“無断キャンセル”に悩む医療機関 6月から「キャンセル料を徴収できる」ルール明文化…実際に請求する?

2026年5月25日 19:19
医療機関を悩ませているという、診察の「無断キャンセル」問題。 6月からルールが変わることで、「キャンセル料」を徴収する医療機関が増えていくかもしれません。
 名古屋市北区にある「城北歯科医院・矯正歯科」は、1日に50人ほどの患者を診療しています。

 頭を悩ませているのが、少なくない診療予約の「キャンセル」です。

「赤くなってバツがうってある3カ所が、予約してあったのに連絡がなくて実際に来院されなかったところ。午後は無断キャンセルが2カ所」(城北歯科医院・矯正歯科 後藤洋 理事長)
 
月に30~40件の無断キャンセル
 「城北歯科医院・矯正歯科」では、1カ月で30~40人ほどが無断でキャンセル。

 さらに直前に連絡があった事例も合わせると、50人ほどにのぼることもあるといいます。

「処置のための材料やいろいろな機材の準備、スタッフの準備が必要になり、人件費や材料費の損失が出ると思う」(後藤理事長)

 歯科治療は1人あたり30分から1時間ほどかかることが多く、患者に合わせた準備も必要となるため、基本的には予約制です。

「他の患者さんが機会を損失する方が、ダメージが大きいと感じている。治療の枠が空いていることがわかれば、治療が必要な人にその枠をあてることができるので」(後藤理事長)
 
導入するかどうかは医療機関の判断
 こうした中、6月からルールが変わるのが、「医療機関での診察キャンセル料」の運用です。

 これまでは明確なルールがなく、あいまいだったキャンセル料について、厚労省は一定のルールのもとで「請求できる」とするルールを”明文化”しました。

 医療機関側が、患者へ事前に「キャンセル時には料金が発生する」ことを説明し、同意を得ている場合などに請求できるとしています。

 ただ、実際に導入するかどうか、また、その金額などは、それぞれの医療機関の判断に委ねられます。

 「城北歯科医院・矯正歯科」では、課題は抱えているものの、検討の末、6月からの導入は見送る方針を決めました。

「キャンセル料をいただくことになると、もう1回来てもらう時に患者さんも気まずい。後ろめたさが生まれてしまうと、来なくなって治療が進まないことが起きかねない。信頼関係があった上で進めていかないといけない」(後藤理事長)

 キャンセル料の導入で、治療のロスをなくす効果は出るのでしょうか。

 医療現場では、模索が続いています。
 

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