同志社国際高の辺野古移設めぐる学習、文科相「教育基本法に違反」

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 沖縄県名護市辺野古沖で小型船2隻が転覆し、研修旅行の平和学習で訪れていた同志社国際高校(京都府)の生徒ら2人が死亡した事故を受け、松本洋平文部科学相は22日の記者会見で、辺野古への移設工事に関する同志社国際高の教育内容が政治的中立性を定めた教育基本法に違反するとの考えを示した。

 文科省が、政治的中立性を理由に教育基本法違反を認定するのは初めてという。

 文科省は、研修旅行が安全管理も含めて「著しく不適切」だとし、学校法人同志社などに改善を求める指導通知を出した。

 事故は3月16日、平和学習の一環として小型船2隻に同志社国際高の生徒18人が分乗し、辺野古を見学する中で起きた。2隻が転覆し、女子生徒1人と船長1人が死亡。生徒と乗組員の計14人が重軽傷を負った。

 船は米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する市民団体「ヘリ基地反対協議会」に所属するもので、普段は海上での抗議活動に使われていた。

 また、同志社国際高は過去に研修旅行で、反対の座り込みが行われている辺野古テント村を訪れているが、当時のしおりには、ヘリ基地反対協議会が「私たちの行動に賛同いただける方は、まず一緒に座り込んでください」と呼びかける内容を載せていた。

 文科省は4月24日、職員が学校法人同志社を訪ね、調査を実施。安全管理や教育活動の状況などについて、法人や高校、学校を所管する京都府の関係者から任意で聞き取りを行っていた。

「特定の見方・考え方に偏った取り扱い」

 この調査の結果、文科省は辺野古移設工事に関する学習について、「事前および事後の学習を含めて、様々な見解を十分に提示していたことが確認できず、特定の見方・考え方に偏った取り扱いであったと考えられる」と認定した。

 さらに、「教員の相当数が、船長が抗議船で日常的に抗議活動を行うとともに、生徒らを乗せる船が抗議船であるという認識を持っていたと言わざるを得ない」と指摘。「政治的活動を禁じる教育基本法14条2項に反するものであったと考えられ、是正を図る必要がある」とした。

 また、安全管理については、事故当日は波浪注意報が出ていた▽船には教員が乗っていなかった▽事前の下見をしていなかった▽学校の危機管理マニュアルに不備があった――ことなどが判明している。

 松本文科相は「学校としての適切な意思決定を行うためのガバナンスにも極めて大きな問題があり、今回の事案に関して、学校法人及び学校の責任は極めて重い」と述べた。

同志社がコメント「極めて重大な責任を痛感」

 文科省の調査結果の公表を受け、学校法人同志社は公式サイトに「事故は、生徒の安全を最優先とすべき教育活動において、安全確保が十分に果たされなかった結果発生したものであり、極めて重大な責任を痛感しております」とのコメントを発表した。

 また、再発防止策にも言及。校外活動の安全管理を統括する「安全管理室(仮称)」の設置▽安全管理マニュアルの見直し及び校外活動に関する統一的安全基準の策定、適用▽校外研修等の教育プログラムの安全性等についての事前審査制度の導入▽設置者として、教育内容の適切性の検証及び継続的なチェック機能の構築、を挙げた。

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  • commentatorHeader
    杉山日那子
    弁護士・米国ロースクール実務家教員
    視点いまなら試し読み

    文科省は、①学生の命にかかわる安全管理措置の問題と、②辺野古移設の問題をどう学生に教えるのかという二つの異なる論点を丁寧に切り分け、②について、まず、「政治的中立性」違反の判断過程を、一般に向けて、クリアに、具体的に説明することが肝要と思います。また、その判断が、政府の都合ではなく、学生の能力・資質を最大化するという教育学の専門的な観点から下されたものであることを積極的に説明するべきです。 そうでなければ、辺野古移設の問題、辺野古移設の問題に関する市民社会の活動、といった事項について教えることに萎縮効果が生じ、学生は、日本社会のクリティカルな問題を学ぶ機会を失ってしまい、教育の質の低下につながります。こうした結果は、政府の意図するものではないはずです。更には、辺野古の問題自体を語ること自体が冷え込み、一般市民の議論から周辺化される結果を生むのではないでしょうか。日米関係に直接関する重要な問題であり、本来、最善の意思決定のために活発な議論が必要なトピックの一つであるのに。 「研修旅行が安全管理も含めて『著しく不適切』だとし、学校法人同志社などに改善を求める指導通知を出した」という記載、「事前および事後の学習を含めて、様々な見解を十分に提示していたことが確認できず、特定の見方・考え方に偏った取り扱いであったと考えられる」というレベルの伝え方は、こうした萎縮効果を除去するための明確性への配慮は受け取れません。 続報に期待します。

    2026年5月22日 12:16
  • commentatorHeader
    井本直歩子
    元競泳五輪代表・途上国教育専門家
    視点

    すでに杉山さんが書いているように、安全面と、教育内容を分けて、特に後者においては教育基本法に反するかどうか十分な議論が必要です。安全面での確認が不十分だったのは紛れもない事実で、重大な罪を問われるべきです。しかし教育内容としては、果たして批

    2026年5月22日 21:04