巨人・阿部慎之助監督の暴行事件、児相・警察の迅速対応も「長女」に批判の声…児童虐待の専門家に聞く
弁護士ドットコムニュース
都内児童相談所に19年間勤務。現在山脇 由貴子心理オフィス代表
巨人・阿部慎之助監督の暴行事件、児相・警察の迅速対応も「長女」に批判の声…児童虐待の専門家に聞く
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補足私の児相勤務時代の経験から、児相が18歳以上の子どもの相談を受ける事はまずありません。今回の件でも電話を受けた職員は、児相は何も出来ないと考えたでしょう。でも子ども本人が助けを求めてきている。何もしない訳にはいかない、けれど児相はもう閉まっている時間外。では、今の時間帯にすぐ動けて、子どもを救う権限があるのは?と考えた時に警察以外に考えられなかったのだと思います。本人に通報すると伝えなかったのは、良くなかったかもしれませんか、「通報します」と言って本人が嫌がったら、何もしない、訳にも行きません。ご本人はこんな大事になるとは思ってはいなくて、後悔もしていると思います。だから、児相がどんな場所で、相談するとどんな事が起こるのか、もっと子どもに知られなくてはならないのだと思います。それは同時に、本当に救って欲しい子ども達に、児相の存在を知ってもらうことでもあります。
10代少女監禁、見守りカメラで動静監視か 児相通告も搬送前に訪問至らず 東京・町田
産経新聞
補足児相が48時間内に現認のルールを守らなかったのは大きな問題です。昨日、一部報道で、児相の児童福祉司の担当ケース数は4年前の調査時と比べ、半減している事が分かっています。人手不足は解消されているはずなのに、なぜ3日後に訪問を予定したのか。知的障害がある子どもであれば、虐待リスクは高くなるので、早急な確認が必要だったはずです。加えて言えば、中学入学後、殆ど登校していなかった、とあります。学校は連絡を取っていた、とは言え、長期不登校に関しては、教育委員会が通告を義務づけてもいます。学校も早期に児相に通告すべきだったと言えます。保育園や小学校、所属で現認出来ない子どもに関する児相への通告は今後徹底されるべきと言えます。そして児相は通告を受けたらすぐに現認に向かう。人手不足はもう理由にならない事を、児相職員は強く意識すべきです。
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補足児相はなぜすぐに訪問しなかったのでしょう。発覚して少女は救われたものの、1日でも早く救出すべきでした。一部報道で、児相の児童福祉司の担当ケース数は4年前の調査の時と比べ、半減したことご分かっています。つまり、人出不足はかなり解消しているという事です。今後は人出不足を対応の遅れの理由には出来ないという事です。児相職員はその事を強く意識しなければなりません。さらに、兄が加担していた事も注目すべき点です。私の児相勤務時代の経験から、両親が子どもの1人を虐待していると、きょうだい達は、その子に対して「なにをしてもいい」という感覚を持つようになります。という事は、今までも虐待事実はあったという事になります。その点は今後の捜査で明確化されるべきです。それによって少々へのケアのあり方は変わってきますし、両親の過去の罪も明らかになるはずです。
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補足父親と結希さんの間に何があったのか。どうすれば救えたのか。一部報道で、結希さんが父親の話をする事を拒否して事や、父親が結希さんの事を激しく叱責していた姿が目撃されていた、とあります。でもそれだけでは保護は出来ません。児相が保護する基準は基本的にきず、あざの有無です。一番問題なのは心の中は見えないという事です。父親の心の中も、結希さんの心の中も。ですが仮に父親の心理テストで結基さんの事を愛せないと出ても、結希さんが父親を拒否していると出てもそれだけで保護する事も難しいです。唯一考えられるとしたら、結希さんが家に帰りたくない、助けを求める事ですが、なかなか思いつかないでしょう。助けてもらえる事を知らなかったかもしれないし、そんな事したら母親が苦しむ、と考えたかもしれません。誰にも言えない悩みや苦しみを抱えている子がSOSを出せるようにするには。そして心の中をいかに重要視するか。課題です。
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補足娘が暴れるのが頻繁であったなら、誰かに相談は出来なかったでしょうか。あるいは、もうしていたでしょうか。娘を刺すまで追い詰められていたのは、誰にも相談できない、と思ってしまっていたからかもしれません。児相勤務時代、やはり子どもが暴れる事に困り、近隣からの警察通報まで相談出来ずにいた母親の中には、「子どもが暴れるのは親の責任だ」と言われそうで、とか、「親なのに、子どもをおさえる事もできないのか」と責められそうだったから、と言う母親もいました。子どもを育てられない。子どもを育てる自信がない。悩んでいるのに、「親なのに無責任だ」と責められると思っている親はまだたくさんいます。相談機関は子育てに困っている親を責めるような事はしないし。その事はもっと知られるべきだし、気軽に相談して欲しいです。何より、この母と娘が関係を修復していけるサポートは手厚くしてあげて欲しいです。
