2026年4月1日、米フロリダ州のケネディ宇宙センターからNASA主導の月周回ミッション「アルテミスII」の宇宙飛行士4人を乗せた有人宇宙船オリオンを搭載して打ち上げられる大型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」(NASA HQ PHOTO, Public domain, via Wikimedia Commons)
2026年4月1日、米フロリダ州のケネディ宇宙センターからNASA主導の月周回ミッション「アルテミスII」の宇宙飛行士4人を乗せた有人宇宙船オリオンを搭載して打ち上げられる大型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」(NASA HQ PHOTO, Public domain, via Wikimedia Commons)
米国の科学競争力に関する隔年報告書『米国の科学・工学の現状 2026年版(The State of U.S. Science and Engineering 2026)』(通称:Indicators)によると、中国の研究開発費は2024年時点で1兆300億ドル(同年末レートで約163兆円)で、米国の1兆100億ドル(同約160兆円)を初めて上回った。
研究者や学術関係者でもなければ、NSFやNSBという組織の名称に馴染みはないだろう。1950年の国立科学財団法(National Science Foundation Act of 1950)により設立されたNSFは、理事長と委員会(NSB)の二頭体制で運営されている。両者は共同で、年間約90億ドル(約1兆4300億円)に上る連邦政府の研究資金を配分するNSFの戦略的方向性を定め、予算案を承認し、新たな研究プログラムを認可している。
この構造は、フランクリン・ルーズベルト政権で科学顧問を務めたバネバー・ブッシュ博士が1945年にまとめた報告書『Science, the Endless Frontier(科学、果てなきフロンティア)』に端を発する。この報告書では、連邦政府の科学研究に必要なのは、政治的圧力から隔離されたガバナンスと単一の予算サイクルを超えた支援の安定性だと論じていた。
昨年の「科学のために立ち上がろう(Stand Up for Science)」イベントで、著名な科学者ビル・ナイ氏(「サイエンス・ガイ」として知られる)が、米国議会議事堂近くの群衆に短い演説を行った。私は彼と長時間の自転車ライドに行き、その間ずっと話をする栄誉に浴したが、彼がいかに特別な人物であるかをすぐに理解した。