カルデアから白い箱
白い箱から
アーチャー弱ってます。助けてください。
カルデアから
ランサー内心焦ってます。助けるなんてもんじゃねぇ、これは心中だ。
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私はここで何をしているのだろう。この白い部屋で写真の様になっている昔の記憶を見せられている。とは言っても私が英霊になってからの記憶しかないのだが。
南の国のある集落一つ壊滅させた時、北の島の戦争を止めた時など、私が人を殺した時の記憶が記録となって壁に掛かっている。
そうか、私はこれほどまでに人殺しをしていたのか。こう見ると私は本当に正義の味方になれたのか疑いたくなる。いや、これを望んだのは私自身なのだから疑ってはいけないのだ、私が疑い始めたらもう誰も私を認めてくれなくなる。私が私を認めなくては。私だけは。
「だめだ、どの通信も彼に届いていない!このままだと彼は自然消失してしまう!」
「そんな…じゃあエミヤはもう戻ってこないの?」
あいつは突然現れた白い箱に吸収されてしまった。ダヴィンチとマスターが焦っている理由はあいつが吸収されてから今日で3日経ってしまったからだ。マスターが隣にいる、あるいはカルデアと通信が取れていたのならここまで大事になることはなかっただろう。しかし現実は甘くないのだ。現にマスターはカルデアに居るし、カルデアとの通信も取れていない。あいつの体調、霊基が安定しているのか、何一つ分からない状況だ。
「まずいな、同じような事例があったなら対応の仕方もわかるのだが…。これは異例すぎる。」
「一体どうすれば…」
私は、こんなところで何をしているのだろう。固有結界も出せない、武器をトレースしてもすぐ消えてしまうから攻撃ができない。何もできない。この記録も消す事ができない。もうこんな事嫌なのに、こんなのしたくないのに 、しなきゃいけない。もう嫌だ、何もしたくない、呼ばないでくれ、私はもう血を見たくない。誰かが悲しむのなら私が変わる、誰かが辛い思いをしているのなら私が変わるから、だからもう出してくれ。誰か出してくれ、それができないなら私を殺してくれ。頼む。
「?!急に霊圧が弱くなった!本格的にまずいぞ。もう彼の霊基は1日も持たないぞ!」
「…っ!アーチャー」
あいつの霊基が弱くなるなんて中で何が起こってるんだよ。おいアーチャーそろそろ出て来ても良いんじゃないか?お前が思ってる以上に、カルデアはお前を必要としてるんだぞ。だから早く出てこいよ。
「あっ…」
これは…。忘れるはずもない、私がエミヤ◾️◾️◾️だった時の唯一の記憶だ。教室の廊下でランサーに刺された時、あの時見た時、綺麗な人だと思った。夜の廊下に溢れた月の明かりに照らされた彼は、本当に美しくて。忘れるはずがないのだ。
「本当に…美しいな君は。いつ出会っても君は変わらず美しい。あぁ、私は君に抱かれたいと思ってしまった。こんな汚らわしい男に抱かれたいと思われて可哀想に。こんな気持ち悪い男は死んだほうがいいだろう?」
「本当にまずいぞ!今すぐにでも消えそうだ!何か、何か手は無いのか…!」
「おい、俺をその白い箱に入れろ。」
「何言ってるんだ、そんなことしたら君も一緒に消滅してしまうかもしれないんだぞ!?」
「そんなことここで言ってたって意味ねぇだろ。現にあいつは消えそうになってんだ、俺が動かねぇとあいつは消える。それに変わりはないだろ?」
「…わかった、入ることを許可しよう。ただし、あの白い箱から出る方法は我々は分からなかった。つまり君が白い箱から出られる可能性はほぼゼロだ。それでも良いね?」
「勿論だ。あいつをそのまま放って死なれるより俺の目の前で死んでもらったほうがいい。」
「君の愛は重いね。」
「あ?これは愛じゃねぇよ。」
そう、これは愛じゃねぇ。俺の知らないところであいつが死ぬのは俺の気分が悪くなるから、それだけだ。愛なんて綺麗なもんじゃないんだ。