最速の甲子園 創志学園野球部の奇跡』『沖縄のおさんぽ』(ともにKADOKAWA)、『マウンドに散った天才投手』(講談社+α文庫)、『永遠の一球 ―甲子園優勝投手のその後―』(河出書房新社)などがある。5月15日に江夏豊氏との共著『江夏の遺言』を刊行した。
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『江夏の遺言』 今まで言わずにいたこと、今だから言えること、今こそ言いたいこと──感謝と後悔の思いのすべてをさらけ出した。 |
| 『92歳、広岡達朗の正体』 嫌われた“球界の最長老”が遺したかったものとは――。 |
| 『確執と信念 スジを通した男たち』 昭和のプロ野球界を彩った男たちの“信念”と“生き様”を追った渾身の1冊 |
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