ゴールドマン・サックスの内定を断り、なぜ過酷なMLBマイナーリーグへ? 慶応大の外野手が、野球部OBに語った本音「どちらを選んでも…」常松広太郎の挑戦
久しぶりに会った彼は、以前と同じように堂々としていた。 【写真】大谷翔平選手、初の絵本 愛犬デコピン活躍描く
1月、東京六大学野球リーグ慶應大4年の常松広太郎外野手は、横浜市の大学キャンパスで記者会見し、メジャーリーグのシカゴ・カブスとマイナー契約を結んだと述べた。 リーグ戦で合計4本塁打を放った主軸。プロ野球を目指し、プロ志望届を提出したが、昨秋のドラフト会議では指名されなかった。 当初の進路予定は、アメリカの金融大手ゴールドマン・サックス。社員の年収は数千万円超とも言われる世界的な超一流企業だ。それをなげうって挑戦する。 会見では堂々と抱負を語った。 「小さい時からの憧れの舞台を目指せるのは、恵まれている。一番大きな挑戦をしたい」 私は慶應大野球部OBで、常松選手より3学年上。在学中は学生スタッフとして彼に接した。会見を見て、彼がその決断に至るまでに何を経験し、考え、乗り越えてきたのか。本音を聞こうとインタビューを申し込んだ。(共同通信=荒木悠真) ▽ヤンキースタジアムで感じた「独特の雰囲気」
子どもの頃、リトルリーグで野球を始めた常松選手。メジャーリーグに初めて触れたのは、親の都合で数年間住んだニューヨーク、ヤンキースタジアムだった。 「アメリカの野球の独特な雰囲気というか、これが本場の野球かというのは肌で感じました。スポーツ選手へのリスペクトは日本もすごくあると思うんですけど、日本に比べてもすごくあるなと。特にヤンキースの選手はニューヨークで一番のスター。そういう人たちが野球をやって、これだけ人を集めてエンターテインメントとして成立しているところは日本にはないなと思いました」 当時、ヤンキースにはイチローや黒田博樹、田中将大がいた。「みなさん多分、日本の総理大臣より有名だった」 ▽ラストチャンスでホームラン 日本で野球を続け、慶應大に進んだ。入部時点の常松選手の印象は「豪快かつ繊細」。大柄で身長185センチ。スイングスピードもチームで上位。一方で守備練習では常に良いバウンドで、グラブの音もきれいに鳴らして捕球していた。センスに加え、地道な練習を丁寧にやってきたことがうかがえた。