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補足警察から児相への通告の中で一番多いのがDVです。その中で一番多いのが子どもの前での夫婦喧嘩です。近隣から、大人の怒鳴り声がする、と警察に通報が入ると警察は現場、つまりは家庭に訪問します。そこで「単なる夫婦喧嘩です」と説明しても、児相にDVとして通告される場合があるのです。当然、児相に通告が入ると児相は夫婦、子どもも呼び出して面接を行う事になります。大げさ、と思われるかもしれませんが、子どもにとって、両親の仲が悪いのはとても悲しい事で、眼の前で夫婦喧嘩をされると、大人になってからも残るトラウマにもなりかねないのです。子どもの眼の前では喧嘩はしないようにしている、というご夫婦も多いですが、寝たあとでも子どもには喧嘩の声が聞こえている事は少なくありません。子どもを幸せにするには、両親が仲が良いことは大切なのです。その事は、もっと広く知られるべき事だと思います。
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補足保健所の検診で何か聞き出せなかったでしょうか。もちろん検診は子どもの発育を見る場ですが、お母さんの悩みを聞き出せる場でもあります。てすがその為には質問に工夫も必要です。「困っている事はありますか?」だけでなく、「一番可愛いと思え時はどんな時ですか?」と聞いた後に「では一番大変な時は?」。そして赤ちゃんに関する質問だけでなく「お母さんは眠れてますか?」「ゆっくりご飯を食べられる時はありますか?」「一人になりたい時はどうしてますか?」「今、一番楽しい事はなんですか?」「お友達と電話で話せたりしてますか?」。つまりお母さんの日常が見えるような質問を様々な角度からするのです。「この人、何が聞きたいんどろう」と思われる位に。人間は質問の意図がわからないと本音を話してしまうものです。今後、検診で虐待の兆候を見つける為の、職員育成が重要だと思います。
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補足このニュースだけでは過去の虐待の有無は判断できません。どうしたら救えたのか。非常に難しいと思いました。日常的な虐待があったのなら、子どもの泣き声で近隣の方が通報してくれる可能性はありますが、今回の件だけだったとしたら、児相や警察が事前に把握するのは困難です。ただ、日ごろから子どもの安全を考えているなら、壊れた洗濯機を子ども部屋に置きっぱなしにはしないはずです。児相が乳幼児のいる家庭を訪問した時に確認するのは子どもの安全が守られている環境かどうか。ソファの足にクッションがつけられているかなども確認します。それが親の養育能力を見る指標となるのです。仮に、児相が事故以前に関わっていたら、洗濯機の撤去は助言出来たでしょう。これからも、児相は虐待が疑われる家庭の訪問を行い、子どもの安全が守られている環境かを確認してゆく必要があります。そして近隣の方には、積極的に通報して欲しいです。
「生活保護から抜け出せない」何が自立を妨げる? 19歳の女性が見いだした小さな「突破口」
共同通信
補足児相勤務時代に私も虐待を受けた子どもの自立をサポートして来ました。その際、自治体の虐待への理解のなさには何度も苦しめられました。義理の父から性的虐待を受けた高校生の女の子の生活保護申請に行った時には「まず親に扶養照会をしないと」と言われました。そんな事をしたらせっかく逃げて来たのに居場所を知られてしまう。そんな事も配慮してくれないのか。大学に通いながら生活保護を受けた大学生の男の子は記事の女性と同じ状況で、お金も足りないし、働いてばかりで大学生活も楽しくないし、と鬱状態になり、大学を辞めました。虐待を受けた子どもへの自立支援制度がないのをどうして国は改善してくれないのでしょう。虐待を受け、親から逃げ、孤立無援で自立を迫られている子どもたちには国が自立支援の為のお金を支給すべきではないでしょうか。トラウマを抱え、精神症状に苦しみながら、働き、自立を目指す子ども達にはしてあげるべきです。
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提言どれだけ腹がたったのだろう。怒りのコントロールが悪すぎるとしか言えません。怒りのコントロールが出来ない人は改善は非常に難しいです。アンガーマネージメントの本を読んだり、講習を受けた人で、「コントロール出来るようになった」という人に私はほとんど会った事がありません。つまり、この女性保育士は今後も同じ事をする可能性がある、という事です。怒りのコントロールの悪さは虐待につながりやすいのは想像出来ます。採用試験や面接でその人の怒りのコントロール能力を見極める事はほぼ出来ません。だとしたらどうすればいいのか。もちろん、採用試験に心理テストを取り入れる事は有効ですが、なかなかそこまでは出来ないでしょう。だとしたら、子どもからの聞き取りだと思います。怖いと思う先生はいないか。園で痛い思いや、怖い思いをしていないか。理想的には自治体が専門家を派遣し、定期的に子どもからの聞き取りを行うべきだと思います。
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