千葉女子高校の伝統「船の旅」終了 船会社「やむを得なかった」
約70年続く、千葉県立千葉女子高校(千葉市稲毛区)の伝統行事「船の旅」が、今年で終わる。3年に1度、全校生徒が参加し、船を貸し切って東京湾を横断する名物行事だった。背景には、船会社の経営環境が変化していることがある。 【写真】大型客船に乗り込む千葉女子高校の生徒たち=2026年5月14日、横浜市、同校提供 14日朝、生徒たちが大型客船に乗り、千葉港(同市中央区)を出発した。東京湾を横断し横浜に到着し、班ごとに行動。夕方に千葉港に戻った。 3年の須賀七海さん(17)は「甲板で潮を感じながら写真をたくさん撮って楽しかった」。これが学校として最後の船の旅となることに「長年続いた行事がなくなるのは悲しいが、新たなスタートになれば」と語った。 行事が始まったのは1957年。卒業生でもある金内佳子教頭らによると、以前は船内で手旗信号やロープを結ぶ講習があった。「甲板から眺める空や鳥が新鮮に見えた。そんな体験を今後、生徒にさせてあげられないのが残念」と話す。 行事を終えるのは、客船を持つ東海汽船(東京)が、提供できなくなるからだ。 本土―伊豆諸島間の定期航路を運航。島民や観光客が利用するほか、生活物資を運ぶ。伊豆諸島は80年代に離島ブームで観光客が増えたが、その後は減少の一途をたどる。 コスト削減のため、高速ジェット船などの保有数を減らしてきた。高校に大型客船を貸すには、定期航路を2日間休まざるを得なくなるという。東海汽船の担当者は「島民の生活を支える上でやむを得なかった」と残念がった。(伊藤繭莉)
朝日新聞社